嘶こ春子キンキンと。
(金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ))(鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち))(恋川春町(こいかわはるまち))(黄表紙)
[ポイント]
1.寛政期の文学、恋川春町の代表作は、黄表紙の『金々先生栄花夢』『鸚鵡返文武二道』。
[解説]
1.恋川春町(1744~89)は武士の出身で、駿河国小島藩に出仕、小禄に始まり最後は重職の120石にまで出世した。恋川春町は江戸藩邸が小石川春日町にあったことからつけたペンネーム。
2.『金々先生栄華夢』(1775)は、黄表紙の始まりとされる作品。中国の説話、栄耀栄華(えいようえいが)も一炊(いっすい)の夢にすぎないという「邯鄲(かんたん)の夢」を下敷きにしている。主人公の金村屋金兵衛が、金持ちの養子に入り放蕩三昧(ほうとうざんまい)にふけった挙げ句、勘当されてしまう夢を見る。そのため栄華の空しさに気づき国へ帰る、というストーリー。
3.晩年の黄表紙『鸚鵡返文武二道』(1788)では、松平定信の文武奨励策を、舞台を醍醐天皇の古代に置き換えて過激に風刺した。これを問題視した定信に、1789年(寛政元年)、出頭を命じられるが、春町は病気として出頭せずそのまま隠居し、同年に死去した。自殺説もある。
〈2015明大・商:「
なかにはB『【1鸚鵡返文武二道 2的中地本問屋 3春色梅児誉美 4江戸生艶気樺焼 5好色一代女】』で知られる山東京伝のように自ら小間物・売薬店を営み、自分の商品をたびたび自作に登場させることで宣伝広告に邁進する作家もいた。」
(答:4)〉
〈2014立大・現代心理・コミュ福祉・経営:「
問13.これ(寛政の改革)に関する記述として正しいのはどれか。次のa~dから1つ選べ。
a.恋川春町が著した『偐紫田舎源氏』が刊行され、人気を博した。
b.須原屋茂兵衛が版元となって、喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵が出された。
c.地方の有名寺社が江戸で行った居開帳には、露店などが建ち並んだ。
d.都市の民衆は、寄席で演じられる落語や講談などを楽しんだ」
(答:d〇江戸を中心に、都市文化が開花した。芝居小屋や見世物小屋、講談・落語・曲芸などを演じる寄席があり、銭湯や髪結床も庶民の交流と娯楽の場となった。 ※a×『偐紫田舎源氏』は柳亭種彦の作、b×須原屋茂兵衛は武鑑や地図が専門、浮世絵売買は蔦屋重三郎、c×居開帳は自分の寺社でおこなうもの。地方の寺社が出張して行なう開帳は出開帳)〉
〈2013青山学院・文:「
問10(3)幕府は下線部(松平定信の)f思想言論統制について、風俗の刷新や幕政への風刺・批判を取り締まるため出版統制令を出した。このとき弾圧された人物として誤っているものを一つ選べ。
1.林子平 2.山東京伝
3.高野長英 4.恋川春町」
(答:3)〉
〈2004大学入試センター追試:「
問5.下線部1風俗統制に関連して述べた次の文a~dについて、正しいものの組合せを、下の1~4のうちから一つ選べ。
a.恋川春町の代表的な黄表紙に、『金々先生栄華(花)夢』がある。
b.恋川春町の代表的な黄表紙に、『春色梅児誉美(暦)』がある。
c.柳亭種彦は、寛政改革の風俗統制を受けて処罰された。
d.山東京伝は、寛政改革の風俗統制を受けて処罰された。
1a・c 2a・d
3b・c 4b・d」
(答:2)
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