お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)勝間 和代光文社このアイテムの詳細を見る |
この間書店でビジネス書コーナーを眺めていると、後ろの投資関連コーナーから年配の人の声が…。
「会社四季報と日経新聞をすみずみまで読めば、株のほうから買ってくれという声が聞こえてくる」「株価は理論株価を絶対に下回らない」(え?その理論株価はどうやって出すの?)「PERとPBRが云々(そこかよ!)」などとネットトレード入門を立ち読みしていた若い男性に講釈たれている老人。
当然投資全般には勉強、研究がつきもので、しかし、個別株式ともなれば、個人が得られる情報なんてたかがしれている。いまだに「株で○○万円儲かる!」みたいな本もあるのだけれど(最近はFXが多いかも)、勝間さんをはじめとする最近の論調は、素人が個別株を研究、購入するなんて時間とお金の無駄、何も考えずにインデックス(市場平均)投信に時間分散して長期投資しなさい、というのが主流。
この方法だと、いきなり資産が倍になったりすることはないので確かに面白くはないが、当然資産がいきなり半分になることもない。そもそも投資は、ギャンブルではないので、短期間に資産を倍にする必要はないはずなのだ(なればもちろんうれしいけれど)。
本書は、金融リテラシー(金融の知識とそれらを主体的に読み解く能力)を得るための基礎的な情報を与える。不労所得は賤しくない(お金の話をしたっていいじゃん!)、金融の勉強をしないから長時間労働をしなくてはいけないし、長時間労働をするから金融を勉強をする暇がないという悪循環に陥っている、というところからスタートして、株、為替、生命保険、住宅などの金融商品を説明。投資、資産運用をステップごとに解説していく。最後は、金融を通じて積極的に社会に関わっていこうという提案でしめられている。
投資入門としては最後の金融を通して社会に関わっていくってところが新しい。今のところは多くの人にとって付け足しのようなものだろうけれど、日本人の金融リテラシーが向上していくと、なるほどと思えてくるのかもしれない。大人になればわかるよってやつ、かな。