ふわふわ

mococoの近況.主にEVE Onlineに関する話題など.

[.Z.] Ally War II

2007-01-08 20:50:44 | EVEOnline(Game)
TRAPSからWakaba CorpへのWar Dec(宣戦布告)がretracted(撤回)され,Izanagi AllianceもWar Decを解除したので,お疲れさまで一時休戦なのか思ったら,そうとも限らないらしい.

相手方のCEOのblogが話題になっていた.

これはこれで読んでいて面白い.黒ApocやPOSを持っているのを見て「金を持ってそうだからWakaba Corpを選んだ」というのは「宙賊」としては至極真っ当な考えなのだろう.ただ,実際にはWakabaは散開してしまったので予想していた美味しい略奪PKは全然出来ないし,逆にIzanagiみたいな強面(こわもて)が出てくるし,で彼らにとっては予期せぬパンドラの箱(本人談)になってしまったようだ.

一時離脱した社員や,受け取ったメールを山車にWakaba Corpを散々馬鹿にしているのは,まぁそうでもしないとやりきれないといった所なのかも.見つけたWakabaの社員3人が3人共,揃ってAFKだったので「WTF!」と叫んでいるのには笑えた.

WakabaとIzanagiの関係をどう考えているのか知らないが,次にIzanagiがRe-Dec(再度宣戦布告)してきたら,もう一度Wakabaにも宣戦布告し返す,と言っている.また IzanagiがRe-Decしてきたら,友達の傭兵会社(350人くらい居るらしい)に助けてもらうもんね,とも言っている.一体強気なんだか弱気なんだかよく分からない.

TRAPSは現在,元社員が一人Corpを作って,自ら自社に幾つか宣戦布告している.戦争相手が増えれば増えるほど,必要な宣戦布告金が釣り上がるシステムなので,これはIzanagiが宣戦布告をする際の嫌がらせか,若しくは布告を避けたいという意思の現われにも見える.
「今後数週間,楽しくなりそう」というblog内での強気な発言の割には,こんな細工をしている所をみると,案外資金繰りは厳しいのかも,とも想像してみたり.

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しがないチンピラの虎不須君,お金持ちに見えた若葉君を苛めて,カツアゲしようとしていました.ところが若葉君ちの近くに住んでいた伊弉諾君に見つかってしまいました.「俺のシマでカツアゲしようなんざぁ100年早えぇんだよ」と逆にボコボコにされて追い返されてしまいます.

「こんなはずじゃなかった」と虎不須君,ぼやいても始まりません.

「若葉君を苛めるのはもう辞めるから勘弁してくれよ」と詫びる振りをしつつ,近づいた伊弉諾君の脇腹を隠し持っていたナイフでブッスリ.「詫び入れるフリして闇討ちしようなんざぁ,性根腐ってんじゃねーよ!」と刺された痛みも忘れ,怒り心頭の伊弉諾君に再びボコボコにされて地面に倒れ伏す虎不須君.とっさに一言「ま,待ってくれ!」

「これ以上俺に手を出すと,本場モンの怖い兄貴を呼んで来ちゃうぞ!? ほ,ほんとだぞ!?若葉君にも仕返ししちゃうぞ!?」
とりあえず聞いてやった伊弉諾君はいい加減アホ臭くなったので「いーからとっとと連れて来いよその『本場モンのアンちゃん』をよ」と言い捨ててその場を去ったのでした.
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元記事はこちら([.Z.]のAlly News).
現状のままだと絵に書いたようなヤラレ役ですよ,虎不須君.


[SS] 在りし日のWakaba Corp POS.恒星に映える姿が美しい.2ヶ月弱に渡って運用されていたが,先日役目を終えて無事に撤収された模様.

クローンって.

2007-01-05 01:05:32 | EVEOnline(BackStory)
前記事で訳したのは,公式サイトのバックグラウンドストーリの設定資料「科学記事」と銘打たれたものの中から「クローン技術」について.科学者が開発に参画しているからなのか何なのか,設定資料の密度もやたらに濃い.決して長期メンテナンスで暇つぶしに読み下したわけでは.

つまり,EVEの宙でぶっ殺される時に何が起こっているのかというと,バーニングスキャナっていう装置で脳みそを根こそぎ熱線スキャンされて元の身体は廃人になって遺棄(ポイ)され,意識は人口骨格に他人の死体の臓器を詰め込んだ身体に飛ばされて目覚めるわけ.
...えっと...mococoはなるべくPodkillはされないように頑張りたいと思う次第.

当然だが全ての著作権はCCPに帰属するので念のため.もっと色々読みたい方は,EVE Wikiに集まっている.Gentzenさんによる超光速航行の訳などは秀逸で,SF好きや物理好きなら楽しく読めるはず.


[SS] Gallente連邦の宇宙ステーションの一つ.超「出航しづらい」のでmococoは好きではない.何故だかどちらに行こうとしても必ず引っ掛かる...私だけ?

Cloning(公式訳)

2007-01-04 20:29:43 | EVEOnline(BackStory)
Copyright © CCP

●Cloning
以下の文書は,Gallente領に拠点を置く,とあるクローン会社が事業拡大のために追加融資を募集した際の案内書の一部である.この案内書では現在宇宙で用いられている最新の応用事例の解説と共に,クローニングを支える科学技術についても述べられている.

(原文)


●Cromeaux Inc. Memorandum
Cromeaux社 追加ご融資 募集のご案内

●Statement of purpose
趣意書

Cromeaux社は連邦内において高品質クローンをご提供する最大手企業となることを目指しております.
クローニング・ビジネスはEVEにおいて最も利益の大きな産業のうちの1つになっており,革新的かつ活動的な弊社はすぐに良い売り上げを得られると確信しております.弊社はこの数ヶ月間で業界最高の科学者を迎えており,今後5年間でより一層先進的なクローニング技術の開発を行い,大幅なマーケットシェアの拡大を目指します.

弊社はChemal Tech社の独立子会社として7年前に設立されました.現在の資本内訳はChemal Tech社による出資が2/3を占めており,その他は弊社役員自らによる出資が25%,Luminaire銀行による出資が8%ととなっております.皆様に今回のご融資を頂くことで,弊社は連邦全体に渡って競争力のある製品をご提供できる企業に躍進を遂げます.

●Business
事業

クローンは需要の高い高級商品です.行政機関に認定され信頼できる高品質クローンを配備する正規医院の他に,粗悪で危険な材料を用いることもある違法なクローン医院が数多く存在するという事実を見ても,正規マーケット以外の場でも相当量のクローン需要があることが明らかです.

Cromeaux社は生化学の権威であるYomir Veschens博士及び起業家のEron Jasceteによって7年前に設立されました.今日では,世界的に一流な遺伝学者及び生体工学者を多数含む,4,000人超の従業員を抱える会社となっています.弊社に勤める主要なメンバーは次のとおりです.

・Yomir Veschens博士.CTO.SWS '74 EST卒.生化学及び遺伝子設計学の両博士号を取得.過去にはJurg Akrael博士のチームに所属し,脳写像技術の完成に寄与しチームを成功に導く.Cromeaux社の共同出資者の一人.
・Marika Alois.CEO.優秀な起業家として名高く,過去に手がけた企業にはKS Manufacturing社やDioSec社がある.今年初めから弊社CEOに就任.
・Daphnie Fonterouche.CFO.Luminaire銀行の銀行支店長を勤めた後,独立し財務顧問会社を営む.4年前から弊社CFOを勤める.
・Roul Gonzi博士.上級エンジニア. 過去にはPoteque Pharmaceuticals社のクローン事業部にて研究チームを指揮.
・Araham Keredin博士.研究者.以前はAmarr PrimeのRoyal Instituteの生物学教授を勤め,この春から弊社に就任.補助記憶学及び心理復元学のエキスパートでもある.

弊社は既に連邦内に5箇所のクローニング施設を有し,そのどれもが都市地域に位置し高利潤を期待できる地域に展開しております.弊社は今後数ヶ月のうちに,更に4箇所の宇宙ステーション施設を含む7箇所のクローニング施設を建設することを計画しております.これは今後,最大の顧客になるであろう宇宙船艦長からのクローン需要に応える為です.

現在,連邦内におけるクローン業界の最大手はPoteque Pharmaceuticals社となっております.
Poteque Pharmaceuticals社は連邦内で最大のバイオテクノロジー会社であったため,事業化の目処が立ち,法基盤が整うや否や容易にクローンビジネスに進出することが可能でした.しかしながら,クローン事業が彼の巨大なコングロマリットの小さな一事業部門だけであるということは彼等にとってこの事業が優先事項ではないことを意味しています.その一方,我々Cromeaux社は専らクローン事業に焦点を絞ることにより,クローン製造分野の新たな担い手となる類まれな機会を持っていると言えます.

ここに現在のクローン事業における会社間の市場シェアの分析結果を示します:

・Poteque Pharmaceuticals [30%]
・Zainou [21%]
・Genolution [9%]
・Lai Dai [7%]
・Eifyr & Co. [4%]
・Cromeaux Inc. [1%]
・Other [28%]

我々Cromeaux社は,今後5年でクローン市場の5%シェアの獲得を目指します.

●Operation
オペレーション

クローニング技術は3つの分野に大別することができます.「クローンの製造」「脳成育と記憶復元」および「クローンの品質」です.どの運用にも,熟練したスタッフ及び詳細な知識を必要とします.我々Cromeaux社はどの分野でも,誇るべきスタッフと知識を十分に所有しております.

●Clone manufacturing
クローンの製造


クローンはバイオマスを使用して製造されます.近代的な方法では,どんな種類の有機物からもクローンの製造が可能となっています.動物の屍骸から(有機物なら)スープに至るまで,どんなものでも原料として使用することができますが,最良のクローンは人間の屍骸から製造されるものです.低品質の材料を用いることは大規模な組織再構成や多くの化学工程を要し,かつお客様の意識を転写する際にエラーを引き起こす重大な危険性を伴います.

クローンご購入時には,お客様は精密検査を受ける必要があります.また幾つかの組成サンプルを採取させて頂きます.組成サンプルはお客様のクローンを構築するために利用されます --- クローンはオリジナルが死ぬまさにその瞬間にオリジナルの意識を受け取り,新しい生を授かるのです.

Cromeaux社では,全てのクローンは正規に保証された(遺言でドナー提供に同意された方の)人間の屍骸からのみ製造されます.
バイオマスでは細胞組織の腐敗が進行しないよう最高品質の保存料が用いられ,異物混入や組織剥離が起こらないように維持されます.
Cromeaux社は最高品質のクローンの製造業者としての名声を得ることを使命としており,運用上クローン施設が悪用されることはございませんので,お客様には安心してご利用頂けます.弊社では全ての連邦法と規則は厳格に遵守され,また連邦政府の検査官が我々の全てのクローン製造施設に常駐しています.

バイオマスは身体を構築するのに用いられます.この身体は全知覚器官,完全に機能する臓器官及び末梢神経系を含みます.ただし,頭脳は切除され代わりに心拍数,血圧および呼吸を維持することができるだけの原始的な神経中枢系だけが残されます.この身体の体温は周辺環境に依存する為,環境温度は細胞系に損傷を与えないよう最新の注意を払って維持されます.

ドナー提供者が元々有していた免疫系は不活性化されます.また胸腺は切除され,代わりにお客様の移植細胞に置き換えられます.これらの工程を経ることでクローン体は移植に対して拒絶反応を起こさなくなり,お客様の幹細胞を埋め込むことができるようになります.クローン体の体細胞は非常にゆっくりと分裂し,徐々に埋め込まれた新しい細胞系に置き換わります.

クローン体の培養には数ヶ月を要します.しかし,あらかじめ全てのクローン施設にはお客様が何時でも購入可能な一般的なクローンが備蓄されています.
頭蓋骨の形成には柔軟性合成骨ポリマー(*1)を材料として用い,成型加工された後にガンマ線レーザーを照射することで硬化できます.他の様々な骨格も同様で,この技術により目鼻立ち及び身体的外観は非常にすばやく復元可能です.この処理はお客様によってクローンが購入されると同時に迅速に行われます.同様の技術を用いて肌の色合い,刺青,傷跡も復元されます.こうして特長を持たなかったクローン体は,あたかもお客様と一卵性双生児であったかのような変貌を遂げます.
(*1 soft synthetic bone polymers)

いかなる優れたクローニング会社であっても,種族,血統の違いにより生じる生理学的な差異を考慮しないわけにはいきません.クローンへの意識の転写プロセスが円滑に,かつ最小限のズレの範囲内で行われるようにするためには,各々の血統が有する固有のDNS痕を複製しなければなりません.血統を揃えることで各血統が有する独特の特徴及び習性は保持されます.
記憶復元は脳細胞の精密な神経層のレイアウトと密接に関わっている為,脳の成育過程(下記参照)において以前の身体と血統が合っているかどうかは非常に重要となります.

●Brain growth & storage
脳成育と記憶復元

もちろん,お客様の明確な合意が得られない限り,決してクローン体の脳の成育が行われることはありません.
一度クローンが購入されると お客様の頭脳形状及び神経細胞中枢の配置を確定するために完全な脳スキャンを行わせて頂きます.その後,お客様の頭脳形状と合致する3次元ゲル構造体(*2)が組成されます.
(*2 three dimensional gel structure)

脳スキャンから得られた情報に沿って,このゲル構造体を神経細胞および神経膠細胞と共に,高濃縮栄養素と不活性成長因子を浸透させて培養することで頭蓋が形成されます.この成長因子は受容分子となっていて,お客様にお渡しする焼成スキャナ(*3)(下記「クローンの品質」参照)の中にある分子と結合され(有名なFTLコミュニケーション技術(*4)を利用)ている必要があります.
(*3 burning scanner)
(*4 FTL-communication technology)

培養完了後,ゲル構造体はオリジナルの最後の瞬間まで仮死状態で維持されます.

ひとたび焼成スキャンが発動されると,不活性成長因子に結合されている分子が不安定な状態になり,分子分裂によって成長因子の活性化を促します.この活性化における発熱過程は,ゲル構造体へ導通する神経線維を溶かし開くのに十分な熱を生じます.活性化された成長因子によって引き起こされる神経線維の成育により,ゲル構造体内の樹枝状結晶はオリジナルの脳と全く同じ組成となります.


このプロセスだけでは,オリジナルの脳の正確なレプリカを作成するのに十分ではありません.
樹枝状結晶の形状とシナプスの増強レベル(この2つの組み合わせによって記憶と能力が決定される)を正確に復元するためには,神経間リンクを微調整する必要があります.このため,活性化プロセスが神経経路に書き込まれ終わるまで,組成された樹枝状結晶と神経間リンクを通じて神経刺激が送られ続けます.

これらのシナプスの増強調整はクローンへの同調作業の最終段階において急激に行われる為,クローンで意識を覚醒するときの感覚はよく,記憶が「戻ってくる」と表現されます.

クローン施設では,一般クローン体と同じように,お客様がお作りになられたクローン体(俗に言う準備済クローン)も維持されています.ゲル構造体中の受容分子が,お客様にお渡しする焼成スキャナと対になって結合されているために,クローニングプロセスは必ず1対1が原則となっています.

弊社「プレミアムメンバー」にご入会頂ければ,Cromeaux社が所有する全てのクローン施設にお客様クローンを準備させて頂きます.--- 我々Cromeaux社が本サービスを最初に開始して以来,他の大手クローニング会社もこぞって同様のサービスを開始しました. ---
しかしながら,クローンと1対1対応の焼成スキャナをご購入のお客様には,現在のところ,お住まいから最も近いクローン施設をご利用頂く必要があります.

●Clone quality
クローンの品質

カプセル・センサーはカプセル内部の破損を検知した場合,瞬時に前述のような乗員の脳状態の緊急アップロードを行います(訳注:焼成スキャンと活性化のこと).カプセルが行う焼成スキャンは,乗員の脳をアナログ走査します.この緊急時スキャンによるスナップショットは,全ての脳細胞間の全てのニューロン接続の状態を含んだ,正確な脳状態を記録します.この緊急時スキャンは瞬間的かつ高効率でなけれなならない為,この高出力スキャンが走査した脳は完全に「虐殺」(*5)されます.
(*5 brutalized)

初期の幾つかのスキャン実験において被験者は恒久的な心傷及び重度の脳損傷を受けており,これは回避不能な現象として受け入れられました.しかしながら,如何なる手段をもってしても死ぬ状況にある人間にとっては,この深刻な副作用も些細な問題でしかありません,

現在の全てのカプセルは,この緊急時スキャンを行うべき瞬間を高度に調整されています.もしスナップが余りにも早すぎると,乗員は死んでいないながらも植物状態で生き続けなければなりませんし,もし余りにも遅すぎれば,スキャンが未完のまま失敗する危険性があるばかりでなく,仮に成功したとしてもクローンで復活した際に自らの死の経験を知覚しなければならなくなります.これは深刻な外傷的体験(トラウマ)となり,クローンに重篤な心理的,機能的障害を引き起こします.

クローンの品質には重点を置かざるを得ません.クローン体の脳の組成や形状がオリジナルに近ければ近いほど,復元プロセスがより良く働くからです.大きな違いとして,シナプスの成長プロセスの過程において失われる記憶量が挙げられます.これは宇宙産業において最も顕著に現れます.全ての宇宙船艦長は,航行認可証を得る際にクローン体の生成を義務付けられています.しかしながら,自分に合った適切なクローン体を購入し続ける義務は無いため,適正なクローン体を保有せずに死亡した場合,一般的なクローン体が供与されてしまいます.これらの一般クローンはオリジナルとは大きく異なった脳組成を持たざるを得ないため,記憶の喪失は非常に厳しいものとなるでしょう.

一方,人間の屍骸から製造された完璧な状態の自己クローンをあらかじめ用意しておいた場合,99.99%の記憶を復元することが可能です --- これはまさにオリジナルのドッペルゲンガー(*6)と呼んでも差し支えないでしょう.
(*6 true doppelganger)

●Market analysis
市場分析

クローンの需要はこの数年間で明らかに増加傾向にあります.これには幾つかの理由があげられます:
・より安価で簡便な新しいクローニング技術が開発されたこと
・競合によりクローン設備を備えた宇宙ステーションが増加したこと
・最大の顧客層である,宇宙船の艦長の増加したこと
・新しい法令や規制が制定され,今まで利用が制限されていた分野でのクローン利用が認められたこと
・多くの地域で,クローニングが危険な実験あるいや社会的なタブーとは考えられなくなってきたこと


違法な,或いは秘密裏に操業するクローニング設備が余りにも膨大なため,正確なクローン市場の規模を知ることは不可能です.これらの違法なクローン施設の多くは低品質なクローンを製造しているに過ぎませんが,それでも尚,多くの潜在的顧客層が正規市場から流れていってしまっていると考えられます.公平な目で見れば,これらの違法なクローニング施設は正規サービスを受けられないであろう顧客層へのサービスを提供しているとも言えます.以下に示すのは今日のクローン市場の各種統計です.但し,違法なクローニング施設に関する情報が不足している為,これに関する値は全く正確ではないことにご注意下さい.

○クローニング会社数:

・クローニング会社 計 [42]
・違法な 同上 [18]
・クローニング施設 計 [510]
・違法な 同上 [60]

○クローン売り上げ数:

・昨年度総売り上げ数 [148.732.202]
・違法な 同上 [24.450.819]
・昨年度総収益 [12.419.138.867.000]

○クローン原料内訳:

・正規保証済 人間の屍骸 (Grade A+) [37%]
・非保証 人間の屍骸 (Grade A) [32%]
・動物の屍骸 (Grade B) [23%]
・その他の有機原料 (Grade C) [8%]

○地上 対 宇宙 比:

・宇宙 クローニング施設数 [103]
・地上 同上 [48]
・宇宙船艦長へのクローン売り上げ数 [42.615.928]
・違法な 同上 [15.778.144]

全世界の人口における産業別就職比率を勘案すると,ほとんど僅かに過ぎない宇宙産業における市場が非常に大きいことが,これらの統計から分かります.これは宇宙航行が危険だということを示しているのではなく,宇宙船艦長が法令によってクローン生成を義務付けられた唯一つの職種であることに起因します.過去の幾度もの経験と歴史の積み重ねが,この義務付けの必要性を立証しています.
また,宇宙産業は最も急成長している産業でもあります.昨年度,地上のクローニング施設の販売売上高は3%増だったのに対して,宇宙ステーション内のクローニング施設の販売売上高は何と11%増を記録しています.

●Income project and future prospects
事業計画及び今後の展望

設立からの2年間,我々Cromeaux社は研究開発に従事して参りました.3年目に最初のクローニング施設が設立され,以降毎年クローニング施設を増設して今日に至っております.昨年度は最初のクローニング施設からの収益が上がった最初の年となりましたが,同時に収益と同額の経費を計上させて頂いた最初の年でもあります.これは事業が安定軌道にのり,拡大再生産へ向けた経常基盤が確立されたことを意味しております.今回ご案内する新しいご融資を頂くことによって,我々Cromeaux社は前述したように最も大きな市場拡大が見込める宇宙事業へ進出いたします.

文頭で示しましたとおり,我々の計画する7つの新しい施設のうち,4つの施設は宇宙ステーション内に建設される予定です.弊社はすでに以下に挙げる宇宙ステーションを確保しております.これらは全て交通量の多い星系に位置しており,これらの宇宙ステーションはいずれ,我々Cromeaux社の事業の中核を成していくであろうと期待されます.

・Miroitem II
・Reblier Prime
・Deven I
・Colcer II

現在計画している7つの施設が稼動を開始いたしますと,弊社の予想売上高は4倍になると想定されています.同時に会社の操業経費は2倍になると想定されています.従って,今後2年間で 1~2.000.000.000 の純利益が期待されます.
弊社取締役会一同,今回の弊社の事業拡張におけるリスクは最小限であり,かつ想定される全ての投資家の皆様への配当金が多大なものになるであろうことを確信しております.


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[追記] Izanagi EVE Wikiに転記しました.(2006/1/9)

モラ・ルチアーノの一生(創作)

2007-01-01 23:38:41 | OffTopic
シチリアの貧しい農家の出であるモラ・ルチアーノは,幼少の早くから地元のコーサ・ノストラ(マフィア)の一つ,ワインバーグ・ファミリーのメンバーとして出入りしていた.
ワインバーグ一家は彼女にとって大切な仲間がいる,暖かく居心地の良い場所だった.

23344年の年末に,ワインバーグ一家はコルシカから渡って来たトラップス一家に宣戦布告され,抗争状態に突入した.

抗争が始まるや否や,ファミリーのドン(ボス)であるヴィト・ワインバーグはコミッション(仲間内ファミリーとの連絡の場)で非闘争を明言し,影武者のジャン・P・クロンを置いて自分はいち早くマイアミに隠遁してしまった.カポレジーム(幹部)の面々もシマであるシチリアからそれぞれ脱出した.
シチリアに残ったのは,抗争の始まりを知らされなかったり気づかなかった若衆や,抗争の危険度をよく理解できていないメンバーだった.

抗争中にメンバーのマイヤーとロベルトが殺されたとき,「シチリアから脱出して潜伏しろと忠告してやったのに,奴等には運が無かったんだ」とだけ呟いてヴィトは動こうとはしなかった.

抗争中にメンバーのインデリカートが殺されたときも,「彼には良い経験になっただろう」とだけ呟いてヴィトは動こうとはしなかった.
この時,カポレジームの一人が私財を投じてファミリー名義でこっそり遺族に見舞金を送ったが,それを知ったヴィトは「今後はファミリーがそのようなことをしてやる必要は無い」と言った.

抗争中にメンバーのデューイが襲われたとき,彼は果敢にも刺客を撃退したが,後にトラップス一家の4名に待ち伏せされて惨殺された.これを後で知ったヴィトは「俺も逃げも隠れもしていないが,マイアミ周辺ではトラップスの奴等は全く見かけんな」と言った.

モラは何人もの仲間が殺され,トラップス一家が我が物顔でシチリアの地を練り歩くのを歯痒く思っていた.連中が一人で出歩いている所を狙えばワインバーグ一家の若衆だけでも十分戦えると思っていたが,ファミリーの名を背負ったまま特攻して他のメンバーに迷惑を掛ける訳にもいかず,悶々とした日々を過ごした.

ヴィトにも勿論,一家を守るドンとしての考えがあった.
いくらシチリアを荒らしまわった所で大した益が無いと理解すればトラップス一家は撤退するだろうと踏んでいた.また,いずれ他の大きなファミリーと同盟(アライアンス)を組めばトラップス一家は手を引くだろう,ともメンバーに説明していた.

直情径行で単純な性格であったモラには,ドンやカポレジーム達の深謀遠慮は理解できなかったので,ヴィトの態度は仲間への情が薄く保身的であると感じた.「トラップスの馬鹿連中は相手にするまでも無い」とマイアミの奥地から言っている我等がドンの言葉は空虚に聞こえたし,他のファミリーの手を借りることを最初(ハナ)から考えているようでは仲間の死も浮かばれまいと思っていた.

年が明けても抗争が長引くと,シチリアをシマとするトラム・ファミリーやディメンジオ・ファミリーがトラップス一家を追い出しに掛かった.ヴィトも重い腰を上げ反撃を決意したが,ヴィトから一家への指令は「カポレジーム達と相談して反撃しても良い.猛者揃いのトラム・ファミリーが参戦してきたので,彼らと連携を取れるようなら,俺の指示は仰がなくて良いから彼らに従って戦え」というものだった.

「やるなら徹底的に潰してトラップスの連中には10億ユーロの賠償金を請求してやる」と言っていたドンの言葉を信じていたモラは,この及び腰とも取れる指令に大変失望したという.

後日まもなく,モラはワインバーグ一家を脱退した.彼女はよくワインバーグ一家で過ごした暖かい日々を懐かしんでいたというが,その後の消息は定かでない.

一説によればマフィアのオメルタ(沈黙の掟)を破ったとしてシチリアの地で暗殺されたという.


明けましておめでとうございます.

2007-01-01 21:12:39 | OffTopic
あけましておめでとうございます.
今年も皆様にとって幸多き年でありますように.


[SS] Apocalypse級戦艦が居並ぶ艦隊の様子.旗艦は下方に浮かぶファクションシップ「Apocalypse Navy Issue」.
Eveの世界には一般艦艇より高い性能を誇る上級艦が存在する.「一般艦艇<ファクションシップ<Tech2艦艇」の順で艦性能が高くなっていき,Tech2クラスが存在しない戦艦のファクションシップは特に人気が高く,高額で取引される.