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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『しょうぼうじどうしゃじぷた』他

2012年04月18日 | 日記
乗り物が大好きだった息子に読んであげていた絵本4冊。

1963年「しょうぼうじどうしゃじぷた」
1965年「のろまなローラー」
1989年「とべ!ちいさいぷろぺらき」
1997年「ちからもちのタグボートとーとー」


乗り物中心に描き続けた山本忠敬さんのイラストは、1960年代発行の2冊は、やはり時代を感じさせるものですが、内容は、今でも子どもたちの心にたくさん勇気を与えてくれます。(2003年1月永眠)

どの絵本も、主人公は、小さかったり、のろまな乗り物だったり。

「しょうぼうじどうしゃじぷた」「のろまなローラー」では、どこに行っても周りの立派な乗り物に、その容姿をバカにされ、いじけて、くじけそうになりますが、それでも、自分にしかできない仕事を自分なりにこなし、最後は、その活躍ぶりを皆が認めてくれ、自信をもって前に進むのです。

「とべ!ちいさいぷろぺらき」「ちからもちのタグボートとーとー」では、はじめてのフライトや初仕事に不安をもつ主人公に、大きなジェット機や貨物船が励ましの言葉を優しくかけてくれて、勇気を与えてくれる。そして最後は頑張りぬき、前に向かって進んでいきます。

これまでは年長さんで一番大きかったのにね、6年生がすごく大きく見えて、自分がとても小さく感じる。小学校に入ったばかりで、環境の変化に慣れず、まだ不安が残る子供たちに、ぜひ読んであげて欲しいなぁと思います。


個人的な話で恐縮ですが…。
昔、まだ小学校にあがったばかりの息子を、夜1人の残して、どうしても外出しなければならない緊急の用事がありました。寝かしつけてから出かけようとしましたが、私が帰ってくるまで起きていると言い張り、後ろ髪引かれる思いで出かけました。

私が帰宅したとき、息子はソファで眠っており、傍らに「しょうぼうじどうしゃじぷた」の絵本がありました。淋しくなって、本棚から自分で選び、慣れない夜の留守番、独りぼっちで心細くなって、大好きだったこの絵本を読んで、自分を慰めていたようです。あぁ…可愛いあの頃に戻ってぇ(笑)


自分が大好きだった絵本、あるいは、心の支えになったであろう、お子さんが大好きだった絵本を、ときには本棚から取り出して、読んであげてはいかがでしょうか?


子どもが不安なときや落ち着かないときは、「あぁ、その話、知ってるよ~」なんて言われて、気乗りしない素振りでも、読み始めると、耳をダンボにして、聞いてくれてるもの。ストーリーを知っている聞きなれた物語に、妙に心落ち着くこともあるようです。

よく、高学年のおはなし会用に「高学年向けのお話を…」と、オファーされますが、小さい時に読んでもらった昔話を年齢を重ねた今、また聞くと、「こんなお話しだったっけ?」と、違った印象を持ったり、読んでもらった小さい頃情景を思い出したりするようで、はじめは、「ふふん!」と、斜に構えて聞いている子どもたちも、読み終わるころは、あらまぁ~可愛い子どもの顔に

何学年にもまたいで、同じお話を読み聞かせたときは、各学年で反応が異なり、ハマる箇所、ウケる(笑える)箇所が、まったく違って、面白い。

成長するってこういうことかも…と気付かされます。

大人はなおさらです。同じ昔話や童話でも、小さい頃は、主人公の気持ちで聞いていたはずなのに、鬼婆の気持ちやおばあさんの気持ちになって聞いたりね…(笑)小さい頃は気がつかなった話の「オチ」が、数十年して「今分かった」ということもしばしば。


しかし…男児の乗り物好きは、しょうがないですね~。男の性(サガ)だね。
特に「はたらく車」が大好きだった息子。あれは2歳のとき。ある日始まったマンション建設。それも真向かいで。いろんな「はたらく車」が次から次へとやってきて…。更地にするところから完成するまで、毎日のように見に行ってました。交通誘導警備のおじさんと仲良くなって、工事現場の事務所にまで入れてもらったり、クレーン車に乗せてもらったり…。雨の日も風の日も、炎天下も。おかげで、私は、今になってシミがすごいです…。なんてね。