宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました
⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。
第15回目(最終回)は,「萬楽堂」を紹介します
【震災からの復旧の状況】
東日本大震災の地震と津波で店舗及び工場は全壊しましたので解体しました。震災後は,(有)風月堂さんの工場を借りて営業を再開し,その後,プレハブの工場を石巻市立町に建設,平成23年12月「立町復興ふれあい商店街」に出店しました。
プレハブの工場
立町復興ふれあい商店街
お店の方から一言
震災後は,移動販売車で女川町や仮設住宅をまわりパンを販売してきました。
平成25年12月9日に以前工場のあった場所に新工場兼販売店舗を建設し,オープンすることができました。
新築した工場兼販売店舗の様子(H25.12.9プレオープン,H26.2.15グランドオープン)
店内の様子
【展示発表会へ出品した菓子】
黄金ごまゆべし 価格120円/個(税込み)
(石巻の地域住民から愛され続けられる菓子です。)
お店の方から一言
昔からの味を引き継ぎ,ごまたっぷりのゆべしです。
甘過ぎず,軟らかいので小さなお子さんからお年寄りまで幅広い年代層に愛される菓子です。全国菓子博覧会第25回大会で橘花栄光賞,平成25年度開催の第26回では,全菓博栄誉大賞を受賞しました。
プチカボチャ 価格120円/個(税込み) 注)※現在,原料調達の都合により一時生産を中止しています。
(慶長遣欧使節出帆400年を記念し「メキシコ,伊達,支倉常長等」をイメージさせる菓子です。)
お店の方から一言
メキシコをイメージした菓子で,食べやすいカップ入りのカボチャを使ったマドレーヌです。
お茶のお供にどうぞお召し上がりください。
【店長“イチオシ”スイーツ】
「保夜美人(ほやマドレーヌ)」
お店の方から一言
この菓子は,平成22年度に石巻製菓製パン同業組合が,石巻市特産の「ほや」を使ったお土産用の菓子を研究し開発したもので,平成23年2月から組合員の共通レシピと統一パッケージ,「保夜美人」のネーミングで各店舗が製造販売しています。
「ほや」の粉末を練り込んで焼き上げたマドレーヌで,甘いマドレーヌの中に,ほんのりと「ほや」の風味が残ります。
「ほや」好きにはたまらない菓子です。
全国菓子博覧会,平成25年度開催の第26回では,外務大臣賞を受賞しました。
「メロンパン」
お店の方から一言
元祖メロンパンと言われています。萬楽堂で60年以上前から作っている人気の商品です。
甘さひかえめで,クッキーのそぼろを上に付けて焼いたもので,中にはクリームが入っています。
【作り手の想い】
昔からの味を守りながら,新しい取組にも挑戦していきたいと思っています。
今年の2月15日で創業100年を迎えます。工場兼販売店舗も新築し,新たにイートインスペースも設けました。また,フランスパンやカイザーゼンメルなども新たに販売を開始しました。是非,御来店ください。オリジナルブレンドの珈琲も準備して御来店をお待ちしております。
作り手:(株)萬楽堂 橋舞 取締役専務
【お店情報】
(株)萬楽堂(石巻市立町2丁目4-23)
連絡先 : 0225-22-3348)
営業時間 : 7:00~18:00
定休日 : 不定休
住所 : 石巻市立町2丁目4-23
【記載者コメント】
萬楽堂が受賞した「第26回全国菓子博覧会」(博覧会は,明治44年第1回帝国菓子飴大品評会に始まる歴史ある博覧会で4年に1度全国持ち回りで開催されている)は,平成25年8月に広島市内で開催され,全国から約3,500店が集まり,宮城県からも60店が参加しています。この日本最大の菓子の祭典で,石巻地域からは6店が参加し,その全てが入賞し,石巻地域の菓子店の魅力を全国に知らしめることができました
受賞した6店は下記のとおりです。
外務大臣賞:保夜美人(萬楽堂)
厚生労働大臣賞:サンファンバウティスタ号の里(風月堂)
中小企業長官賞:どら焼(岡埜栄泉)
観光長官賞「特別賞」:四方焼(相澤製菓)
食料産業局長賞:くるみゆべし(ふしみ屋菓子店)
全菓博栄誉大賞:黄金ゆべし(萬楽堂)
金賞:ちゃきん(加藤屋菓子店)
東日本大震災の被害を乗り越え,伝統の味を守る石巻地域の菓子店に是非お越しください。
今回で,慶長遣欧使節出帆400年記念「いしのまき地域すいーつ」展示発表会に出展いただいた菓子店全15店舗の紹介を終了いたします。
取材を快く承諾していただいた各菓子店に感謝申し上げます。
15回に渡って皆様に御紹介してまいりました「いしのまき地域すいーつ」展示発表会参加店シリーズで一番伝えたかったことは,東日本大震災で支えていただいた全国の皆様への感謝の言葉です。そして,震災復興へ向けて立ち上がろうと頑張る石巻地域の現状を広く知っていただきたいと思いこのブログに掲載しました。
東日本大震災から3年が経過し,石巻市・東松島市・女川町では1日でも早い復興を目指し急ピッチで事業が進められています。
このシリーズでも何度か紹介しましたが,特に沿岸部では人口の流出が大きな課題となっており,そこで商売を営む方々は苦しい戦いが続いています。しかし,この苦しい中で各菓子店経営者の皆様からは,震災後も地域住民から愛され,変わらず作り続けられる伝統的な菓子の味を守り,さらに新しい菓子の開発にチャレンジする強い意志が伺えました。これは,まさに慶長大津波(1611年)の被害から約2年でスペイン王国等への使節派遣を成し遂げた仙台藩主・伊達政宗の不屈の精神が,今も石巻地域で再起を掛ける人々の心に生き続けているものと感じます。
平成26年度は,慶長遣欧使節出帆400年記念事業の一環として,「スペイン」をテーマとした菓子イベントを企画し,魅力ある石巻地域の菓子をPRしていきたいと考えています。石巻地域は水産の街としても有名ですが,地域の菓子店が連携協力し,地域ブランドとして「いしのまき地域すいーつ」が近い将来誕生してほしいと願っています
(toshi)
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