北へ

昔から秋になると北へ行きたくなるのです。

冷たく乾いた空気の中に身を置いて、

耳を澄ますと、

遠くからカタンカタンと規則正しく線路を踏む音が

次第に近くなり

遠くに目を遣ると

頭を雲に隠した岩木山が

雄大な裾を覗かせる。

冬がすぐそこまで近づいている

そんな季節の変わり目を五感で感じる北紀行。

撮影；1982年秋 津軽鉄道　金木付近 NikonＦ2 PhotomicSB Nikkor135㎜ ｆ3.5 TX