今日は、いつもより早く起きた……ら、
ジャスミンにびっくりされた。
ジャスミ～ン、そんなにびっくりすることないでしょ。
アリスなんか、ケージの扉を開けてやったら、あくびをしながら出て来た。
ほらほら、朝ですよ。
とはいうものの、なんだ……外は雨。
今日は午前中から出かける用事があったので、出掛ける前にアリス（犬）の散歩に
行くつもりで早起きをした。
雨と知ったら、もう一度寝直したいくらいだ。
私が出かける準備をしていると、これは自分の散歩じゃなくてお留守番なんだ！と
察知するアリス。
ペンギンさんで引き留め作戦に出るところがいじらしい。
じゃあね、ふたりで仲良くお留守番していてね。
中目黒の小さなスタジオで、知り合いが芝居に参加しているので観に行って来た。
３時過ぎには終わって、外は青空が出ていた。
雨が止んでいるとなると、一刻も早く家に帰ってアリス（犬）の散歩に行かないと。
途中、オシャレな街として名高い自由ヶ丘で電車を乗り換えるとしても、一路家路を急ぐ。
ほらほらほら
アリスが喜び勇んで出迎えてくれたが、
ハッと気付いて、ソソクサと自分のケージに向かって走り去って行った。
そう！ 今、アリスは私の部屋から出て来たのだ。
ママに叱られる～、と一応思っているところが、可愛い。
ほらね。アナタがオカァサンのベッドの中で寝ていたのはバレバレです！
で、ジャスミン（猫）はどこに居たかというと、
はい。今、ジャスミンの中でマイブームになっているエスキモーベッドの中。
今日はひんやり寒かったので、さぞぬくぬく気持ちが良かったに違いない。
ところで今日、最寄りの駅で、並んで電車を待っていた時のこと。
ふと見ると、列から少し離れたホームの柱に、若い女性がもたれかかるように座り込んでいた。
傍には彼氏と思われる男性も一緒に座っていた。
ん？ 様子が……変？ 一時期流行った若い子の地べたの体育座りとは明らかに違う。
女の子、気分が悪い？
貧血？
すると、おばさんがやって来て、『今、駅員さんを呼びましたからね。』という。
そうか、良かった
ところが、それから一向に駅員さんがやって来ない。何してるんだ！
するとクダンのおばさん、女の子にキャンディーを１個渡している。
そうか、血糖値が低いと甘いもんが良いときく。 おばさん、やるぅ
駅員さんはまだ来ない。
今度は、その近くに居た女性が自分のしていたストールを座り込んでいる女の子に
掛けてやっている
私はだんだんいてもたってもいられなくなった。
でも、駅員さんに救助を頼んでいるし、大勢が取り囲んだら却って嫌なんじゃないか……。
私は、今、何が出来るだろう！
そう思っていたら、やっと、駅員さんがやって来た。 ……！ 手ぶら？
なにやら話し込んでいると思ったら、もうひとり駅員さんがやって来た。この人も手ぶら！
ふたりの駅員さんが肩を貸して女の子を立ち上がらせようとして、
『あ、車椅子持ってきましょうか。』……って、
バカーッ！当然じゃないかぁ！
私はてっきり担架か、当然車椅子が来ると思っていた。
遅ればせながら女の子を車椅子に乗せているところに、待っていた電車がホームに入って来た。
私は気になりながらも電車に乗り込み、ドアが閉まった時、びっくりした
！
さっきの、女の子に付き添っていた男の子が乗っている！
彼氏とばかり思っていたカレは、通りすがりの人だったようである。
アナタはえらい
急に体調を崩して座り込んだ女の子は、そばにいてくれたアナタがどんなに頼りになったことか！
駅員さんを呼びに行ったおばさんも、ストールを掛けてあげた女の人も、みんなみんなえらい
それに引き換え、私は何もしていない。
あの時、私は何が出来ただろう……。 
今でも、私の胸の中がチクリ。
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