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「演歌・オブ・ザ・デッド」公式ブログ
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NEAR DARK

2006年09月24日 21時30分42秒 | 映画・DVD・テレビ番組
NEAR DARK ニア・ダーク 月夜の出来事

1987年アメリカ
監督:KATHRYN BIGELOW
出演:ADRIAN PASDER、LANCE HENRIKSEN、JENNY WRIGHT 他

これ、前からネットとかでこういう映画があるってことだけ知っていて、ごっつ見たかったんよねぇ~。で、先日初DVD化されました。1,500円だったんで買っちゃいましたよ、コノヤロ~。

面白い。傑作とまでは言えないけど、買って損はありませんでした。

というわけでまたもや下から ネタバレ 満載で感想を書いてみます。

先ず、監督は女性の方なんですが、結構綺麗なんでびっくりだよ。特典映像に2002年時点での監督本人がインタビューで出ていますが(その当時で50台半ばのようなんですが)、昔は綺麗やったんやろうなぁという翳りが漂っています。

特典映像のギャラリーに撮影当時の写真が出ていまして、これを見るとモデルと言われても信じるほどの綺麗さですね。女優として映画に出た方がよかったんではないかとも思っちゃいましたよ。

映画の簡単なストーリーを。
カウボーイでナンパ好きなケイリブ(推定年齢二十歳ちょっと)は、地元の町で不思議な魅力を持った少女メイをナンパするが、彼女は実は吸血鬼で、ケイリブは彼女によって吸血鬼にされ、家族の目前でメイの属している吸血鬼の集団に連れ去られてしまう。

簡単に言うと、吸血鬼もの+甘酸っぱい青春ラブストーリー+ロードムービーを足して割らずにそのままミキサーに入れてごっちゃにした感じです。でも絶妙に溶け合っているんですよ、これが。

メイ役のジェニー・ライトという女優さんが、これまた素晴らしい魅力を携えてます。少女の中に大人の女の魅力、大人の女の中に少女の魅力、う~ん、うまいこと説明出来ないっす。守ってあげたい存在であり、彼女に守られたいとも思ってしまう。相反する魅力をそれぞれ殺すことなく保持しているんです。そして危うさも持っています。

劇中でのメイは高校生の時に吸血鬼にされて、それから4年経っているっていう設定なので、高校生の雰囲気を出しつつも、4年間吸血鬼として人間を殺しながら生きてきた過程の結果の雰囲気も出さないと駄目だと思うんですが、見事に表現されていたと思います。

なんか褒めまくってますが、こんな女性がいたら付いていってしまうってくらい、魅力満載なんですよ。実はジェニー・ライトは既に引退されているようで、このDVDの特典映像に出てもらう為に探したそうですが、見つからなかったようです。主人公役の人もDVD特典で呼びかけてました。ってここでもナンパかよ(←違うだろ)。

吸血鬼集団も個性的で、役者の方々がのめり込んで演技しているのが画面から滲み出ています。

低予算映画だったようですが、役者や製作スタッフの努力で、そんなことを感じさせない映画になっています。

主人公の妹が怪しい見ず知らずの少年(吸血鬼の一人)にカラーテレビ見たさについていっちゃう間抜けさとか(流石家族)、主人公の父親が目の前の現実を理解出来なくて自分の信じる常識で思考停止しちゃうとか(流石家族)、馬鹿家族っぷりがちょっといらんかったかなとも思うけど。

それから最後のバトルなんですが、なんか吸血鬼集団が自殺したかったんかなぁと思えてしまって萎えました。それなら吸血鬼集団の各々に対して後ワンシーンずつでもいいので、それぞれの吸血鬼の葛藤っていうか、人間に対してっていうか、日の光に対する憧れっつ~か、そういうもんを描いて欲しかったですね。

なんか急に鬱状態になって自殺に及んだみたいな感じになっちゃってて、あらららってとこなんですよね。それまでが、吸血鬼それぞれ個性的で生き生きとしているから、なんか白けちゃうんすよ。

吸血鬼になっちゃうと、外見はその時点での年齢のままなので、小さい頃に吸血鬼にされちゃったらずっと小さい頃の体のままなんですよね。でも精神は大人になっていく、と。吸血鬼集団の中にも子供(こいつがメイを吸血鬼にしちゃいました)がいて、ちょっと切ない表現もあるんですが、なんか足りないと思っちゃうんですよ、それだけではね。

もう一つ、ラストのハッピーエンドにも繋がるでんすが、人間の血を輸血したら吸血鬼から人間に戻れるっていうのもなんか右斜め上をいってて、想像してなかったんで不意をつかれました。人間の血を吸えば生きながらえて、輸血すれば戻ってしまう。吸血鬼とはなんて人間依存の高い生き物なんでしょうか。

上にも書きましたが、ラストはハッピーエンドです。多分主人公からしたらハッピーエンドです。主人公が終盤に人間に戻った時はなんとなくそういう展開になるんとちゃうかなって思ったんですが、そうなっちゃいました。でもハッピーエンドが似合わない映画だったような気もします。

でね、ふと疑問が。主人公の妹が攫われるんですが、そこで吸血鬼にされても人間に戻す方法を知っているんやから、そんなに慌てなくてもよかったんとちゃうの、と。昼間に吸血鬼集団に追いついてから連れ戻せばよかったんとちゃうのと。

まぁ、そんなこと言うたら映画出来へんわな、がっはっは。

なんか不満ばっかり多くなっちゃいましたが、満足してますよ。本当に面白いですよ。吸血鬼映画好きな方は是非見てもらいたいと思います。