琴欧洲(上)に寄り倒しで敗れた把瑠都=近藤誠撮影
大相撲春場所11日目(21日・大阪府立体育会館)――連覇を狙う場所の最初の横綱、大関戦で痛すぎる星を落とした把瑠都。
よほどショックが大きかったのだろう。負け残りの土俵下で終始視線を落とし、支度部屋でも、慌てて口に含んだ水がボタボタとこぼれ落ちた。
大関在位37場所の琴欧洲は左前まわしが早く、頭をつけて必死に攻めてきた。右からの押っつけが厳しく、把瑠都は、得意の左上手も封じられた。上体が浮き上がり、何とか左をこじ入れようとしたが、休まず出られて万事休す。苦し紛れの首投げもすっぽ抜け、「失敗した」と悔やんだ。
ここまで「一日一番」と平静を装ってきた把瑠都だが、やはり重圧は高まっていたのだろう。「もろ差しを狙った」という立ち合いから、相撲が後手に回っていたのも「気持ちばかりが先走っていた」と認めた焦りからだ。朝日山審判長(元大関大受)も「負けられないという意識があったね」と指摘した。
優勝争いから一歩後退し、北の湖理事長は「この1敗が後々、響いてくるんじゃないか」と厳しい見方をした。「頑張ります」と気持ちを奮い立たせた把瑠都。もう負けられない崖っ縁に立たされたが、歴代の横綱は、そんな苦境を乗り越えてきた。(佐藤毅)
(2012年3月21日22時02分
読売新聞)
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