旅先での目覚めはいつも不思議な感じがする。
この日もホテルの一室でぼんやりと覚醒したづなは一瞬まだ夢を見ているような錯覚に陥った後、
そうだった、ここは東京だったと昨日からの流れをどっと思い出す。
夢のような一日だった。できることなら昨日の松山空港あたりからもう一度経験したい。
昨夜は二次会から一旦ホテルの部屋に戻ったあと、少し体を休めようと横になっているうちに
実に3時間ほどすっかり寝入っていたらしい。
お茶から帰ってきたしょことなこに「やっぱり寝よった!」と笑われながら、しかし
常におなかのみにづなを気遣ってくれる二人としばらくおしゃべりしてから再び眠りについたのだった。
朝食はレストランのびゅっへ。もとい、ビュッフェ。立所に胃腸から「さあ食物をよこせ」
と矢の催促が始まる。分かっている、待っていろ。
和洋中と余すことなく料理を複数の皿に盛り、なこと席についた。
隣のテーブルにはアメリカ人とおぼしき外国人観光客の2人組。
まだ小雪がちらついている外の景色とガラス1枚を隔てて座っている彼らは
Tシャツ姿だ。元気だなあ。
づながおかわりを両手に戻ってきた頃には2人増え、4人で何やら話し込んでいる。
英語だろうかと失礼を承知で、そりゃお金は貯まらないだろうなと評判の小さい耳をそばだてる。
Ben(仮名)「『TAKUAN』」
沢庵・・?
ジャパニーズフードのレクチャーだろうか。
Bob(仮名)「『TAQ..AN』??」
Ben「No,『TA"KU"AN』」
存分に日本食を堪能して帰っていただきたい。
3回目のおかわりで取ってきたパンをづなが嬉しげにかじっていると、コーヒーを手に戻ってきたなこが
「しょこ達がおったよ!」と言う。
早々に食べ終えて新郎新婦の席へおじゃまして話すうち、今日は新郎ユーさん(仮名)に
ドライブに連れて行ってもらうことに。
いいん!?いいん!?と一応遠慮はするがそりゃ嬉しい。
お言葉に甘えて支度を整え、地下駐車場から都内へと繰り出した。
スカイツリーを見上げ、東京タワーに歓声をあげ、六本木ヒルズを通ってお台場を横目に
レインボーブリッジを渡る。
浅草と渋谷では車から降りて買い物と散策を楽しんだ。揚げ団子をほおばりながら
仲見世を見渡す。初浅草。嬉しい。
「スクランブル交差点を渡る女」と題して写真を撮るなど、おのぼりさん丸出しだが
構うものか。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、一足先に愛媛へ帰るなこの出発時刻となった。
今生の別れでもあるまいが、羽田の保安検査場を前にまた涙目のなこ。
セキュリティーチェックを終え、見えなくなるまで笑顔で手をふった。
さて、づなが今晩もう一泊するのは毎回エステで極楽なひとときを与えてくれる友人、
ねい(仮名)の住むマンションとなっている。
しょことユーさんがまたまた最寄駅まで車で送ってくれ、しばしのおしゃべりを楽しむ。
ふたりは来月、ハニームーンにパリへと飛び立つらしい。シャンゼリゼ通りで甘やかな言葉を交わす二人。素敵。
ありがとう、しょこ、ユーさん!また春に会おうね!!
駅からねいの住むマンションまでは徒歩2分。もう道は覚えたので迷うこともなく目指す部屋へと急ぐ。
変わらぬ笑顔で迎えてくれた彼女の理想のタイプは現在、大沢たかおなのだそう。
そこで年末に「たかお祭り」と称して舞台やDVDを鑑賞しまくっていたところ、
ある日食事をしに入った店に本人がいたのだという。
店内はコの字型のカウンター席のみなので、1つ2つ席を隔てた隣にはたかお。
ふと見ればたかお。
鼻血のひとつも出そうなシチュエーションだったことだろう。
やはり何事も常日頃から強く願っていると人であれ物であれ、引き寄せるものなのだ。
よし、あたしもさっそくあれとかこれとかまた妄想してうんと引き寄せてやろうと目論むづな。
引き寄せたものが何であったかは、またその際にここに記そうと思う。
晩餐にあたりねいが予約してくれていたのは、こじんまりとした料理屋といった外観ながら
フレンチスタイルな和食を提供してくれるという清潔で落ち着いたお店だった。
次々と出される料理も申し分ない。
今頃八幡浜の部屋では、おいしいものでも食べておいでとお餞別までくれただんなさんが
2日連続でカレーを食べているのかと思うと少し胸が痛む。
ねいの部屋に帰ってゆっくりとイオン風呂をいただいていると、心地よい疲れが気持ちよくほどけていく。
あっという間の2日間だったなあ。
そんで次に来るときはもう赤さんも一緒なのだ。
これまでのように一人で身軽に好きなところへ動くことも、しばらくはできなくなるのかなあ。
まあいいや、一緒に連れまわそう。
ねいの準備してくれた布団に横になると、ほどなく眠りに落ちた。
ねい、今日もありがとう。いつもありがとう。
2日目の東京での夜が、静かに更けていった。
この日もホテルの一室でぼんやりと覚醒したづなは一瞬まだ夢を見ているような錯覚に陥った後、
そうだった、ここは東京だったと昨日からの流れをどっと思い出す。
夢のような一日だった。できることなら昨日の松山空港あたりからもう一度経験したい。
昨夜は二次会から一旦ホテルの部屋に戻ったあと、少し体を休めようと横になっているうちに
実に3時間ほどすっかり寝入っていたらしい。
お茶から帰ってきたしょことなこに「やっぱり寝よった!」と笑われながら、しかし
常におなかのみにづなを気遣ってくれる二人としばらくおしゃべりしてから再び眠りについたのだった。
朝食はレストランのびゅっへ。もとい、ビュッフェ。立所に胃腸から「さあ食物をよこせ」
と矢の催促が始まる。分かっている、待っていろ。
和洋中と余すことなく料理を複数の皿に盛り、なこと席についた。
隣のテーブルにはアメリカ人とおぼしき外国人観光客の2人組。
まだ小雪がちらついている外の景色とガラス1枚を隔てて座っている彼らは
Tシャツ姿だ。元気だなあ。
づながおかわりを両手に戻ってきた頃には2人増え、4人で何やら話し込んでいる。
英語だろうかと失礼を承知で、そりゃお金は貯まらないだろうなと評判の小さい耳をそばだてる。
Ben(仮名)「『TAKUAN』」
沢庵・・?
ジャパニーズフードのレクチャーだろうか。
Bob(仮名)「『TAQ..AN』??」
Ben「No,『TA"KU"AN』」
存分に日本食を堪能して帰っていただきたい。
3回目のおかわりで取ってきたパンをづなが嬉しげにかじっていると、コーヒーを手に戻ってきたなこが
「しょこ達がおったよ!」と言う。
早々に食べ終えて新郎新婦の席へおじゃまして話すうち、今日は新郎ユーさん(仮名)に
ドライブに連れて行ってもらうことに。
いいん!?いいん!?と一応遠慮はするがそりゃ嬉しい。
お言葉に甘えて支度を整え、地下駐車場から都内へと繰り出した。
スカイツリーを見上げ、東京タワーに歓声をあげ、六本木ヒルズを通ってお台場を横目に
レインボーブリッジを渡る。
浅草と渋谷では車から降りて買い物と散策を楽しんだ。揚げ団子をほおばりながら
仲見世を見渡す。初浅草。嬉しい。
「スクランブル交差点を渡る女」と題して写真を撮るなど、おのぼりさん丸出しだが
構うものか。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、一足先に愛媛へ帰るなこの出発時刻となった。
今生の別れでもあるまいが、羽田の保安検査場を前にまた涙目のなこ。
セキュリティーチェックを終え、見えなくなるまで笑顔で手をふった。
さて、づなが今晩もう一泊するのは毎回エステで極楽なひとときを与えてくれる友人、
ねい(仮名)の住むマンションとなっている。
しょことユーさんがまたまた最寄駅まで車で送ってくれ、しばしのおしゃべりを楽しむ。
ふたりは来月、ハニームーンにパリへと飛び立つらしい。シャンゼリゼ通りで甘やかな言葉を交わす二人。素敵。
ありがとう、しょこ、ユーさん!また春に会おうね!!
駅からねいの住むマンションまでは徒歩2分。もう道は覚えたので迷うこともなく目指す部屋へと急ぐ。
変わらぬ笑顔で迎えてくれた彼女の理想のタイプは現在、大沢たかおなのだそう。
そこで年末に「たかお祭り」と称して舞台やDVDを鑑賞しまくっていたところ、
ある日食事をしに入った店に本人がいたのだという。
店内はコの字型のカウンター席のみなので、1つ2つ席を隔てた隣にはたかお。
ふと見ればたかお。
鼻血のひとつも出そうなシチュエーションだったことだろう。
やはり何事も常日頃から強く願っていると人であれ物であれ、引き寄せるものなのだ。
よし、あたしもさっそくあれとかこれとかまた妄想してうんと引き寄せてやろうと目論むづな。
引き寄せたものが何であったかは、またその際にここに記そうと思う。
晩餐にあたりねいが予約してくれていたのは、こじんまりとした料理屋といった外観ながら
フレンチスタイルな和食を提供してくれるという清潔で落ち着いたお店だった。
次々と出される料理も申し分ない。
今頃八幡浜の部屋では、おいしいものでも食べておいでとお餞別までくれただんなさんが
2日連続でカレーを食べているのかと思うと少し胸が痛む。
ねいの部屋に帰ってゆっくりとイオン風呂をいただいていると、心地よい疲れが気持ちよくほどけていく。
あっという間の2日間だったなあ。
そんで次に来るときはもう赤さんも一緒なのだ。
これまでのように一人で身軽に好きなところへ動くことも、しばらくはできなくなるのかなあ。
まあいいや、一緒に連れまわそう。
ねいの準備してくれた布団に横になると、ほどなく眠りに落ちた。
ねい、今日もありがとう。いつもありがとう。
2日目の東京での夜が、静かに更けていった。