「猿の惑星/キングダム」(2024年米)
「猿の惑星」とは、1968年に公開されたSF作品に始まるシリーズで
当初5作が作られ、物語的にも完結したかに思えた。
2001年になって作られた、ティム・バートン版の番外編は置いといて
2011年から、地球が猿の惑星となるあたりを細かく描いた3部作が作られる。
これも完結し、もう続編は無理やろなと思っていたが
ここへ来てさらに続編が作られたとの事。
どうするつもりかはわからないけど、シリーズずっと観てるので、まあ観ます。
事前に得ている情報はあまりないですが
・前作よりも後の話らしい。
・ノバと言う女性が出てくるけど、前作のノバとは違う人らしい。
(では、第1作のノバになるのかはわからない)
・ゴリラの親分が「何て素晴らしい日だ」と叫ぶシーンがあるらしい。
ノア チンパンジーのリーダー
ラカ ノアの仲間。オランウータン
ノバ 人間。本名メイ
プロキシマス ゴリラの軍団の王
トレヴェイサン プロキシマスに仕える人間(ウイリアム・H・メイシー)
アナヤ ノアの幼なじみ
スーナ ノアの幼なじみ
人間のリーダー (「ジュラシックワールド」の白い服の女)
起:ノアの部族が、ゴリラの軍団に襲われる。
承:ノアは捕らわれた仲間を探しに行き、人間のノバらと合流する。
転:ゴリラの王は人間の知識を求めていた。
結:ノアはゴリラの軍団を倒す。一方、ノバには生きていた人間の仲間がいた。
① ノアは部族の若きリーダー的存在だ。
開発されたウイルスによって猿の知能が上がり
逆に人間は会話が出来なくなった。
地球は猿が支配するようになり、その王がシーザーだった。
そのシーザーが死に、数百年が経過する。
冒頭はチンパンジー3人組が岩場みたいな所を登るシーン。
見分けの区別がつかないけど、
答え合わせすると、ノア、アヤナ、スーナで、スーナが女。
観ていてもそんな事わからず、
もう猿の惑星だからと、猿だけで進行するのかと不安になる。
岩場の上には、ワシだかの巣があり、3つの卵を見付ける。
彼らの習わしでは、巣から卵を持ち帰ると大人だと認められるらしいのだが
ノアは、1つは残すと言う教えを守り、自分の分は放棄する事に。
さらに高い場所へ向かい、そこにあった巣から卵を回収する事に成功する。
この部族は鷹匠のように鷲を操る連中らしくて
ノアの父親は、その中でも部族一みたいな存在だった。ノアはその後継者だ。
ノアは、何者かに見張られているのを感じる。
実は人間の女が集落に近付いているのだが
ノアらは人間の存在もあまり知らない模様。
これまで関わらずに来たと言う事やね。
② 部族がゴリラの軍団の襲撃を受け、一同が囚われてしまう。
ある日、ノアの部族がゴリラの軍団の襲撃を受ける。
ノアは難を逃れた形に。
族長は殺され、幼なじみを含めて部族の者は囚われてしまう。
かけつけたノアはその惨状を見て愕然とする。
虫の息の父を見付け、皆を助けると約束する。
③ 同じく部族が襲われたラカと、軍団を追う。
ノアは囚われた仲間を探す為、あてもなく放浪。
途中で、オランウータンのラカと出会う。
彼の部族もゴリラの軍団に襲われたのだと言う。
目的は同じだと、同行する事に。
④ 人間の娘がついてきて、ラカはノバと名付ける。
ノアらは、さらについてくる人間の娘に気付く。
娘は人間なので会話は出来ないが、ラカはノバと名付ける。
シーザーの頃から、人間の娘にはノバと名付ける慣習があるのだと言う。
前作に出てきた少女もノバだったが
昔々の第1作のチャールトン・ヘストンの彼女もノバだったので、
関係あるのか?なんて話になったが、慣習だったんすね。
このノバは、汚れていてそれっぽいんだけど
よくよく見ると普通の服を着ているので、ちょっと違和感が。
文明が滅んで200年か800年かわからないけど
どちらにせよ昔の衣服はボロボロになるはずで、何か理由がありそうな予感。
⑤ ゴリラの軍団の襲撃を受け、狙いがノバだと判明。
実はノバは会話が出来るとわかる。
ノアらは先へ進むが、ゴリラ軍団の襲撃に遭遇。
ゴリラ軍団は猿の集落も襲っていたが、人間の集落も襲っていた。
ここで出てくる人間は、第1作のようにぼろ布を着ているので
ノバとの違いが気になるところ。
ゴリラ軍団もノバを探しているようだ。
ノバには秘密がありそうで、
第1作のチャールトン・ヘストンのように、
この時代にも過去の宇宙飛行士が来ていたのかと想像します。
ノバはゴリラ軍団に捕まりそうに。
するとノバは叫んで、ノアに助けを求める。
人間は会話が出来ないと思われているので、これにはノバやラカも驚く。
ゴリラ軍団から逃れたノアらは、ノバになぜ隠していたのかと聞く。
ノバは、会話できる事は隠しておけと、母親に教えられたのだと明かす。
と言う事は、会話できる人間は他にもいるって事で
宇宙飛行士説は考えすぎなのかなーとも思わせる。
⑥ 再び襲撃を受けてラカがやられ、ノアとノバが捕らわれる。
さらにノアらは進むが、再びゴリラ軍団に追われる。
激流の川の上の橋に逃げるが、反対側にもゴリラ軍団が現れ、挟まれてしまう。
抵抗したラカは橋から落ちて流されてしまい、彼の登場はここまで。
ノアとノバは観念し、ゴリラ軍団に捕らわれる。
⑦ ゴリラ軍団はプロキシマスが王に君臨し
ノアの部族らは働かさせられていた。
ノアは、捕まった連中を集めたアジトへ連れていかれる。
いろんな部族がいるのかと思ったが、幼なじみや母親とかともあっさり再会。
案外、ノアの部族しかいないのかも知れない。
彼らは何やら労働させられていた。
かつての「猿の惑星」のイメージだと、人間を働かせても良さそうだけど
ここに人間はいない。
ゴリラの王はプロキシマスと言う男で、
「何て素晴らしい日だ」なんて叫んで、ゴリラたちを鼓舞。
かつての「猿の惑星」の猿のトップはオランウータン(ザイアス博士)だったが
ここではゴリラが仕切っていて、後になると、こいつがそこそこ頭が良い事がわかる。
⑧ プロキシマスは人間の知識を手に入れようとしており、
残された基地の扉を開けようとしていた。
一方、ノバの方は優遇されていた。
昔の人間の家具が揃った部屋をあてがわれる。
そこには以前からトレヴェイサンと言う人間の男がいて
プロキシマスの指示で、何やら文献を調べたりしていた。
トレヴェイサンは今の状況に甘んじていており、
指示されたものを見付け出すつもりもなさそうだ。
ノバにもそれを勧める。
プロキシマスは、かつての人間の知識を手に入れ、
権力を強固なものにしようとしていた。
それはザイアス博士より頭が良い印象だが
人間の知識を偉大なものとしており、かつてのような反戦テーマは感じられない。
アジトの近くには、かつての人間の基地があった。
トレヴェイサンの調査が進まず、
無理やり扉を開けようと、プロキシマスは囚えた猿たちを酷使していた。
だが扉は開かない。
⑨ ノバの案内で基地へ侵入するが、ゴリラの軍団に捕まる。
簡単に抜け出したノバは、簡単にノアらと接触。
ノバはプロキシマスには渡せないとして基地を爆破すると言い、
ノアらは何かわからんけど同調する。
その動きに気付いたトレヴェイサンは
今の状況を維持したいと、妨害しようとする。
だが、ノバはトレヴェイサンを殺してしまい、ノアらを困惑させる。
ノバの指示でノアらは崖を登り、上から基地に侵入。
そんな事なら、プロキシマスらにも出来た気がするが。
気が付かなかったんすかね。
上に到着すると、一同は基地に侵入。
ここからは別行動よと言われ、ノバは退散。
残されたノアらは何していいのかわからず、
基地の中をウロウロし、子供向けの絵本を発見。
かつては人間が猿を含む動物を飼育していたと知って、ショックを受ける。
一方、ノアはてきぱきと基地内をめぐり、何やら基盤のようなものを入手する。
ここに至って、やはりノバが特別な存在だと確信。
ノアの運命より、ノバの秘密の方が気になる所です。
一同は基地を脱出するが、
そこにプロキシマス率いるゴリラ軍団が来ていて捕まってしまう。
来られるんじゃん。
⑩ ノアらはゴリラ軍団を倒す。
プロキシマスは、ノアらが基地の秘密を手に入れたと確信し
その秘密が何かは知らんけど、それをよこせと脅す。
ノアも、何の事かわからないながら、秘密は渡せない的な抵抗をする。
一方、肝心のノバはゴリラ軍団から逃れていて
ノアと同族のチンパンジー集団の所へ。
まもなく爆発が起き、付近が浸水すると告げる。
そこまでのシーンではよくわからんかったけど、
猿たちがいる所は海に囲まれていて
作られた柵で浸水を防いでいたのだ。つまり海面下。
柵が爆破されれば、たちまち水中に沈んでしまう。
何で、そんな危うい場所をアジトにしたんすかね。
たちまち爆発が発生し、付近は浸水。
チンパンジーたちは慌てて崖を登る。
その事態を知ったプロキシマスは怒り、
ノバだけは許さんと、怒りの矛先を彼に向けていた。
崖を登ってきた仲間も加わり、ノアらは立ち向かうが
さすがはボスと言うべきか、プロキシマスは怪力で歯が立たない。
もはやこれまでかと思われた時、ノアは近くにワシが飛んでいる事に気付く。
そういえば鷹匠の血を継いでいると思い出したノアは
鷹を呼んで、プロキシマスを攻撃。
耐えかねたプロキシマスは崖から落ちて死に、他のゴリラ軍団も観念する。
正確にはそうではなかったかも知れないけど、何にせよゴリラ軍団に勝つって事っす。
⑪ ノアらは部族に戻る。
崖っぷちみたいな狭い所に、ノアとその仲間の集団が取り残されたが
彼らが生き残った形に。
どうやって戻ったか知らんけど、元々の集落に戻り、部族を再建。
ノアが部族の集団のリーダー的存在として確定する。
ノバが何をしたかったかはわかっていないけど、
助けてくれたという意識で、円満に別れる。
⑫ ノバは生きていた人間に合流し、通信アンテナを再開させる事に成功。
他の地の人間と連絡を取る。
ノアと別れたノバは砂漠みたいな所を歩いていき、
ボロボロになった通信アンテナの基地に到着する。
するとドアが開き、中にいた人間の女性が迎える。
それが、「ジュラシックワールド」の白い服の女の女優さんだと気付く。
時間的にもう終わりなのは明らかで、
そこそこの女優さんをちょい役で出すと言う事は、
以降の作品を意識した事と想像。
ノバは、彼らの仲間らしく、持ち帰った基盤を渡す。
それを使うと、ボロボロになっていた通信アンテナが動き出し
数百年ぶりに通信が復旧する。
いやいや、今までに何とか手を打てんかったんすかね。
たちまち、他の地にいる人間から応答が。
そちらの彼らは、数百年応答を待ち続けていたのか。
「猿の惑星」とか言ってるけど、映画に出てくるのは狭いエリアだけで、
他の地域には結構人間が健在なのかも知らない。
ノバには秘密がありそうだったけど、
基地で生き延びて知性を保った存在の一員で、
基盤回収の為に送り込まれたと言う事らしい。
彼らが、「続・猿の惑星」のミュータントになっていくのかなと想像するが
ここに至っても、この新シリーズが、
オリジナル5作と繋がるのか、別の世界なのかははっきりせず。
いずれにせよ、次回作を意識した作りになっている事は明らかで
前作で完結かに思えた新シリーズを再開させようとする意図がはっきり見えた印象。
SFシリーズとしての面白さに走った感じで、
オリジナルはもちろん新シリーズにもあった反戦のメッセージは、ほぼ感じられない。
と言う訳で、物語は、シーザーが死んだ数百年後の世界。
序盤は猿(チンパンジー)の3人組が登場し、彼らの部族の生活を描く。
ひょっとして本作は、猿の様子を描くだけなんかなと思わせるが
もちろんそんな事はない。
ところで、これはシリーズ通しての問題なんだけど
猿ばかり出てくると、男女とか年齢の老若の区別もつかず
誰が誰やらわかりづらい。
前作までは、人間とメインの猿の絡み中心だったが
本作は猿と猿の絡みが延々と続くので、ちょっと厳しい。
それでもだんだん、3人組の中心ノアが主人公だとわかってくる。
そんな中、彼らの部族に人間(女1人)が接触したり、
襲撃する猿の軍団が現れたりして、部族は散り散りに。
彼らは、部族だけで平穏に過ごしていたので
人間の事も他の部族の事もあまり知らなかったのだ。
ノアは難を逃れたが、部族の仲間は猿の軍団に捕らわれてしまい
それを助ける為に旅に出ると言う展開に。
途中で、別の部族の生き残りであるオランウータンのラカと知り合う。
さらに、先ほどの人間の女も同行するように。
ラカによって、彼女はノバと名付けられる。
伝説のシーザーといた娘がノバだった事から
人間の女はノバと名付けられる伝統があるのだと言う。
だとすると、ノバが大勢出てくるのも説明がつくと言う訳か。
ちょっと気になるのは、このノバは汚れてはいるけど、
衣装がちゃんとしていて、第1作のような布切れとは違う点。
昔の衣装を受け継いだにしても、数百年も経てばボロボロになるはず。
猿の軍団も彼女を追っていると言う描写があり、特別な存在だとわかる。
1作目みたいな過去から来た宇宙飛行士かなと想像する。
その後、このノバも会話が出来るとわかり、本名はメイだと明かす。
猿(と言うかゴリラ)の軍団は、他の部族を捕らえて働かせていたが
人間の知識も狙っていた。
物語としては、猿の軍団を倒して、ノアの部族は元の生活に戻ると言う展開なので
ひと騒動ありましたと言う程度の話なのだが、
終盤になって、メイの素性が明かされる事に。
猿の軍団の本拠近くには、人間によってかつて作られた基地があり
ゴリラの親分はその秘密を狙っていたのだが、
メイがこの基地に妙に詳しい描写があり、彼女の素性がうかがえる。
実はメイには仲間がいるとわかり
そのリーダーが、「ジュラシック・ワールド」の白い服の女だったりして
本作ではちらっと出ただけど、この後のシリーズを続ける気満々だと感じる。
シリーズを再開する為に一作作りました言う意図がわかると、ちょっと白けるよね。
以前のシリーズにあった、反戦イメージはあまり感じられない。