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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『リスとお月さま』ゼバスティアン・メッシェンモーザー(by S)

2010年09月23日 | 日記
彼は、子供相手に絵本を描いていないと思うのです。

このシュールさは、大人にしかわからない。


『リスとお月さま』(ゼバスティアン・メッシェンモーザー/作、松永美穂/訳、コンセル)

転がってきたチーズをお月さまと間違えてしまったリス。

みんなの大切なお月さまが、自分のところにあると分かったら、泥棒だと思われて牢屋に入れられちゃうと大慌て。

さて、そのお月さまをどうするか…


同じシリーズで、
『リスとはじめての雪』と『リスと春の森』があるが、一押しは、やはり『リスとお月さま』。


ペンギンが出てくる『空の飛び方』も、お薦め。絵で笑えます。
ペンギンて、空を飛ぶんです。

戦争と平和を考える絵本3冊(by S)

2010年09月23日 | 日記
9月23日(木)

『世界で一番の贈り物』(マイケル・モーバーゴ/作、佐藤 見果夢/訳、評論社)

時を超え、一通の手紙がある未亡人の手に届くまでのお話。
その手紙には、戦争していたドイツとイギリスの敵同士が、緊迫した戦場で、お酒をくみかわし、サッカーをして、クリスマスを祝っていたことが書かれていた。その素晴らしい様子を、戦場で手紙に綴った兵士は、とうとう帰ってこなかった。
普通の生活をしている人々が、愛する者を残し、戦場に駆り出され、同じ普通の人間に銃を向けていた…。


『戦争で死んだ兵士のこと』(小泉吉宏/作、メディアファクトリー)

英語題は「The Soldier by the Lake」
湖のほとりで死んだ兵士の、1時間前、2時間前、2日前、1週間前、2年前…と、生まれた頃までさかのぼっていく。何気ない、ごく普通の、当たり前の生活を送っていた若者の人生。湖のほとりで、銃弾に撃たれ、幕を閉じた彼の24年の人生。シンプルなイラストと文章が、淡々と続くが、とても重い。「いのちの重み」か。なにげない生活の一瞬をも大事にしなくては、考えさせられる。

『富を考える おじいさんのダイヤモンド』(セシリ・ジョセフス・イッタ/文・絵、池上 彰/訳、今人舎)

昔々、鉱脈から大きなダイヤモンドが掘られた。そのダイヤモンドは、インドの王様、大金持ちの旅人、オペラ歌手など、転々と人の手に。そして、あるユダヤ人の男性が宝石商から買い求めます。その一家が苦しく辛い戦争を経験している最中も、その後も、変わらず輝き続けているダイヤモンド。

あの池上氏が翻訳したはじめての絵本。
「持ち主の運命に関係なく、ダイヤモンドは輝いています。そもそも『富』とはなんでしょうか。この絵本で、そんなことも考えて欲しいです」と、池上氏。