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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『勉強しなければだいじょうぶ』五味太郎

2011年11月03日 | 日記
世界的な絵本作家である五味太郎。『きんじょがにげた』や『みんなうんち』など彼の絵本は、多くの子どもたちの心をとらえ、読みつがれている。そんな彼が、どうすれば子どもが本来持っている豊かな才能を伸ばすことができるかを楽しいイラストとともに綴った教育論。ベストセラー『大人問題』から14年。子育てに悩む親たちへの久しぶりのメッセージ。(出版社の紹介文より)

朝、五味さんが小学校に行こうとすると,父親が,「お母さんの作ったお味噌汁を飲みなさい」と言う。「学校に遅れる~!」と五味少年が言うと,「学校とお味噌汁とどちらが大事か?」と聞かれたという。

我が家と同じだ…。ふふふ。


☆学習という言葉が出ましたが、勉強と学習とは,違うのですか。

違います。違います。ぜんぜん違います。「学ぶ」というのは,どう考えたって自動詞です。空海さんが学ぶ。僕が学ぶ。…

あくまで個人の主体性ですね。翻って,今の子どもたちの義務になってしまっている勉強という学び方は,根本がぜんぜん違いますよね。…

「勉強」という言葉自体,「勉強させる」「勉強させられる」というニュアンスなのね。…

今はたぶん、勉強があって学習が無いんだと思います。勉強でいっぱいになっちゃうから、学習できない。…

(「漱石さんと空海さんは違うんだな」より)



この本を読んで、辞書で「勉強」をひいてみた。

「勉強」の意味。

①そうすることに抵抗を感じながらも、当面の学業や仕事などに身を入れること。
②将来の大成・飛躍のためには一時忍ばなければならない、つらい経験。
③利益を無視して、商品を安く売ること。
(三省堂:新明解国語辞典より)

あんまり子供に「勉強しろっ!」って言えなくなっちゃいました(笑)


これからは、「学習しろ!」で、いきます。

勉強でなく,学ぶとか,習うということが,どんなに楽しいものかということは,50近くなって,やっと分かってきた。


五味太郎さんらしい子育て論、教育論、笑いも随所にあって、あぁ、だから、子どもの心を持った五味さんの絵本は、子供の心をわしづかみにして、大人気なのだと、改めて思わされました。

「さる・るるる」は、一気に6・7時間で出来たとか。自分を楽しんでいる人は、周りのひとを、子供を楽しませるのも上手。

自分のことを好きな人は、他人にも優しいなぁと、つくづく思います。

息子の友だちに「世界で一番好きなの人は、この俺様!」と豪語している子がいて、息子たちは「あいつ、変なこといってるよな~」と言っていましたが、やっぱり、その子は、だれにでも優しいんですよ。



以下、後日談。

息子に、『勉強』の意味の話をしたら、「そういえば…」と、こんな話をしてくれました。

「中国は、非常口を『太平口』って言うんだって。『ここから出れば、太平になる、安心できるから急げっ!』て言う意味だって。社会のN先生が言ってた。」

へぇ~。勉強になった。と同時に、ちゃんと先生の話聴いてるじゃんと、安心。

そうなんだよね~、こういう、脇道にそれた話が面白いんだよね~。記憶に残るんだよねぇ~。

「中国の首都は北京!」なんて覚えてさ、中国を知ったつもりの人多いからねぇ…。

ねっ!五味太郎さん!