25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

Brooklyn

2017年09月02日 | 映画

 Brooklyn ブルックリンという映画を観た。1951年、簿記もできる姉と母を残して、アイルランドの村を出る決意をする。この村は食料品と雑貨を扱う女店主の意地悪さがだ代表しているように、噂話が好きなだけの村で狭量である。仕事も少なく、自分は上に上がっていきそうにもない。彼女は聡明学力も優秀であった。ニューヨークのアイルランド出身の神父の伝で、彼女はニューヨーク職を得ることになり、単身で船に乗り込む。アイルランド移民が多い町がブルックリンである。

 寮生活では他の女性たちより聡明だと寮母からも可愛がられ、他の女性たちは男を探すしかないのだが、彼女はデパートに勤めながら夜間も大学に通い、簿記の資格を取り、会計士をもめざす。故郷の姉にはこまめに手紙を書く。母を姉に背負わせるのにも姉に申し訳ないと思っている、

 ニューヨークでの生活に慣れてきた頃、彼女は映画を見るものの予想とおり、イタリア移民男性出会う。配管工をしている。この男とデートをするようになる。

 ニューヨークでの生活が快適になってくる。化粧もおぼえ、髪形も変わり、服装もセンスがよくなってくる。ある日、神父から知らせで、姉の急死を知り、悲嘆にくれるのだった。彼女は故郷に一時帰国することにした。恋人は兄弟三人で建設会社を作るといい、ロングアイランドの土地を安いうちに買っておきたいと、彼女にみせるが、彼女が帰って来ないのではないかと心配し、旅立つ前に結婚も届けだけはしてほしいと言い、彼女は承諾する。

 故郷に帰った彼女の母や友人は彼女がまたニューヨークにも戻ってしまわないよう姉の代わりにちょっと経理の仕事をたのまれ、有能さ発揮する。お金持ちの男友達もでき、この村の忘れていた風景がうつくしいことにも気づく。

 このぐらいにしておこう。戦争で未亡人が多い村だった。貧しさから抜け出すには同じ英語圏のアメリカが労働力を必要としていた。やがてはケネディ大統領まで生みだしたアイルランド移民。

  戦後の二つの国の背景もうっすら描き、この女性はどうなっていくのだろうと引き込ませる。文学小説を読んでいるようだった。脚本も優れていた。Brooklyn をお奨めしたい。