薫山とユッキーのブログ

本・映画と徒然なる日記です。
キティちゃんのコレクションも始めました。

半身 著者:サラ・ウォーターズ

2006-04-05 22:40:52 | 
ミステリーの分野も読んでみるかと思って買った本です。
この本、数々の賞を受賞していまして、一例をあげると
 週刊文春2003年傑作ミステリー海外部門1位
 「このミステリーがすごい」1位
 「IN POCKET」3位
 アメリカ図書館協会賞、サンデータイムズ若手作家年間最優秀賞 
 サマセット・モーム賞を受賞しているそうです。

話の内容は、1874年秋、ロンドンの監獄に慰問に訪れた上流婦人が、不思議な女囚と出遭う。その女囚は冷媒。幾多の謎をはらむ物語は魔術的な筆さばきで、読むものをいずこへ連れ去るのか?(裏表紙抜粋)と、思わせぶりな紹介がされています。

これだけの賞を取った作品ならば、きっとワクワクするに違いないと!!
期待しておりました。 が、、、、、、

まず、読書嫌いのユッキーが興味を持って読み始めましたが、
30ページ付近で挫折。。。。

続けて、薫山が読んでみましたが、かなり読み疲れてしまう話でした。

読みにくくしている原因は、本書が主人公の日記形式でつづられているわけでありますが、現在になったり、過去の話になったり、話が良く転換するのと、登場人物が多い割には、一人一人の描写が薄いので、どういう人物だったか、登場人物紹介を読みなおしてしまう有様でした。(記憶力が悪いだけかもw)
話の長さを10段階とすると4ぐらいのところまでは、平穏に話が進み、当時の生活文化に興味がある人でないと、とても楽しめない内容に思います。
しかしながら、がんばって読みすすめていくと、だんだん話のキーとなる秘密が少しずつ少しずつ、小出しにされていきますが、じらしすぎですw

また、読みすすめていくうちに、不思議なことに不安感が募っていきます。
普通、本を読んでいると、この本は推理小説、ホラー、SFというようにジャンル
がわかって読んでいけるのですが、この本は、秘密が小出しにされていくうちに
むむっ ゴシックホラー?それとも?それとも?とジャンルが特定できなくなってしまいます。この不思議な感覚が評価されているのでしょうか???

読後の感想は、こんなに賞を取れた理由がわかりませんでした。
おそらく、日本の出版会は、海外で数々の賞を得たら、同様に評価しないと、品位を疑われてしまうと言うリスクでもあるのでしょうか?
海外で評価が高くても、日本では評価を得られない作品と言うのは、多くあると思います。
文化の違いや、嗜好の違いもあるでしょう。
やはり、趣味の読書なのだから、受賞歴を参考にして作品を選んだのが失敗でした。いい教訓になりました。
本と言うのは、皆さんの好みによって評価は分かれるのでしょうが、読むのに疲れてしまうようでは娯楽とはいえませんね。

薫山