前々回の「iPad雑誌はうまくいかない?」でちょっと意気地なしなことを書いたらいろんな方からコメント欄やTwitterで心配してくれたり励ましてくれたりしてもらった。そこで前回の記事で「まだまだ妄想していこう」と気を取り直して前向きなことを書いたら今度は、元気が出たよとかモチベーション上がったよとか言ってもらえた。なにか、勇気のキャッチボールみたいなことになって、うれしいじゃないか。みなさん、ありがとう。
さてそこでここは、もう一歩勇気な話を書かなきゃと。そうしたらちょうど面白い方とお話できたので、今日はその話を書くよ。
出版社のダイヤモンド社には少なからぬ縁がある。ダイヤモンド社と言えば、TwitterユーザーやAppleファンは最近気になる出版社だと思う。週刊ダイヤモンドの特集がタイムリーな企画を打ちだし、また『もしドラ』の大ヒットでも注目されている。そして電子出版でもちょいと独自な取り組みを展開中。そこで、前々からおつきあいのある方にお願いして、電子出版部門の方をご紹介していただいたのだ。純粋に勉強のためというか取材したかったのね。
書籍編集局のIさん(イニシャルにする必要もないかもしれないけど、いちおう)は、んーとぼくは何を話せばいいの?というムードで登場。でもDreaderの開発の話をお願いしたら、淡々と、でも奥底にある情熱を垣間見せながら語ってくださった。
あ、Dreaderは知ってるでしょ?ダイヤモンド社が独自に開発した電子書籍リーダーアプリだ。よく知らなかったという人は、このリンクで基本説明を読むといい。ぼくはこのDreaderにはかなり驚いた。出版社が、しかも失礼ながら大手とは言えないダイヤモンド社が独自にリーダーアプリを開発したのだから。
前にも説明したけど、テキスト中心の電子書籍には様々なフォーマットがある。世界標準になりつつあるePub形式は縦書きやルビに対応していないので、日本語の電子書籍化には問題がややある。リーダーアプリではボイジャーが開発したT-Timeを採用する出版社が多かったりする。でも出版社が独自に開発した例はいまのところダイヤモンド社だけだ。
開発ストーリーを語るIさんが、楽しそうに(あからさまに楽しそうってわけでもないけれど、楽しさが伝わってくるのだ)話をされるのがまず面白い。こっちまで楽しくなるのだ。
電子書籍への対応を検討するうち、現状の各リーダーアプリには課題もあり、独自に開発しよう、となったのだそうだ。課題というのは、このままじゃ読者が読みやすくないんじゃない?というところ。ここがポイントで、企業としての利益面を気にしたのではなく、読者にとってどうなの?という視点に立っている。
それから、開発を優秀な方にお願いするのだけど、一緒に開発する姿勢で取組んだそうだ。ここも大事なことだと思う。開発者に丸投げしちゃって、ああできましたかそうですか、という態度ではないわけ。開発の方だって最適なインターフェイスをパパッと作り出せるわけではないに決まってる。読者視点でここはもっとこうしよう、などとどんどん意見を出しあっていくべきなのだ。プロにまかせるかどうか、ではなく、一人の読者として読みやすいのか、納得いくのか。
そんな話をしながら、Iさんはぼくに言うのだ。「そうやって読者はどう思うかななんて考えて開発して改良したりするのがね、どんどん面白くなってきちゃってね」
どお?ステキでしょ?どんどん面白くなってきちゃった、んだって。この人面白いなあ、ステキだなあ、とぼくの方も面白がりながら、またここは大事なところだなあ、と思ったんだ。
面白いことが大事。面白がることが大事。面白いことには何かがあり、面白がる心はなんともクリエイティブなことだと思ったんだ。
別の見方をすれば、他のガッカリするアプリや電子書籍の販売形式。どことは名指しはしないけど、あーこれめんどくさいなあ、というアプリ(=売場)には"読者視点"がないのだろう。"面白がる心"が足りないのだろう。開発者に頼んで、あ、できました?という姿勢から生まれたアプリは支持されないだろう。そうじゃなくて、こうなったらもっと読みやすいのかなあ、こういう買い方はめんどくさいのかなあ、などと"妄想"することが大事なんだ。
そして、そんな作業はちっとも苦じゃないのだろう。楽しくて仕方ないのだろう。
電子書籍が今後伸びるんじゃないかとか、iPadは何千万台売れるのなら市場になるなとか、もちろんビジネスとしての視点も重要だけれども、それよりもずっと大事なのが、優先されるべきなのが、面白さ、なのだと思う。
もうひとつ、重要なことも聞いた。「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」を電子書籍で出したら紙の本の売れ行きも加速したのだそうだ。もちろん電子書籍版も大ヒット。電子版が話題づくりに一役かったのだろうし、相乗効果ももたらされたのだろう。
これに似た現象は、前に書いた「電子書籍の衝撃」発売前にも起こった。電子版無料ダウンロードがアマゾンでの予約順位をぐいぐい上昇させたのだ。
「もしドラ」の場合、けっこう勇気ある決断で、紙の方がどんどん売れている最中に電子版を出すのは普通の感覚では躊躇するところだろう。電子版の方は紙の半額くらいなので、損するんじゃないかと。でも実際には正反対の結果が出たのだ。
Iさんのそんな話から、ぼくは楽しさと勇気をもらった。ブログに書いちゃっていいですか、と聞いたら、ぜひぜひ、だったらDreaderのWEBサイトをみなさんに紹介してください、とのこと。ページの左下に"お問い合わせ”があるので、面白いことやりたい人、アプリ開発ができるエンジニアの方、どんどんコンタクトしてきてください、だそうだ。
面白い人と、面白いことやりたい人は、どんどんコンタクトするといいと思うよ。
という、今日の話も、すんごく勇気がわいてくる話じゃない?どおかな?elly(@elllll)さん?
さてそこでここは、もう一歩勇気な話を書かなきゃと。そうしたらちょうど面白い方とお話できたので、今日はその話を書くよ。
出版社のダイヤモンド社には少なからぬ縁がある。ダイヤモンド社と言えば、TwitterユーザーやAppleファンは最近気になる出版社だと思う。週刊ダイヤモンドの特集がタイムリーな企画を打ちだし、また『もしドラ』の大ヒットでも注目されている。そして電子出版でもちょいと独自な取り組みを展開中。そこで、前々からおつきあいのある方にお願いして、電子出版部門の方をご紹介していただいたのだ。純粋に勉強のためというか取材したかったのね。
書籍編集局のIさん(イニシャルにする必要もないかもしれないけど、いちおう)は、んーとぼくは何を話せばいいの?というムードで登場。でもDreaderの開発の話をお願いしたら、淡々と、でも奥底にある情熱を垣間見せながら語ってくださった。
あ、Dreaderは知ってるでしょ?ダイヤモンド社が独自に開発した電子書籍リーダーアプリだ。よく知らなかったという人は、このリンクで基本説明を読むといい。ぼくはこのDreaderにはかなり驚いた。出版社が、しかも失礼ながら大手とは言えないダイヤモンド社が独自にリーダーアプリを開発したのだから。
前にも説明したけど、テキスト中心の電子書籍には様々なフォーマットがある。世界標準になりつつあるePub形式は縦書きやルビに対応していないので、日本語の電子書籍化には問題がややある。リーダーアプリではボイジャーが開発したT-Timeを採用する出版社が多かったりする。でも出版社が独自に開発した例はいまのところダイヤモンド社だけだ。
開発ストーリーを語るIさんが、楽しそうに(あからさまに楽しそうってわけでもないけれど、楽しさが伝わってくるのだ)話をされるのがまず面白い。こっちまで楽しくなるのだ。
電子書籍への対応を検討するうち、現状の各リーダーアプリには課題もあり、独自に開発しよう、となったのだそうだ。課題というのは、このままじゃ読者が読みやすくないんじゃない?というところ。ここがポイントで、企業としての利益面を気にしたのではなく、読者にとってどうなの?という視点に立っている。
それから、開発を優秀な方にお願いするのだけど、一緒に開発する姿勢で取組んだそうだ。ここも大事なことだと思う。開発者に丸投げしちゃって、ああできましたかそうですか、という態度ではないわけ。開発の方だって最適なインターフェイスをパパッと作り出せるわけではないに決まってる。読者視点でここはもっとこうしよう、などとどんどん意見を出しあっていくべきなのだ。プロにまかせるかどうか、ではなく、一人の読者として読みやすいのか、納得いくのか。
そんな話をしながら、Iさんはぼくに言うのだ。「そうやって読者はどう思うかななんて考えて開発して改良したりするのがね、どんどん面白くなってきちゃってね」
どお?ステキでしょ?どんどん面白くなってきちゃった、んだって。この人面白いなあ、ステキだなあ、とぼくの方も面白がりながら、またここは大事なところだなあ、と思ったんだ。
面白いことが大事。面白がることが大事。面白いことには何かがあり、面白がる心はなんともクリエイティブなことだと思ったんだ。
別の見方をすれば、他のガッカリするアプリや電子書籍の販売形式。どことは名指しはしないけど、あーこれめんどくさいなあ、というアプリ(=売場)には"読者視点"がないのだろう。"面白がる心"が足りないのだろう。開発者に頼んで、あ、できました?という姿勢から生まれたアプリは支持されないだろう。そうじゃなくて、こうなったらもっと読みやすいのかなあ、こういう買い方はめんどくさいのかなあ、などと"妄想"することが大事なんだ。
そして、そんな作業はちっとも苦じゃないのだろう。楽しくて仕方ないのだろう。
電子書籍が今後伸びるんじゃないかとか、iPadは何千万台売れるのなら市場になるなとか、もちろんビジネスとしての視点も重要だけれども、それよりもずっと大事なのが、優先されるべきなのが、面白さ、なのだと思う。
もうひとつ、重要なことも聞いた。「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」を電子書籍で出したら紙の本の売れ行きも加速したのだそうだ。もちろん電子書籍版も大ヒット。電子版が話題づくりに一役かったのだろうし、相乗効果ももたらされたのだろう。
これに似た現象は、前に書いた「電子書籍の衝撃」発売前にも起こった。電子版無料ダウンロードがアマゾンでの予約順位をぐいぐい上昇させたのだ。
「もしドラ」の場合、けっこう勇気ある決断で、紙の方がどんどん売れている最中に電子版を出すのは普通の感覚では躊躇するところだろう。電子版の方は紙の半額くらいなので、損するんじゃないかと。でも実際には正反対の結果が出たのだ。
Iさんのそんな話から、ぼくは楽しさと勇気をもらった。ブログに書いちゃっていいですか、と聞いたら、ぜひぜひ、だったらDreaderのWEBサイトをみなさんに紹介してください、とのこと。ページの左下に"お問い合わせ”があるので、面白いことやりたい人、アプリ開発ができるエンジニアの方、どんどんコンタクトしてきてください、だそうだ。
面白い人と、面白いことやりたい人は、どんどんコンタクトするといいと思うよ。
という、今日の話も、すんごく勇気がわいてくる話じゃない?どおかな?elly(@elllll)さん?
もちろんそうでないものもあるのですが。
主にテキストベースである書籍分野においては、内容が良ければ見せ方には大差がないので紙や電子端末等の色んな媒体でリリースした方が読者の細かなニーズに対応できるし相互の相乗効果も期待でき、結果、売れると。
なお、見せ方もコンテンツの重要な一部となるようなものは、見せ方が良くないと売れない事態もあるんでしょうね。
(紙の雑誌は売れたが、下手にリッチな電子版をリリースしたら緩慢な動作が不評で売れなかった、とか)
10か条、ほとんど網羅。
でも、私は、
本のスクラップブック化を
おっさんたちは、やりたいはずで、
それが、
リーダーのアドオンなのか、
evernoteというアプリ連携なのか知らないが、
スタイラスで、作業したいと思ってて、
そのインターフェースを作り上げたいんで。
なのに、ゾマホンが、スタイラスよこさないから。笑
日経からこういうアプリは、生まれないね。
Iさんも「プロダクトアウトじゃダメですよね」と言ってました。出す側の都合だけでつくっても、使ってもらえませんよね。
cotton_swabさん、こんにちは。
テキスト中心のコンテンツは、いろんな端末向けの見せ方ができる。だからこそ、それぞれでどう見せるか、大事ですね。
higekuma3さん、辛口なのにめずらしく「いまの時点ではベスト」だと。
ゾマホンって何のことかはhigekuma3のブログを読めばわかる(笑)