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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

★2012年度★第1回お昼休みのおはなし会

2012年04月19日 | 日記
2012年4月19日(木)
本日、読んだ絵本は、この3冊です。

①『あ』大槻あかね(著)福音館書店
②『ともだちや』内田麟太郎(文)降矢なな(絵)偕成社
③『からすのたまごにいちゃん』あきやまさとし(作)鈴木出版社


『あ』
小さな針金小人が、ジョッキ、マヨネーズ、綿棒、テープ、耳かき、蚊取り線香、ファスナーなどと遭遇します。はじめて目にする物たちに、「あ」「は」「あーー」などと、一言だけ発して、その物の形をまねてポーズ。そして、触ったり、遊んでみたり、「物」と戯れる針金小人。
身近な、何の変哲もない物も、針金小人を目を通してみると、なんだか、こんな楽しみ方があるのかぁ~と、物の見方が変わってくるから不思議。ビールの泡にまみれちゃうシーンは、子供たちも大喜びしていました。

針金小人には目も口もありませんし、発する言葉は「あ」「は」「ひょ」のひとことだけ。
全編いたってシンプルな絵本ではありますが、大人も十分楽しめる、作者のセンスの良さがにじみ出ている素晴らしい作品だと思います。

この針金小人の動き、とっても愛くるしくてね。次回は、この針金小人を作って、子供たちに見せようっと。
きっと、大喜びするぞ~。フォッフォッフォ

それにしても…、私も、耳かきの綿毛に身体をうずめてみたい~(笑)


『ともだちや』
キツネが「ともだちやさん」をはじめました。
「え~、ともだちいりませんか?さみしいひとはいませんか?ともだち1時間100円、ともだち2時間200円!」
一緒に食事をして欲しいと、クマからお呼びがかかります。苦手なイチゴやはちみつを一緒に食べ、200円いただきました。
今度はオオカミが声をかけました。いっしょにトランプ遊びをします。遊んだあとお代を頂こうとすると…、
「おまえは、ともだちからお金をとるのかっ!それがほんとうの友だちかっ!」と一喝されます。キツネとオオカミは、あしたも明後日も遊ぶ約束をしました。
さみしくて、本当の友だちが欲しかったのは、キツネの方だったんですね。

大型ビック絵本で読み聞かせをしました。
「おまえは、ともだちからお金をとるのかっ!それがほんとうの友だちかっ!」見開きいっぱいの大迫力のオオカミの真っ赤な口が印象的でした。


『からすのたまごにいちゃん』
学年末のお話し会で1年生(現2年生)に読んだ「たまごにいちゃん」。たまごにいちゃんの殻を割ろうとイタズラしていた「カラス」が主人公のお話です。単なる意地悪からではなかったことが判明します。

それは、過去の経験から。兄弟の世話で忙しいお母さんの気をひこうと、殻をかぶったままなら、子供扱いされて怒られないのをいい事に、いたずらしまくっていた「カラスのたまごにいちゃん」だったからなのです。
その殻を自ら破り、「ちくしょー!きもちいいじゃんかよー」と羽根をひろげ、広い世界に飛び立つ経験をしていたのです。そんな快感を「たまごにいちゃん」にも教えてあげたい、そんな優しさから追いかけまわしていたのですねぇ。

成長することへの不安を吹き飛ばしてくれる素敵なお話。

先月読み聞かせた「たまごにいちゃん」と、全く同じシーンが出てきますが、さすがっ!子供たちは皆覚えていました。意地悪カラスの印象が、ガラッと変わった瞬間。子供たちの顔で分かりました。

意地悪でいたずらばかりする子が、はたして、本当に根っからの悪い子なのかどうか…、それは、わかりませんよね。