次年浸透安堵しょう。
(安藤昌益(しょうえき))(自然真営道(しねんしんえいどう))
[ポイント]
1.安藤昌益は、『自然真営道』を著す。
[解説]
1.安藤昌益(?~1762)は、八戸在住の医者を業とする思想家。いかなる学派にも属さず、儒教・神道・仏教を批判し、独創的な思想を展開。『自然真営道』で万人直耕作の世の平等社会(自然世(しぜんのよ))を理想とし、生産に従事しない武士が農民を収奪して生活することを批判(封建制批判)した。この書は江戸時代、公に出版されたものではなく、禁断の書として人から人へ秘密裡に読まれたものと思われる。その証拠に、200年以上時代を経た明治時代(1899年(明治32))に、八戸から遠い奥州街道の端、東京上野の古本屋で発見されたことからもうかがえる。発見者は、異端の思想家狩野亨吉(かのうこうきち)(1865~1942、のち京都帝大文科大学初代学長)。この書は非常に回りくどくて真意がとらえにくく、発見者が狩野でなかったらうち捨てられていた可能性はきわめて高い。この反逆の書は、軍国的な潮流の中でふたたび忘れられていった。しかし第二次世界大戦後、カナダ人外交官にして日本史学者のE・H・ノーマン(1909~57)により「忘れられた思想家」として再評価されたことにより広く知られるようになる。江戸時代の厳しい封建社会の中で、このような平等社会を唱える思想家を産んだということは、日本人の高い思想的到達点を示す。これこそが、江戸時代、世間に知られていない本書がなぜ日本歴史上で重要視されるのかの意味である。
〈2016早大・文化構想
近世にはいって儒学が興隆すると、その合理的思想にもとづいて歴史書の編集がすすめられた。宋の歴史書にならった『[ A ]』が幕府の命令で編纂され、水戸藩では歴史書の編簒事業から独自の学風がおこった。また、新井白石は歴史研究にも重要な業績をのこした。他方、万人がみずから耕作して生活する世を理想とする『[ B ]』もあらわれ、支配者が民衆を搾取する社会を否定する歴史観を示した。
問2 空欄Aに該当する著作は何か。記述解答用紙の解答欄に漢字で記入しなさい。
問5 空欄Bに該当する著作は何か。記述解答用紙の解答欄に漢字で記入しなさい。」
(答:A本朝通鑑、B自然真営道)〉
〈2016法大・法(政法)国際キャリア
問8 江戸時代の歴史に名を残している知識人には医業を営んだ人が少なくない。しかし、[ ]は医者ではない。
ア 安藤昌益 イ杉田玄白 ウ渡辺崋山
エ 高野長英 オシーボルト カ本居宣長」
(答:ウ)〉
〈2015早大・人間科学
問3 下線部aに関連して、武士が年貢を収奪する社会を批判し、農本主義の平等社会を唱えた著書はどれか、1つ選べ。もし該当するものがなければ、カを選べ。
ア『自然真営道』 イ『老農夜話』
ウ『夢の代』 エ『農政本論』
オ『経世秘策』」
(答:ア)〉
〈2014立教大・現心コミュ福祉観光営
問7.この社会の身分制を批判した自然真営道の著者は誰か。次のa~dから1つ選べ。
a安藤昌益 b富永仲基
c三浦梅園 d山片蟠桃
(答:a)〉
〈2012早大・政経
問ⅴ 下線部6(津軽と南部)で医業を営み,後に大館で没した、「万人直耕」を理想とした人物の著作はどれか。
a稽古談 b夢の代 c価原
d自然真営道 e宇内混同秘策」
(答:d)
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