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事業仕分け・第2弾 詳細が明らかに 「公益法人の事業仕分け+行政事業レビュー」

2010年03月12日 08時50分17秒 | 予算・事業仕分け
11日の行政刷新会議で、公益法人の事業仕分けと各省庁が2009年度予算の事業を検証する「行政事業レビュー」の実施が決まった。
スケジュールは、

・3月中
 省庁からヒアリング
・4月上旬
 公益法人からヒアリング、仕分け対象事業の現地視察
 仕分け対象事業の選定
・4月下旬
 事業仕分け(公益法人の事業仕分け)
・5月上旬
 2009年度予算の点検
・5月下旬
 事業仕分け(行政事業レビュー)
・6月~
 独立行政法人のあり方に関する提言など

となっている。

省庁からのヒアリングは9日から実施中。国会審議や会計検査院から問題があるとの指摘を受けた50の法人を公表済で、それらを含む290の法人の事業の内容や補助金を出している理由などを省庁の担当者からヒアリングしている。50の法人は、時事通信の記事をご覧いただきたい。日本森林技術協会(農水省)の他に、地方自治情報センター(総務省)などが入っている。

仕分け対象候補の50公益法人
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201003/2010030900370&rel=m&g=pol

これらの公益法人の事業仕分けで削減できる予算はそれほど大きくない。第2弾での対象となる法人への支出は、最大でも3兆円少々。補助金をカットすると立ち行かなくなる法人もあり、心情的にも大胆に切り込むことは難しい。予算削減よりも「天下りポスト」の廃止に向けた動きと捉えておいたほうが良さそうである。
国が所管する6625の法人のうち、官僚OBが理事を務めているのは、3305法人で8519人。事務次官クラスが天下っていると、省庁側が無駄な予算や事業だと考えていてもカットすることはできない。公益法人側もそれを見越して天下りを受け入れている(理事ポストを用意する)のだから、構造的なものといえる。公開の場で事業仕分けをすることで、この構造を崩していこうというものだが、役人にとっては不安が募るだけだろう(将来の天下り先が糾弾され、ポストが消えていくのだから、当然)。
事業仕分けの具体的な内容は、公益法人が行う事業の徹底的な見直し、類似事業の横断的な見直し、制度・規制などの見直しの3本柱。第1弾と同じように国会議員と民間の評価者によって公開の場で実施される。

「仕分け」第2弾来月から、自・公予算の検証も
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20100311-567-OYT1T00909.html

5月には、行政事業レビューが行われる。これは、2009年度予算の執行状況を確認するもので、各省庁ごとに副大臣をトップとする「予算監視・効率化チーム」を立ち上げて予算の無駄遣いを徹底的にあぶりだすもの。「府省版の事業仕分け」であり、2011年度予算の概算要求に反映させる。予算要求にあたっての仕分けに加えて、予算執行後の評価=仕分けを実施することで、InputとOutput+Outcomeの一連の評価ができるようになる。これまでの「大きな予算をとるまでが仕事」で「とった予算を使い切り、来年度も同額を確保する」といった役人の行動様式をどこまで変えられるかに注目していきたい(中長期的な取り組みが必要か)。

行政事業レビューの実施決定 無駄削減アピールも
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2010031101000886.html

09年度予算、各省で「仕分け」=概算要求に反映-刷新会議
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100311X308.html

行政事業レビューは、予算を使って実施したことや得られた効果などを公開の場でヒアリングする事業仕分けと同じスタイル。もし、実施したことが予算要求時の説明と違ったり、効果が上がっていないと判断されたら、その事業の継続を認めない=「廃止」となることもありうる。うまく説明すれば何とかなった事業仕分け・第1弾とは異なり、実施したことがベースになるだけに説明でカバーできる範囲は限られる。役人にとって、客観的な事実を突きつけられる事後評価=レビューのほうがきついだろう(工事が年度末に集中しているのはなぜですか?本当は不要だったんじゃないんですか?などと指摘しやすい)。