「最終的に戻るのはDJ」と語るファットボーイ・スリムことノーマン・クック(写真・KOTARO)
「世界一のパーティーDJ」などと言われる英国出身のファットボーイ・スリムことノーマン・クックが、イベントのため来日した。
過去の代表曲を集めた「ベスト・オブ・アット・ザ・ビーチ」(ソニー)も出ている。ダンスミュージックの第一人者であることを納得させる、高揚感に満ちた一枚だ。
さまざまなミュージシャンが参加し、毎年この時期に行われている「ビッグビーチ・フェスティバル」。今年は4日、千葉・幕張の浜辺で行われた。開放的な雰囲気の中、集まった約2万人が強烈なビートに体を揺らし、ノーマンも会場を大いに沸かせていた。「場所もいいし、お客さんのノリもいい。パーティーは英国以上に盛り上がるよ」
10代からDJを始めた。1980年代半ばには、全英1位に輝いたバンド、ハウスマーティンズのベーシストとして活躍した。その後、ドラムマシンなど電子音楽の機材を使い出した。「音楽を自分で作れるようになったから、もうバンドをやらなくてもいいかな、と思った」
ファットボーイ・スリムとしては、98年に出した「ロングウェイ・ベイビー!!」が全英1位になった。収録曲「ライト・ヒア、ライト・ナウ」は日本でCMに使われた。リズムを前面に出しながらも、覚えやすいフレーズを生かした曲作りが光る。「子供の頃に聴いていたビートルズから、パンク、ラップ、ハウスと様々な音楽が頭の中にある。だから、自然とこういう音が出てくる」
昨年は、米国の奇才、デイヴィッド・バーンとの共作アルバム「ヒア・ライズ・ラヴ」(ワーナー)も出した。フィリピンのイメルダ・マルコス元大統領夫人と、彼女の幼少期に仕えた女性の人生を題材にした壮大な2枚組み作品。シンディ・ローパーら様々な歌手も参加している。
「イメルダがダンス音楽を楽しんでいたという話があり、その要素を入れたいと、デイヴィッドが電話してきた。彼が歌詞を書き、それに合う音を作り上げた。デイヴィッドは個人的にヒーローだったから、うれしかった。これまでと異なる方向にも行ける、自信も持てた」。現在は世界中のパーティーを駆けめぐる毎日。果たして次は何を聴かせてくれるだろう。(桜井学)
(2011年6月16日
読売新聞)
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