電脳馬牧場-Electric Ranch

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斉藤美奈子「物は言いよう」(平凡社・2004年)読了!

2005-02-02 21:46:43 | 読了日記


「噂の眞相」に連載されていた「性差万別」を大幅加筆修正してまとめたもの。
政治家の「天真爛漫なご発言」や評論家などの「油断大敵なご発言」を収集分類。
私たちが普段耳にする「セクハラ発言」や「性差別発言」とはっきり言えるものから、うーんそこまで言えないけど、なんかおかしい的な言動にイエローカードを出していく。
この基準になるのが「フェミコード(FC)」。
公の場所ではわきまえましょうよ、というフェミニズム的規則だ(フェミニンでもフェミニ二ティでもいいらしいぞ)。知らず知らずにセクハラじみた言動を行わないための心得が実例付きで60挙げられている。

そんなことどうでもいい保守オヤジや、自然とそんな物にはひっかからずに振る舞える人間にはどうでもいい話(関心のない人達にはもともとどうでもいい)。問題なのは、フェミニスト的に振る舞いたい僕のような似非インテリだ。マッチョな保守オヤジ(オバサンでもあんチャンでもおねーチャンでもよい)はバカに見えるし、かといって染みついた差別意識をぬぐいたいけどぬぐいきれない、そんな人達向け。

近頃斉藤さんは社会構築主義(大ざっぱに言うと、例えば男女の性差において生物学的な差異を重視せず、社会的な制度や文化を重視する考え方)に偏りすぎていると批判されている。
まぁ確かにそんな一面もあるかも。ただ斉藤さんも社会構築主義もそんなに単純かなぁ。
違う気がするけど。
この辺自分のなかでもイマイチ形にならないので、とりあえず、その違和感の表明だけ。