遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

エリザベス・バンクス監督『コカイン・ベア』(2023年)

2024-07-20 00:50:40 | NETFLIX/Amazon/UNEXT/Apple TVで観た

2024/7/19

・密売人の事故でバラまかれたコカインで、アメリカクロクマがラリってしまい、様々な事情で森に入ってきた人たちを次々と襲う話。

・こういうジャンルの90分ちょっとの作品にしては、登場人物が多い。

・滝の絵を描きに来た子供たち、その子供たちを探す母親、コカインを回収しようとするマフィアたち、ただのチンピラ、森林レンジャー、刑事、医者。

・いかにもB級っぽい話なのに、それぞれがそれなりのエピソードを抱えていて、群像劇の雰囲気がある。

・普通、死ぬ役割の人は死んでも悲しくならないようにステレオタイプの人物設定にする。

・死に方は、コミカルだったり、ゴアだったり、うっかりだったり、多岐に富む。もはやクマに襲われて酷い目に遭う大喜利大会みたいになっている。

・早々に人が死ぬし、そのあともどんどん死んでいく。

・事情を抱えた人々がゴミのように死んでいっても、相手がクマ、言い換えれば大自然なので、思いのほか後味が悪くならない。そのへんのバランス感覚が絶妙。

・当たり前だけど、現実に襲われた経験のある人は観てはいけない。実際観る人がいるとも思えない。

・観る前からどんな内容か分かりやすい話なので、遠慮なく不謹慎のほうに振り切っている感じ。

・クマの習性に対する最低限の知識「逃げる者を追う」「奪われたものを取り返してはいけない」に忠実。

・そのうえで、「コカインを持っているものを優先的に襲う」というルールが加わっている。コカインベアはコカイン大好き。

・様々な事情を抱える人間たちを、上のルールに沿って、きれいに捌き切っている。

・特に最後。この事態の元凶は誰か。見ている人が、ちゃんとコカインベアを応援したくなるような構成になっている。これはすごい。

・一見、タイトルでオチがついているような安っぽい話なのに、脚本の人の技術が相当高い。ジミー・ウォーデン。

・頼りになるのかならないのかよくわからないおばちゃん森林レンジャーと、すぐ死にそうで意外と粘る医者の兄ちゃんが好き。

・たぶんあの距離だとライフルよりも徒手のほうが強い。

・なぜかカップルの名前がエルサとオラフ。アナ雪好きなのかな。

(PrimeVideo)


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