クリエイティブビジネス論!~焼け跡に光を灯そう~

元コピーライター・境 治が、焼け跡になりつつあるこの国のクリエイティブ業界で、新たな理念を模索するブログなのだ!

ソーシャルで広告はイキイキする!~広告の新たな地平線・その9~

2010-05-03 13:51:44 | 広告の新たな地平線
今日の記事は、前々回のこの図の続きの話です。それなんだっけ、って方は復習してみてね。ソーシャル化でメディアとぼくたちの関係が変わろうとしている、という内容だったね。

そして上の新しい「図」を見てみましょう。

これまでの広告の仕組みは、上のようなものだった。ネットの登場以来、”いかに購買(会員獲得・売場誘導など)に結びつくか"が広告で問われるようになった。マスメディア時代までは、なんとなく面白い広告をテレビや新聞で展開すれば認知が上がってそれでよかったのが、いまはROIなんてことで具体的な効果が問われる。

ネット広告の場合は、そのメディアへのアクセスから誘導したいサイトへバナーなどをクリックして来てくれましたか?ということが具体的な数字で問われることになったわけ。

UU数やPV数(ネットメディアに来る人数やあちこち見てくれてるかどうか)が問われ、そこに置くバナーのCTR(どれくらいの割合でクリックしてくれるかどうか)が問われるキビシーイ世界に広告がどんどん入り込んでいった。

ただし、ソーシャル以前は、それらのメディアは点在していた。そのことは前の「図」の時に書いた通り。

この仕組みには限界があって、巨大なPV数を誇るYahoo!であっても、そこに行く習慣がない人には届かなかった。それが"点在"ということの意味。Yahoo!でいくらデモグラフィックターゲティングだの行動ターゲティングだのを駆使しても、そこに行かない人には絶対に届かないわけ。だからWEBマーケティングでは"点在"の"点"をいかに増やすかに主眼が置かれ、アドネットワーク使おうか、なんてことになっていた。

そこにソーシャル化がやって来た。しかもすごい勢いで広がっている。前の「図」のようなことになっている。そしてみんなTwitterにどっぷりハマらなくても、知らず知らずのうちに「面白いこと、興味深いことをみんなに教えてもらう」状態になってきている。

そうすると、広告の仕組みは上の図の下のように変化させることになるんじゃないかな?いままではYahoo!でバナーだけ置いてたのを、Yahoo!上で「何か面白いコンテンツ」を置くことにする。そうすればもちろん、もともとYahoo!によく行ってた人が見てくれるだろう。そしてその人は、「Yahoo!で面白いもん見っけ!」とつぶやいてしまうことだろう。

すると「なになに?それ何?」と、その人のフォロワーがYahoo!のそのページに見にいく。面白いと思えば、その人がまたつぶやいてくれるかもしれない。

とかやってるうちに、別の人が、「You Tubeでそれ関係のコンテンツ見っけ!かくかくしかじかな企画もあったよ!」とつぶやく。そうすると「え?なになに?Yahoo!のも面白かったけど、また少しちがうわけ?」と興味を持って見にいくかもしれない。

そうやって、いままでは各メディアに"点在"していた広告が、"遍在"している状態になる。目標である"企業サイトへの誘導”がこれまで以上に活性化し効果的になる、可能性がある。生々しく言うと、メディアコストを超えた価値が、こうした仕組みの中で生まれるかもしれないわけ。

当然のことながら、ここでものすごく重要になるのが、"コンテンツが面白いかどうか、話題になるかどうか”だよね。「見っけた!」ってつぶやいてもらわないといけないのだから。

そうするとね、広告がマスメディア時代とはちがった意味だけど、でも「面白いことを企画する」ことにまたなってくるんじゃないかな。生き生きした広告コンテンツが必要になってくるわけ。ただし、いろんなメディア上での面白いこと、なんだけど。WEBだけ、CMだけでものごとを企画していたのでは済まなくなる。

この話はまだまだ続きがあるので、連休の間にまた書こうと思うのだけど、ひとつだけ書き添えると、こうした仕組みの広告制作には、CMづくりと長尺のコンテンツづくりとWEBなどネットメディアのノウハウの合わせ技が必要になる。そんなこと、誰ができるのかな?おや?そういう制作をひとまとめでできるところあるなあ・・・そうそう、あそこあそこ!・・・と意外にここで営業的なことを言うのであった。あっはっは

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2 コメント

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Unknown (hhoshiba)
2010-05-04 09:32:27
「広告」という言葉を使うのなら、その定義をもっと明確にして論じた方がいいと思う。
第一義的に言えば「広告」とはテレビ・ラジオ・雑誌・新聞をメディアにした販促。(advertisingという意味)
それがネット広告、オンライン広告、バナー広告と拡散して使われてしまっているキライはある。(第二義的…)

この図にはどこにも新聞とか雑誌、販促系のポスターとかカンバン(OOH)などのものがこそげてない。

「ソーシャルで広告はいきいきする」のなかの「広告」の範疇にはもはや新聞雑誌などは入ってこないということなのだろうか?(もしそうなら、それはそれでいいのだが…)

あと…yahoo!があってgoogleがないのも少し気になる。
ust、VOD、映画などがないのも気になる。
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まだまだですね・・・ (sakaiosamu)
2010-05-04 10:18:52
「広告」と書いてますが、「広告」とは別のものなのかなと思いつつ、えいやっ、と使ってました。

GoogleとかUstとかも、図に入れるべき?と思いつつ、まだわかんないもんではしょってました。

というポイントを指摘受けたので、うーんこれはもう少し悩まねば、です。

走りながら、整理していこうと思います。(できるのかなあ?)
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