スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

ボールを握れば野球小僧

2007-09-14 09:55:34 | 野球
食い入るように見ていた『ZONE』。気が付けば酷似した番組が復活していた。

昨日は元プロ野球選手のセカンドライフに関して。最も気になる話題であり、いずれは追っ掛けて記事にしたいと考えているだけに釘付けに。

条辺や芝草などのその後に関してはある程度の情報を持っていたが、入来兄と伊良部クラゲについては無知だったことから興味深いものとなった。

現在はロスに居を構えている伊良部。現役時代の刺々しさは全くなかった。体型はややポッチャリ。丸みを帯びた体躯は温かさを醸し出し、笑顔を浮かべながらやんちゃだった時代を振り返る。反省はしながらも、自分だけが特別ではなかったとの鋭い時代考察には納得させられた。さすが、理論派。野球からは足を遠ざけ、うどん店を共同経営するなど長閑で穏やかな日々を送っているそうだ。そんな伊良部がキャッチボールの要請に応えた。投球フォームは以前のまま。肩慣らしを終えると、何時の間にか(演出かもしれないが)マウンドへと足は向かった。メジャーのマウンドにも登った男がサンダルでどこにでもあるグラウンドに立った。当時の感覚を思い出すようにキャッチャーミット目掛けてボールを投げ込む。異様な光景だが、本人はそんなこと歯牙にもかけない。体が温まると自ら志願し、感触を確かめるようにボールを投げ続けた。一汗かいた後、伊良部は快さそうに感想を述べた。野球への愛が薄まっていないどころか、再熱したことを。一戦を退こうとも野球小僧であることに変わりはない。マスコミに叩かれ、世間からは悪童呼ばわりされ、職業野球に辟易もしたが、心血を注いできた野球は嫌いにならなかった。そのことが分かっただけでも、何故か嬉しかった。野球名鑑を片手に、伊良部の最高球速記録更新を登板毎に楽しみしていた頃の懐かしい気持ちが蘇った。


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