上司不在的時候的行動

中国人幹部が1名居る。日本語、英語がぺらぺらで学歴も高い。日本に居る時に会社がその聡明さ、中国に対する知識、そして「腰の低さ」を気に入り採用したらしい。

「腰の低さ」とは何か。「利用できる権力を持つ人間に対するこびへつらい」のことである。上司や、自分に対する評価を行う人間、将来引っ張って欲しい人間に対するこびへつらいは確かに尋常なものではない。

しかし誇り高い彼はそれが内心では許せない。陰でそういう人達のことをぼろくそ、味噌くそにこき下ろすのだ。誰彼構わず、日本からの出張者にさえも「あいつはこうだ」「いい加減にして欲しい」などと不満をぶちまける。

では利用出来ない権力を持たない人間に対してはどうか。遠くから怒鳴って呼びつける、コーヒーを持ってこさせる、コピーをとらせる、菓子を買ってこさせる、全く意見を聞かないなど散々である。これは自分を含む日本人に対してもそうなのだ。これはこれですごいことだ。自分には後ろ盾があると思い込み、日本人も見下す、怒鳴りつける、意向に従わないなど、一貫しているのだ。

仕事ぶりは素晴らしいのだが、なんせわがままで、自分の思い通りにどんどんというか、勝手に進めてしまう。時には人を陥れるようなやり方も使う。いつの間にか議事録の中に「会社の決定事項」のように書き込み、仕事の担当を決められていたこともある。他人の事情は全く無視。とにかくチームワークが全く通用しないし、考えようともしない。

会社の上層部も気が付いているのだが、中国についての知識不足から彼に頼らざるを得ない、手下のような中国人スタッフ達に与える「悪い影響」を考えて躊躇してしまう。ある意味「カリスマ」というか「独裁性」を持っている。これはすごい。

ただし、このような人間の存在は「企業の文化」を壊す。周囲がこのような人間を見て仕事をしだしたらどうなるか。モラルもチームワークもあったもんじゃない。皆が皆自分のわがままを彼に従い、言い出すに決まっているのだ。

「上司不在的時候的行動」上司が居ない時の彼の行動パターンは笑ってしまうほど分かりやすい。
・勝手に休む
・遊びのような出張に行く
・勤務時間中に喜んで騒ぐ、仕事に関係の無い話しで盛り上がる
・社有車を家族を引き連れて乗り回す
・早く退社する
など。

この行動パターンは「現地化」が進む、つまり中国人幹部が仕切る他社の会社の中でも顕著らしい。数少ない日本人幹部が日本出張などで長期間居ないなどちょっとでも隙が出来るとやりたい放題のようだ。

「現地化」はコストダウン、マネージメント、現地市場への食い込みを考えると避けて通れない。皆が皆このような人間では無いと思うが、非常に心配な自分なのであった。