益鳥の思いつき放題放談之記

他愛のない話題で綴る無責任放談・・・

慟哭に耐えて・・・

2006-09-24 16:37:51 | Weblog
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今月の詩 (H18.9.NO2)

政治家が庶民の痛みの解る人物でなくては、国民の為の本当の政治はできない。安倍に何ほどの期待ができると言うのか・・・小泉よりも悪い結果が待っているのが落ちだ!!!しっかり監視せねば泥沼地獄政治の毒漬けにされる日々が待っている。・・・とはいえ、空しい時流に呑み込まれ、翻弄されて行くのが国民庶民の宿命的姿であることが哀しい現実であり、庶民の歴史でもある。秋めいた空を見上げ込み上げる慟哭に耐える。

ある新聞コラム欄と社説より


テレビから吉田拓郎さんの曲が流れている。静岡・掛川のつま恋…

 テレビから吉田拓郎さんの曲が流れている。静岡・掛川のつま恋での屋外コンサートの生中継。「ちょいとマッチを擦 りゃあ/燃えてしまいそうな/そんな頼りない/世の中さ…」。「ひらひら」という曲の歌詞が、心に響く

▼拓郎六十歳 。観客も団塊世代や中年が中心だが、青春時代の郷愁に浸るだけではないだろう。みんな前に進むためのエネルギーを欲 しているはずだ。言い知れぬ不安感の中で生きているのだから

▼小泉政権の約五年半はみんな大変だった。経済の立て直 しのため企業の淘汰(とうた)やリストラが加速し、規制緩和も積極的に行われた。競争主義、市場原理重視の政策だが 弱肉強食のすすめでもある

▼持てる者と持たざる者の格差は拡大した。貯蓄なしと生活保護の世帯数はともに上昇カーブ を描いている。労働者の三人に一人は派遣社員やパートという非正社員の時代になった。リストラにあって不本意ながら フリーターで生活を維持している人も少なくない

▼自己責任を問われるようにもなった。イラクでの日本人人質事件が転 換点だった気がする。「助けて」と言いにくい空気がこの国を覆っている。安全や人命より利益や効率を優先させること を「よし」とする土壌で起きたとしか思えない事件・事故も続いている。「思いやり」や「助け合い」のない世の中はや はり「頼りない」


「ありがとう/支えてくれて/ありがとう/激励/協力/只々(ただただ)感謝」。小泉首相が二十 六日の退陣を前に「現在の心境を託した」短歌。あっけらかんとしていて、こちらは心に響かない。


2006年09月24日
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自民党総裁に就任した安倍官房長官はこの連休、山梨県の別荘にこもり、組閣と党執行部人事の構想を練っている。

 ▼5年5カ月前に誕生した第1次小泉内閣。組閣作業の難しさの一つは、引きも切らない自薦他薦の扱いにあったとい う。永田町の「大臣病」。本人も周りの人々も一日千秋の思いでその時を待っている。いちいち希望を聞いていたら、後 で恨みを買うことにもなるので、小泉首相は派閥の推薦も受けない自己流を通した。

 ▼「サプライズ人事」の目玉は総裁選で功績のあった田中真紀子氏の外相起用。世論の支持を頼みとする小泉首相にと って、真紀子人気は魅力的だった。しかし、蜜月は長続きせず、やがて外相更迭に至る。内閣支持率もダメージを受け、 人事の難しさを浮き彫りにした。

 ▼田中元外相は政治家に対するネーミングの名人。かつて総裁候補者につけた「凡人・軍人・変人」は流行語大賞にも なったが、今度は甲子園のハンカチ王子をもじった「風船王子」という言葉が登場した。名称をたてまつられたのは安倍 総裁で、その心としては「空っぽな風船のような王子が生まれたと言われないように」との願いもあるようだ。

 ▼安倍総裁の祖父になる岸信介元首相の弟は、戦後の最長政権を率いた佐藤栄作元首相。「人事の佐藤」と呼ばれるほ ど人心収攬(しゅうらん)にたけていたが、時には支配原理の「分断と統治」の手法を用いるなど冷徹さも持っていた。


 ▼
孫の人事が風船のように軽いのか、その反対なのか。答えは間もなく出る。


多様な声に耳を澄ませ
 「闘う政治家」と威勢はよくとも、もちろん力ずくはいけません。一国の宰相となるならば、安倍晋三自民党総裁は、 まず社会の多様な声に耳を澄ましては。

 三つの「正義論」を考えます。

 一本の竹笛があります。そして、A・B・Cの三人の男性がいます。さて、三人のうち、誰にこの笛を与えるのが正し いでしょうか。

 どんな基準でもって、その正しさは決められるのでしょう。

 一つの答えは、三人の中でいちばん笛を吹くのが上手な人に、笛を与えるのが正しい。そういう考え方があります。


正義のものさしとは

 「最大多数の最大幸福」といわれる理屈です。いちばん上手なAさんが笛を吹けば、みんなが心地よく、幸せになれる というわけです。

 これは「功利主義」と呼ばれ、英国の哲学者・ベンサムやJ・S・ミルらによって、十九世紀に有力になりました。

 もう一つは、三人の中でいちばん貧しいBさんに笛を与えるべきだという答えです。最も不遇な人の暮らし向きの改善 を目指す正義論です。一九七〇年代になって、米国の倫理学者・ロールズが唱えました。

 さらに別の答えは、誰が笛を作ったかを探ります。Cさんが自分の材料を用いて、正当な手続きに則(のっと)って笛 を作ったのなら、Cさん個人の自由を尊ぶべきでしょう。ロールズと同時代を生きた米国の哲学者・ノージックが唱えた 「自由至上主義」という思想です。

 一本の竹笛をめぐって、ものさしを変えるだけで、A、B、Cと笛を与える相手が変わります。正義の中身は多種多様 でありうるのです。

 お互いに「正義の旗」を掲げ合って、血みどろの戦争を繰り返してきた人類史を思い起こしても、それはうなずけます 。

 実はこの設問は、「厚生経済学への貢献」でノーベル経済学賞を受けた、インド生まれのアマーティア・セン氏が考え たものです。セン氏の思想なら、竹笛を持つことが、その人の人生をどれほど豊かにするかを判断基準にするでしょう。

 もっとたとえ話を広げていけば、単純に「くじ引き」で持ち主を決める方法もあるでしょう。機会均等という考え方で す。

 「力は正義なり」という考え方をとれば、三人の中で、力ずくで笛を奪い取った者こそ、正しい所有者だということに なるでしょう。

 そもそも設問自体が、笛を吹くのを男性に限っていて、女性を排除しているのが問題だ、という主張もあるでしょう。 要するに、正義の考え方は“百家争鳴”といえます。


「タカ派」は祖父譲り?

 安倍総裁は祖父譲りの憲法改正論者であり、教育基本法改正にも強い熱意を燃やしています。「タカ派」と呼ばれてい ます。

 その著書を読むと、自らをことさら「闘う政治家」と強調し、中国古典「孟子」を引用します。

 《自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人といえども吾(われ)ゆかん》


 信念を抱けば、どんな反対があっても断固としてやり抜くという意思表示なのでしょう。「わたしの郷土である長州が 生んだ俊才、吉田松陰先生が好んで使った」言葉だ、とも紹介されています。

 しかし、憲法にしろ、教育基本法にしろ、半世紀もの歳月を積み重ねてなお、国民の意見が二分する重要問題です。そ んなに簡単に答えを出されてはたまりません。

 これまでの議論を棚上げする性急さは、見逃すことができません。

 孟子は人間の本性が善なるものという「性善説」を唱えた人です。
この言葉で大事なのは、「自ら反みて」の部分で、 本当に自分の考えが正しいと言い切れるか、十分に検証されねばならないのです。


 
つまり政治は、まず世の中の多様な価値観に耳を傾けてから、考え、行うべきではないでしょうか。

 孟子は「王道論」も唱えました。

 《民を貴しと為(な)し、(中略)君を軽しと為す》

 君主よりも、貴い存在が民衆であるという考えで、いわばデモクラシーに通ずるものがあります。

 《人に忍びざるの政(まつりごと)を以(もっ)てしたれば、仁は天下を覆えり》

 「人に忍びざるの政」とは、要するに惻隠(そくいん)の情が流れる「仁愛の政治」のことです。

 孟子はそれこそ、王道なのだと説いているのでしょう。「仁者は敵なし」の言葉も出てきます。慈しみが大切なのです 。

■小手先の慈しみでは

 でも、
安倍総裁のスタンスには、「国家」を優先して、個人の権利や自由をその分、軽くみる国家主義が見え隠れする のが気になります。

 誰にもカーブの先は見えません。困難な時代だけに、多様な正義論について考えることをお勧めします。

 
「孟子」には有名な「五十歩百歩」の言葉もあります慈しみまで小手先なら歴代首相と「五十歩百歩」と言われてし まうでしょう。

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