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童話と絵本の会

楽しい童話や絵本を集めています。気にいった童話や絵本があればお知らせください。

童話と絵本の会 2016.06.03 やまの おかしら

2016-06-04 00:04:27 | ヤ行の絵本
2016年6月 3日(金)晴れ 18℃ 58%RH am7:55
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_やまの おかしら 
__アジアのむかし話 文 神戸淳吉 絵 田辺佳奈 和田義三 清水耕蔵 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書

むかし、やまの ちかくに、シヌクアンと いう、
けむくじゃらの おおおとこが すんで いました。
でも、きだてが やさしくて、こどもたちと
あそんだり、しごとを てつだったり して、
みんなから よろこばれて いました。

ある ひ、シヌクアンの ところに、
やまの けものたちが、ぞろぞろと やって きました
「シヌクアンさま。おねがいが あって まいりました。
どうか、わたしたちの おかしらに なって ください。」
シヌクアンは、むねを ぼいんと たたいて、いいました。
「ようし。かしらに なって やろう。」

あくる あさ はやく、
一わの ことりが、やって きました。
「おかしら。どうか きいて ください。
ぬまに すむ かえるどもが、うるさくて こまるのです。」
「ふうん。かえるは うたが すきだからな。」
シヌクアンは、ねむそうに いいました。
「いいえ。それが、きたない こえで よどおし わめくのです。
おかげで わたしたちは ねむれなくて ふらふらです。
かえるを こらしめて ください。」
「よし。かえるを つれて こい。」

ことりは、としとった かえるを つれて きました。
かえるは ふくれっつらで、いいました。
「わたしたちは うたを うたって いるのでは ありません。
かめが、あの おおきな いえを せおったまま、
どぼん どぼんと、ぬまの なかに とびこむので、
かめの いえの したじきに ならないように、
じぶんの いる ところを しらせて いるのです。」
シヌクアンは もっともだと おもいました。
「そうか、そうか。けしからん かめを よべ。」

としとった かえるは、やはり としとった
かめを、つれて きました。
かめは、はじめから、くびを すくめて だまって います。
「こら。かえるの いうとおりなら、こんやから、いえを
せおったまま ぬまへ とびこんでは ならんぞ。」
「おかしらさま。ちがいます。ほたるたちが もえて いる
ひを もって とびまわるので、あぶなくて
しょうがないのです。」
「なるほど。ひあそびは いかん。 ほたるを よべ。」

かめは、ほたるを つれて、のろのろ やって きました。
「おかしら。これが、ひあそびを して いる ほたるです。」
「いいえ。ひあそびだなんて、とんでも ありません。」
「ほう。どうしてだね。」
「はい。わるいのは あの か(蚊)どもです。
あの するどい けんで、ちくり ちくり さしますので、
わたしたちは ひを つけて、よどおし みはりを して いるのです。」

「さて さて、むずかしい ものだ。
だが、どうやら かが わるいようだから、かを よんで、
よく いいきかして やろう。」
まもなく かは やって きました。
「こら、か。 シヌクアンさまに ごあいさつを しないか。」
ほたるが そう いっても かは ふまんそうに
ぶーん ぶーん いうばかりです。
「これ か。 おまえは やたらに ほたるを
つきさすそうだが、ほんとうか。」
シヌクアンが きいても、かは へんじを しません。
「やはり おまえの しわざだな。
よし、ろうやに いれて やる。」

「さあ、ほかの かどもを つかまえろ。」
シヌクアンの いいつけで、みんなで かを つかまえて、
ろうやに いれました。
「やれ やれ。これで、すこしは こたえただろう。」
けものたちは、ほっと しました。
まもなく、めすの かだけは、
あやまったので ゆるされました。
でも、 おすの かは、ながい あいだ
ろうやに とじこめられて いたので、
こえが でなくなって しまいました。
シヌクアンの おかげで、
やまは へいわに なりました。

御器所教会  ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください。

   
御来訪ありがとうございます。


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