上司の「いじり」が許せない (講談社現代新書) | |
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講談社 |
2018/4/3
「いじり」という概念のもつ問題点を論じた本。
「いじめ」と「いじり」は似て非なるものかと言われれば、まったくそんなことはなく、その境界線はどこまでもグレー。
黒じゃなければ何をやってもいいわけではないし、少しでも善人であろうと思えば、そのグレーの濃淡を慎重に読まなくてはいけない。
本書では、完璧な答えを持たないその問題に粘り強く取り組んでいる。
事例として女性が多くあげられているけど、多くは男性にも置き換えられるものだと思う。
名誉男性という言葉を笑の内閣さん以外で初めて聞いた。
生存戦略としていじられる側に立つことで、結果、加害者に加担してしまうという構造はとても示唆的。
芸能人はそれが仕事になるからまだいいけど、その関係性が一般人にまでおりてくると、ただただいじられる側が我慢する構造が出来上がる。
結局は関係性の問題だと言うのは正論だけど、その関係性は誰から見たものなのかというのも大事なポイントだった。