チョット、例えが違うかも知れませんが、
後ろに向かって歩いているわけではなく、
ブラックホールに落ちていくように、
動きが普通の人の3倍ぐらい遅いんです。
時間の感覚が、おかしくなるようです。
私が若い時に働いていた所の、近所のお爺ちゃんです。
全ての動作がゆっくりで、こんにちは、と呼びかけたら、
首が、ゆっくり回り、こっちを向きます。
そして、ゆっくり、こ ん に ち わ と返事をします。
そして、超、ビックリしたのが、
そんな動きなのに、自転車を乗っているんです !
24インチぐらいの自転車のシートを、一番低くし、
両足が、べったり着けるぐらいにして、
どうして立っていられるのか分からないぐらい遅く漕いでいます !
普通の人では、絶対無理です、平衡感覚だけは、何故か超人的です。
自転車を乗っているのに、歩いているより遥かに遅い。
なのに、転ばない、なのに、まっすぐ走っている。
お爺ちゃんだけ、四次元空間にいるみたいです。
サルバドーレダリのシュールレアリスムの絵の中にいるみたいです。
アメリカにいたら、必ず、アベンジャーズにスカウトされていたでしょう。
超弱い、超人です。
よく、幅4車線の広い道路を自転車で、渡っていましたが、
渡り切るのに、いっつもギリギリでした。
最後に、奥さんである、超元気そうなお婆ちゃんが言ってました。
「あの人ねえ、家でよく、こけているのよー。」
「仰向けに転んだら、亀みたいに、手と足をジタバタさせて、
起き上がられへんのよー。」
「あははははーー。」と笑っていました。
助けてあげないんですか、と聞いたら。
「面白いから、ほっておくのよーー。」「あははははーー。」
可哀想な爺ちゃん。
私も、そうならないようにしようと思いました。