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Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

染付 虎人物詩句文 輪花皿

2021年07月03日 17時20分25秒 | 古伊万里

 今回は、「染付 虎人物詩句文 輪花皿」の紹介です。

 表面の全面に陽刻文を施し、口縁には鉄銹を塗って口紅を施して画面全体をギュッと引き締め、輪花形としています。

 陽刻文は何を表現しているのか分かりずらいのですが、真ん中辺りに人物を描いているようです。その人物は、左上方に向かって走り寄ろうとしているようで、その左上方には虎が描かれ、虎は、その走り寄ってくる人物を見返しているようです。

 

 

表面

 

 

上段の詩句文の拡大

 

 

下段の詩句文の拡大

 

 

裏面

 

 

高台内銘の拡大(意味不明文字)

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代中期~後期(1760~1780年代)

サ イ ズ : 口径;17.6cm 高さ;2.6cm 底径;10.1cm

 

 

 この時代、この手の皿は、相当に人気があったようで、相当数が作られたのか、残存数も多いようです。

 佐賀県立九州陶磁文化館発行の「柴田コレクション」図録にも、同じような皿が何点か登載されていますが、その内の、この「染付 虎人物詩句文 輪花皿」と殆ど同じような皿を次に紹介いたします。

 

 

 染付 虎人物詩句文 輪花皿

「柴田コレクション総目録 図3468」(柴田コレクションⅧ-223)から転載>

 

1760~1780年代 口径17.6 高さ2.5 底径11.4

参考 二十四孝文(楊香)

 

 

 また、2021年5月25日に、これに類似した「染付 蝶文 輪花形深皿」を紹介していますので、それと併せてご覧いただければ幸いです(^_^)

 

 

 


追 記 (令和3年7月4日)

 遅生さんから、この皿の画題は、中国「二十四孝」の中の「楊香」からとったもので、「父親を守るため、娘、楊香が虎に立ち向かうという孝行物語のものです」とのコメントが寄せられました。

 ウィキペディアに依りますと、

「楊香(ようこう)には一人の父がいた。ある時父と山に行った際に虎が躍り出て、今にも2人を食べようとした。楊香は虎が去るように願ったが叶わないと知ると、父が食べられないように「天の神よ、どうか私だけを食べて、父は助けて下さいませ」と懸命に願ったところ、それまで猛り狂っていた虎が尻尾を巻いて逃げてしまい、父子共に命が助かった。」

とあります。

 この皿の表面の陽刻文は、そのことを表わしたようですね。

 遅生さん、コメントをありがとうございました(^-^*)


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Dr.kさんへ (遅生)
2021-07-03 19:56:11
この皿、私が5月26日にアップした古伊万里染付二四孝詩句紋輪花小皿と画題は同じですね。
『深山逢白額、努力転精風、父子倶無恙、脱身纔甲中。揚香』
父親を守るため、娘、揚香が虎に立ち向かうという孝行物語です。
でも、Drのこの皿の方が上手ですね。
陽刻も鋭いし、裏側の造りも丁寧です(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-07-03 21:25:02
遅生さんが5月26日にアップされた「染付二四孝詩句紋輪花小皿」4枚と同じ画題でしたね。
「二四孝詩句紋 揚香」の解説もされていましたね。
すっかり忘れてしまっていました(><)
それを覚えていれば、もう少しましな解説が出来たのですが、、、(~_~;)

「揚香」のことを教えていただきありがとうございます。
追記しておきたいと思います(^-^*)
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2021-07-04 00:09:34
天明~寛政期に出てくる陽刻の入った特徴的な手の品ですよね!
ワタシもこの手がとても欲しかった時代がありました
ドクターさんも書いておられる通り、わりと見かけるタイプの品なので
「そのうち買うか」と思っているうちに20年近く経ってしまい
結局買わずじまいになっています。
伊万里全体が安くなった今が買い時なんでありましょうか。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2021-07-04 08:13:45
この手は、一時、かなり出回りましたよね。
でも、何故か、あまり人気がなかったですよね。
私も、骨董市などに出かけて行って、他に何も買いたいようなものがなかったので、「せっかく来たのだから、これでも買って帰るか」という感じで買ってきたものです。
遅生さんもそのような気持ちで、この手のものを買ってきたようですね(^_^)
ただ、最近はあまり見かけませんね。もっとも、ネットの世界ではどうなのか、知りませんが、、、。
見かけたら、今が買い時なのかもしれませんね(^-^*)
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