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行政刷新会議の「規制・制度改革に関する分科会」、初会合が開催される

2010年03月30日 23時51分13秒 | 予算・事業仕分け
29日に、政府の行政刷新会議の下に設置された「規制・制度改革に関する分科会」の初会合が開催された。
枝野大臣は、「これまでの規制改革は、厚い壁に阻まれて緩和されていないところと、逆に緩和だけが進んで弊害が生じた両面があった」と指摘し、「消費者であるとか、患者さんであるとか利用者の観点で規制を見直していただきたい」と求めた。

規制改革分科会が初会合=鳩山政権で論議スタート
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100329X578.html

「消費者、患者の観点で規制見直しを」-行政刷新会議分科会が初会合
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-26981.html

規制の見直しには相当な抵抗が予想される。例えば、「混合診療の解禁」や「レセプト病名統一」などは、話題になるたびに大きな反発を招いてきた(いささか感情的で、これらを許せば「医療崩壊」につながるなどの脅しを加えて)。いくら枝野大臣が頑張って旗を振ったからといって、簡単に実現できるとは思えない。ゆえに、大塚分科会長が「委員でまとまらない場合は、関係者を集め、公開の場で『規制仕分け』をする」と述べるなど、「国民」を味方につけるしかない。この分科会においても「国民の声」を受け付けての開催だけに、ホームページに資料がアップされている。

規制・制度改革に関する分科会(第1回)議事次第
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/0329/agenda.html

今後の予定は、

4月
 ・3つのWGの立ち上げ、各WGでの関係者ヒアリングと論点整理など
5月
 ・各WGでの方向性の確認、各省での調整、分科会への報告
6月
 ・行政刷新会議への報告

となっている。
検討テーマは、規制改革会議の提言、「国民の声」の集中受付期間に寄せられた規制改革提案、新成長戦略関連重要検討テーマとしての提案のなかから抽出済で、WGは、ライフ・イノベーション、グリーン・イノベーション、農業の3つとなっている。
なお、ライフ・イノベーションの検討テーマは、

・保険外併用療養(いわゆる「混合診療」)の原則解禁
・一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和
・医行為の範囲の明確化(診療看護師資格の新設)
・医行為の範囲の明確化(介護職による痰の吸引、胃ろう処置の解禁)
・再生医療の推進(適用法令、臨床研究の在り方、PMDA審査体制)
・レセプト等医療データの利活用促進(傷病名統一、診療年月日記載など様式改善等)
・ICTの活用促進(遠隔医療、特定健診保健指導)
・医療ツーリズムに係る査証発給要件等の緩和(医療ビザ、外国人医師の国内診療)
・特別養護老人ホーム等への民間参入拡大(運営主体規制の見直し)
・介護施設の総量規制を後押ししている参酌標準の撤廃
・訪問看護ステーションの開業要件の緩和(一人開業の解禁)
・各種介護サービス類型における人員・設備に関する基準の緩和(サービス提供責任者の配置基準、ユニット型施設の入所定員比率目標等)
・高齢者用パーソナルモビリティの公道での使用
・EPAに基づく看護師、介護士候補への配慮(受験回数、試験問題の英語表記or漢字へのルビ等)

となっている。
このブログでも取り上げている項目がいくつか入っているし、ここ数日の間に動きが出てきている。
例えば、

介護福祉士の在留資格検討=歯科医師らの就労制限撤廃-出入国計画
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100330X765.html

<EPA>来日研修生、看護師に 254人中3人…超難関、日本語が壁
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20100327ddm041040144000c.html

で報じられているように、難しい漢字にルビを振ったり簡単な言葉に言い換えたりする、日本語の支援を充実させる、日本の大学を卒業して国家試験に合格した留学生には国籍にかかわらず介護福祉士として活動を認める、といった検討が進められている。


1 コメント

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社会福祉法人の意義 (藤岡輝行)
2011-02-28 11:43:11
社会福祉法人でなければ、特別養護老人ホームが運営できない理由がわからない。
社会福祉法人に頼りすぎる事は、サービスの向上に繋がらないと思います。また、社会福祉法人の内部留保のお金を全国に公表して、国民の理解が得られますか。
なぜ、税金の免除があるのか?どれだけ、地方、国が潤うのか?
誰が、阻止しているのか?
国民を、いつまでもだませられない思います。

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