≪壮大な世界で展開されるミステリー≫
世界設定に驚きがあった「赤の円環」で、第5回C・NOVELS大賞特別賞を獲得した涼原みなとの新作は、中世の欧州を思わせる世界が舞台のミステリー。
農地で男の死体を見つけた村人は、地霊のしわざとおびえたが、優秀ながら女性問題を起こして、地方に追いやられた僧のリュートガルトと、新任郡長官のイシン・ハガイは、誰かに殺されたものと断じて調査に乗り出す。
迫害された民族の血を引くハガイへの複雑な視線が、物語世界の持つ奥深さを感じさせる。
主人公をかえながら連作として続くシリーズから、物語世界の持つ壮大さを楽しもう。
中央公論新社、945円。
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