電脳馬牧場-Electric Ranch

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阿部和重「グランド・フィナーレ」(新潮社・2005年)読了!

2005-02-27 23:07:52 | 読了日記


 阿部さんの小説の、その滑稽なほどのハチャメチャさというか、後半の崩れていく感じが好きなのだけれど、表題作では後半にスピード感を味わえたものの、「えー?!」って言いたくなる、積み上げたものをどかどか崩していく感覚はなかったなぁ。
 ロリコン趣味の男の崩壊(の回想)と再生がテーマなのかな。危ない方に進むかと思いきや踏みとどまってしまう。それがちょっと意外。
 私は阿部さんらしくないと思ったけど。それに比べると、表題作とともに収められている短編のほうが、あぁ阿部和重だぁと思わせるよ。