凧師のひとり言

江戸角凧に魅せられて40数年。東京生まれ!江戸っ子? 実は三代続いていないので「東京っ子」かな? 千葉県九十九里に在住。

江戸角凧の取材

2011年11月16日 | 凧の制作

先日、“わんだふるオーナーズ 『ニッポンのたからもの』” と言う小冊子の取材があった。

取材の日が雨だったため凧揚げの写真が撮れなかった。

どうしても揚げてる写真が欲しいという事で、再度撮りに来たと言う訳だ。

1月号なので、こちらとしても正月らしい凧を揚げたいと思い、

急きょ、四尺(1.2m)の 『大入り干支凧』 を仕上げることにした。

取材と言うのは時間が無く、またその日、必ず良い風が吹くとは限らない。

・風が弱くても揚がる軽い凧、

・あまり小さくない凧、

・組み立てに時間がかからない凧

と言うのが理想なのだ。

江戸角凧は糸目が長い。大きい凧は36m~50m位の糸目が付けてある。

凧は糸目の元からそれだけ遠くに揚がる。

写真に撮ると、せっかくの大きい凧も小さくなってしまう。

その点、四尺位の凧は、張り込みにすれば、組み立て時間が無いし、

糸目の長さも24m位なので、そこそこ大きく撮れるのではないかと思ったのだ。

まずは軽い事が第一なのだが・・・。

 

出来上がった 『大入り干支凧』 に糸目をつける。

今回は凧が小さいので、脚立に固定して糸目付けをすることに!

 

凧をさかさまにして糸目付けをすければ、付け終わった時、糸目の中心がほぼ合う。

糸目と同じ位置に穴をあけた皮の目板(めいた)を通して糸を付ける。

目板とは、糸目板(いとめいた)の事で、昔はこれを板で作った。多分その名残りだろう。

板は割れる事もあり、最近は皮を使う。

目板を通すことで、手元でその糸が、凧のどこの糸だかわかる。

江戸角凧は、糸目が長いので、揚げながら糸目調節をする。

そのために、目板は必要なのだ。

 

糸目の長さは24m。 数が14本なので、凧と糸目の元まで7往復で終わる。

合計168m 歩けば 終わり。(笑)

 

糸目の元へ糸を結び、24m 糸を出して凧に付ける。

今度は、凧に糸を結んで、24m 糸を出して元へ結ぶ。

この繰り返しだ。

 

最後の1本を付ける。

 

出来上がり。

 

 

凧が軽いので、簡単な軽い『うなり』を作った。

『うなり』の作りは伝統的。 昔の作り方だ。

所要時間は30分で完成。 (笑)

「凧」の重さと「うなり」の重さは、バランスが大事。

 

 

長さ1m57cmの篠竹一本を使用。

篠竹の元の太い方を削ってバランスをとり、フィルムのテープを張る。

籐(とう)をを鳴らすにはかなり薄く裂かなければならないので、今回はフィルムテープを使う。

 

テープを糸で縛って引っかける。

 

これで準備はOK!

 

撮影班到着。

早速 白子の海岸へ! 天気好し! 風はまあまあ・・・チョット弱い・・かな?

 

凧を準備する。

 

 

初揚げなので、糸目を調整。

 

糸が新しいので、凧に引っ張られて いくらでも伸びる。

だから、何度も調節が必要だ。

強い風で数時間揚げると、糸が伸びきって もう伸びなくなる。

 

糸目の元から狙うカメラマン。

 

う~ん・・・・まあまあ・・かな?

『うなり』の長さは ちょうど良かったようだ。

 

 

雲がイイ! 

 

取材の日は天気が一番 心配。

 

スタッフ 「う~ん!イイ画(え)だ!」

これにて修了。

  

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