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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

ネコの絵本(その2)

2010年05月06日 | 日記
まずは、昔話から

「むかしむかしとらとねこは…」(大島栄太郎/作、福音館書店)

中国の昔話です。昔々、トラは、猫に獲物の捕り方、走り方を習ったのです。
でも、ただひとつ、木登りだけは習わなかった…。

「いぬとねこ」(ソ・ジョンオ/作、シン・ミンジェ/絵、おおたけきよみ/訳、光村教育図書)

韓国の昔話。魔法の玉を取り返すため、めざすは欲張りばあさんの家!
モンモン吠えて、犬は外。ヤオンと鳴いて、猫はうち。韓国の子どもが皆知っているゆかいな昔話。


ロングセラーともいえる、読み継がれるネコの絵本

「ちいさなねこ」(石井桃子/文、横内襄/絵、福音館書店)

子ねこが外へとび出しました。外には、危険なものがいろいろ待ちうけています。
広い世界へ、外へ外へと、冒険へとむかう幼いものの姿が的確にとらえられた絵本。
でもね、お母さんは、いつでも迎えに来てくれる、守ってくれるのだと言う安堵感が最後ひしひしと伝わってきます。
幼児向けの本ですが、横内襄さんの猫の絵がとてもリアルで猫の表情や行動をよくとらえています。

1963年に「こどものとも」として出版されたもので、石井桃子さんの代表作といえる1冊。


「モモのこねこ」(八島太郎/作、偕成社)

拾った子猫とともに、一歩一歩成長していく少女モモ。
戦前・戦中・戦後を日米両国で波瀾万丈に生きた画家、八島夫妻がネコと娘の成長する姿をのびやかに描いています。


もうひとつ、石井桃子さん訳の絵本をご紹介

「こねこのぴっち」(ハンス・フィッシャー/作、石井桃子/訳、岩波書店)

リゼットおばあさんちには、5匹の子ねこがいます。一番小さくやせっぽちの子ねこのピッチは、他の子ねこみたいに、じゃれあったり、いたずらしたり…そんなことには興味なし。
外の世界に興味津々。ひとり、家の外へ冒険に出かけます。
数々の冒険の末に、おばあさんや仲間の優しさに触れ、ぴっちはぴっち、「自分はねこでいいのだ」と満足するのでした、めでたし、めでたし。

ちょっと長めのお話ですが、約半世紀もの間、世代を超えて人気の、ロングセラーの絵本。
優しいおばあさんと仲間たちの様子が、文章からも、素朴な著者の絵からも伝わってきます。


意外や意外!けっこう絵本を翻訳している村上春樹氏!

「ポテト・スープが大好きな猫」(テリー・ファリッシュ/作、バリー・ルート/絵、村上春樹/訳、講談社)

おじいさんと猫が、の~んびりと肩寄せ合って、田舎で暮らしています。二人は気心知れた仲で、気持ちがお互い通じ合っているようです。
気難しくて、気位の高い歳取ったメス猫に「なんて猫だ、何の役にも立たない、ねずみ1匹も捕まえやしない」なんて文句言いながらも、そんな猫の相手をするのがなんとも楽しそうなおじいさん。
猫は、おじいさんの作るポテト・スープが大好きで、毎日、二人で釣りに出かけるのが日課。
ある冬の日、おじいさんが「はい、女王さま、ご用意しましたよ」と、買ってきた電気毛布にくるまって眠りこんでいたら、おじいさんが、ひとりで釣りに出かけてしまったことに、ご機嫌を損ね、プチ家出。やっと家に戻ってきた猫が、一生懸命に頑張って、持ち帰ってきたものは、なんと…。

村上春樹氏がアメリカの本屋で一目惚れし、買ったその日にすぐ机に向かい翻訳し始めたという、バリー・ルート氏の絵がとても優しくて、私も買いたくなりました。(どうしようかなぁ…、今も悩んでいます…)

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