「民主党、みんなの党、共産党、社民党、生活の党の野党5党は25日、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策などの審議を急ぐ必要があるとして、10月15日に予定される臨時国会召集の前倒しを求める署名を山崎参院議長に提出した。 憲法の規定では、衆参いずれかで総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は国会を召集しなければならない。5党は参院で4分の1以上を占めているが、憲法に召集時期に関する規定はなく、政府は前倒ししない方針だ。」(25日 読売)。
「5党は、消費税増税などを議論するため、政府・与党が10月15日召集で調整している臨時国会の前倒しを求めることで一致した。 日本維新の会は、10月上旬にアジア太平洋経済協力会議(APEC)など国際会議が続くことを理由に、「首相の外交日程を妨げるものではない」との文言を要請書に明記するよう要求。他党が賛同しなかったため、要請に加わらないことにした。」(24日 産経)。
維新の対応は評価されるべきであるが、その他の5党、特に民主党は厳しく批判されねばならないだろう。これは政治をそっちのけにした党利党略のための欺瞞的パフォーマンスにしか過ぎない。なんらの積極的意味がないどころか、政治の遂行を妨げ、政治の質を落とすだけのものでしかなく、まったく国民をばかにした話である。
《国会召集を繰り上げて一体何を話すのか?!こんな要求をする暇があったら、来月15日召集予定の臨時国会に向けてしっかり準備をすべきである。》
政府が臨時国会の召集を何ヶ月も先に予定しているというならともかくも、来月15日には開会される。数日を争う緊急性のある法案を通す必要があるというならともかくも、今そういう法案が予定されているわけでもない。福島原発の水漏れ対策や、消費増税について話すということらしいが、これらの問題については、民主党が政権を担当していた時代、少なくとも二年半前から既に問題であったものだ。それを、いま数日を争うような事柄に祭り上げる意味はどこにあるのか。この間安倍首相は、国連総会出席などのため米国とカナダを訪れ、国連総会一般演説やニューヨーク証券取引所などでスピーチを行ったほか、5年ぶりの日イラン首脳会談も行った(28日夕 帰国予定)。首相は「地球儀外交」を掲げて、日本の立場の説明をし、世界の平和、安定のための諸施策を訴え、成果を挙げた。首相他、各閣僚の臨時国会までの日程も既に埋まっている。わずか20日程度のことで、なぜ政府のスケジュールを乱し、政治遂行の足を引っ張る必要があるのか。いま野党がやるべきことは、半月後の国会召集に向けて、そこでの議論が最大の効果を上げ、最早で、必要な法案を通していけるよう、しっかり準備しておくことではないのか。
《国会は、必要な法律を作るところであり、野党の予習・補習のための勉強をするところではない! 国会で議論することの重要性を主張するなら、先の国会での党利党略の参院運営をまず反省してからにすべきだ》
そもそも、福島の水漏れ対策や消費税などで、民主やみんなはどのような議論をするつもりなのか。水漏れ対策にしても、凍土遮水壁とするのかコンクリート壁とするのか、そのあたりの調査、検討はそれなりになされているのか?!民主党は消費増税を主導した党であり、みんなはそれに反対してきた。民主党がやるべきことは、まずみんなとの調整ではないのか。これらの不一致をそのままにして、国会議論に持ち込んでもらっても、国会を混乱させるだけだ。何の事前勉強も調整もしておかずして、とにかく国会を開かせて、自分たちが怠けて勉強していないことを政府に説明してもらい、それからおもむろに議論を始め、どうすのか考えていこうというような、「おんぶにだっこ」の甘えた姿勢は許されない。
また、これら5党は、先の通常国会で、理由も根拠もなくただ党利党略のパフォーマンスのために、「首相問責決議」案を提出可決させ(法的拘束力無し)、参院を混乱させ、(民主も同意し)成立直前にあった複数の重要法案を土壇場で廃案にするという愚挙を犯している。参院を、党利党略のために足蹴にして、その存在意義と権威を貶めておきながら、今度はこれまた自分の都合で参院を持ち上げているのだから、国民を愚弄しているとしか言いようがない。国会でしっかり議論し、必要な法案をどんどん作っていくべきだと主張するからには、これまでの参院での対応を反省してからにするのが筋ではないか。
《今回のような野党の対応は、無意味な議論の連鎖、つまり負のスパイラルで、国会を落ち込ませ、政治の質を落とすだけで、百害あって一利なしの愚行だ! 「どっちもどっち」論は通用せず!》
今回の対応が批判されるべきものであることは以上述べたような直接的な理由だけにはとどまらない。間接的な意味でも大いに問題がある。それは、今回の所業が、政治と国会の権威と信頼性を落とし、民主主義を機能不全の状態に貶めることにつながる思考、行動を含んでいるからである。今回の要求は、一応憲法にそって、参院議員の4分の1以上の賛同に基づくものであり、内容がないにも関わらず、形式的には整っているものである。そうである以上、政府はこれを尊重することが求められる(ような錯覚が生じる)。と言うのも、このような場合は、具体的規定はなくとも、既定の趣旨に立ち返って、判断するのが一応良心的なやり方であると考えられるからである。ところが憲法には時期の規定がないから、政府はこれまでの予定通りの召集としても法に背くことにはならない。しかし、これは見方によっては、政府、自民の「独断専行」、「権力の横暴だ」ということにもなりかねない。すなわち、国民から見れば、民主党他のやり方は出鱈目であるが、それにしても自民党の考え、やり方も横暴ではないか、結局「どっちもどっちだ」、というようなことにもなりかねない。そしてこれが、政治不信を募らせる要因の一つ、しかも主要な一つになる可能性が大きいのであり、ここに、今回のような野党の対応、欺瞞的な論理の大きな罪がある。朝日などの「反日」メディアはこれまで、この種の「どっちもどっち」という論理展開で、恣意的に政治を混乱させ、(自民の)政権の力を削いできているのだ!
国民にしてみれば、こんな馬鹿げた論理によって、大事な政治を混乱させられてはたまったものではない。ここで留意すべきこと、本来のあるべき論理は何かと言うことであるが、それは、そもそも今回の「前倒し要求」自体が、国民にとってなんらの益にもならず、それどころか政府の活動力を弱め、外交攻勢の力も弱める要因でしかないのだから、この点にこそ着目すべきだということである。内容のない形式だけのものに対しては、本来の内容を実現するために、形式的な対応で済ませることが許されるということである。こんな馬鹿げた要求にいちいち対応していたら、肝心の国民のための政治が手薄になってしまう。政府(自民)が憲法違反をしているのならともかくも、そうではないのだから、ここはやはり、国民の利益を考え、断固たる姿勢で野党の無責任性に対抗すべきであり、その点で政権党としての自民党の今回の対応は正しい。悪しき負のスパイラルに落ち込むことを避けるために、政権党は、しっかりと責任を果たしていかねばならないのである。
ところでこの観点からすると、維新の対応は大いに評価できる。維新は、首相や閣僚の国会答弁時間を削減すること(日本の首相の答弁拘束時間は、欧米の10倍にも達している!)などを柱とする国会改革を、主導している。この考えは極めて妥当なものであり、自公が臨時国会で法案を成立させようとしているだけでなく、民主もそれなりに前向きな姿勢を打ち出している。そうであれば、今回の問題で、民主は維新と同様の方向を取るべきであったが、政策の一貫性と主体性が無い民主党は、今回もまた、生活、共産や社民の動きに引きずられて、情けない姿をさらけだした。
政党といえども、自党が存続できて初めて政治を遂行することができるのだから、党利党略の抗争も必要になることは確かである。しかしながらここで留意すべきことは、党利党略を政治の上に置くか、それとも下に置くかという問題である。民主以下5野党は党利党略のための政治になっているのに対して、維新はあくまでも政治のための党利党略をしているということであり、いずれがあるべき姿であるかは自ずと明らかだろう。ちなみに、自民はかつては前者の傾向が強かったが、安倍首相のもとでの現在は後者の傾向が強い状態になっていると言えるはずである。
「5党は、消費税増税などを議論するため、政府・与党が10月15日召集で調整している臨時国会の前倒しを求めることで一致した。 日本維新の会は、10月上旬にアジア太平洋経済協力会議(APEC)など国際会議が続くことを理由に、「首相の外交日程を妨げるものではない」との文言を要請書に明記するよう要求。他党が賛同しなかったため、要請に加わらないことにした。」(24日 産経)。
維新の対応は評価されるべきであるが、その他の5党、特に民主党は厳しく批判されねばならないだろう。これは政治をそっちのけにした党利党略のための欺瞞的パフォーマンスにしか過ぎない。なんらの積極的意味がないどころか、政治の遂行を妨げ、政治の質を落とすだけのものでしかなく、まったく国民をばかにした話である。
《国会召集を繰り上げて一体何を話すのか?!こんな要求をする暇があったら、来月15日召集予定の臨時国会に向けてしっかり準備をすべきである。》
政府が臨時国会の召集を何ヶ月も先に予定しているというならともかくも、来月15日には開会される。数日を争う緊急性のある法案を通す必要があるというならともかくも、今そういう法案が予定されているわけでもない。福島原発の水漏れ対策や、消費増税について話すということらしいが、これらの問題については、民主党が政権を担当していた時代、少なくとも二年半前から既に問題であったものだ。それを、いま数日を争うような事柄に祭り上げる意味はどこにあるのか。この間安倍首相は、国連総会出席などのため米国とカナダを訪れ、国連総会一般演説やニューヨーク証券取引所などでスピーチを行ったほか、5年ぶりの日イラン首脳会談も行った(28日夕 帰国予定)。首相は「地球儀外交」を掲げて、日本の立場の説明をし、世界の平和、安定のための諸施策を訴え、成果を挙げた。首相他、各閣僚の臨時国会までの日程も既に埋まっている。わずか20日程度のことで、なぜ政府のスケジュールを乱し、政治遂行の足を引っ張る必要があるのか。いま野党がやるべきことは、半月後の国会召集に向けて、そこでの議論が最大の効果を上げ、最早で、必要な法案を通していけるよう、しっかり準備しておくことではないのか。
《国会は、必要な法律を作るところであり、野党の予習・補習のための勉強をするところではない! 国会で議論することの重要性を主張するなら、先の国会での党利党略の参院運営をまず反省してからにすべきだ》
そもそも、福島の水漏れ対策や消費税などで、民主やみんなはどのような議論をするつもりなのか。水漏れ対策にしても、凍土遮水壁とするのかコンクリート壁とするのか、そのあたりの調査、検討はそれなりになされているのか?!民主党は消費増税を主導した党であり、みんなはそれに反対してきた。民主党がやるべきことは、まずみんなとの調整ではないのか。これらの不一致をそのままにして、国会議論に持ち込んでもらっても、国会を混乱させるだけだ。何の事前勉強も調整もしておかずして、とにかく国会を開かせて、自分たちが怠けて勉強していないことを政府に説明してもらい、それからおもむろに議論を始め、どうすのか考えていこうというような、「おんぶにだっこ」の甘えた姿勢は許されない。
また、これら5党は、先の通常国会で、理由も根拠もなくただ党利党略のパフォーマンスのために、「首相問責決議」案を提出可決させ(法的拘束力無し)、参院を混乱させ、(民主も同意し)成立直前にあった複数の重要法案を土壇場で廃案にするという愚挙を犯している。参院を、党利党略のために足蹴にして、その存在意義と権威を貶めておきながら、今度はこれまた自分の都合で参院を持ち上げているのだから、国民を愚弄しているとしか言いようがない。国会でしっかり議論し、必要な法案をどんどん作っていくべきだと主張するからには、これまでの参院での対応を反省してからにするのが筋ではないか。
《今回のような野党の対応は、無意味な議論の連鎖、つまり負のスパイラルで、国会を落ち込ませ、政治の質を落とすだけで、百害あって一利なしの愚行だ! 「どっちもどっち」論は通用せず!》
今回の対応が批判されるべきものであることは以上述べたような直接的な理由だけにはとどまらない。間接的な意味でも大いに問題がある。それは、今回の所業が、政治と国会の権威と信頼性を落とし、民主主義を機能不全の状態に貶めることにつながる思考、行動を含んでいるからである。今回の要求は、一応憲法にそって、参院議員の4分の1以上の賛同に基づくものであり、内容がないにも関わらず、形式的には整っているものである。そうである以上、政府はこれを尊重することが求められる(ような錯覚が生じる)。と言うのも、このような場合は、具体的規定はなくとも、既定の趣旨に立ち返って、判断するのが一応良心的なやり方であると考えられるからである。ところが憲法には時期の規定がないから、政府はこれまでの予定通りの召集としても法に背くことにはならない。しかし、これは見方によっては、政府、自民の「独断専行」、「権力の横暴だ」ということにもなりかねない。すなわち、国民から見れば、民主党他のやり方は出鱈目であるが、それにしても自民党の考え、やり方も横暴ではないか、結局「どっちもどっちだ」、というようなことにもなりかねない。そしてこれが、政治不信を募らせる要因の一つ、しかも主要な一つになる可能性が大きいのであり、ここに、今回のような野党の対応、欺瞞的な論理の大きな罪がある。朝日などの「反日」メディアはこれまで、この種の「どっちもどっち」という論理展開で、恣意的に政治を混乱させ、(自民の)政権の力を削いできているのだ!
国民にしてみれば、こんな馬鹿げた論理によって、大事な政治を混乱させられてはたまったものではない。ここで留意すべきこと、本来のあるべき論理は何かと言うことであるが、それは、そもそも今回の「前倒し要求」自体が、国民にとってなんらの益にもならず、それどころか政府の活動力を弱め、外交攻勢の力も弱める要因でしかないのだから、この点にこそ着目すべきだということである。内容のない形式だけのものに対しては、本来の内容を実現するために、形式的な対応で済ませることが許されるということである。こんな馬鹿げた要求にいちいち対応していたら、肝心の国民のための政治が手薄になってしまう。政府(自民)が憲法違反をしているのならともかくも、そうではないのだから、ここはやはり、国民の利益を考え、断固たる姿勢で野党の無責任性に対抗すべきであり、その点で政権党としての自民党の今回の対応は正しい。悪しき負のスパイラルに落ち込むことを避けるために、政権党は、しっかりと責任を果たしていかねばならないのである。
ところでこの観点からすると、維新の対応は大いに評価できる。維新は、首相や閣僚の国会答弁時間を削減すること(日本の首相の答弁拘束時間は、欧米の10倍にも達している!)などを柱とする国会改革を、主導している。この考えは極めて妥当なものであり、自公が臨時国会で法案を成立させようとしているだけでなく、民主もそれなりに前向きな姿勢を打ち出している。そうであれば、今回の問題で、民主は維新と同様の方向を取るべきであったが、政策の一貫性と主体性が無い民主党は、今回もまた、生活、共産や社民の動きに引きずられて、情けない姿をさらけだした。
政党といえども、自党が存続できて初めて政治を遂行することができるのだから、党利党略の抗争も必要になることは確かである。しかしながらここで留意すべきことは、党利党略を政治の上に置くか、それとも下に置くかという問題である。民主以下5野党は党利党略のための政治になっているのに対して、維新はあくまでも政治のための党利党略をしているということであり、いずれがあるべき姿であるかは自ずと明らかだろう。ちなみに、自民はかつては前者の傾向が強かったが、安倍首相のもとでの現在は後者の傾向が強い状態になっていると言えるはずである。