否むや雨月秋に読み。
1768年 『雨月物語』上田秋成(うえだあきなり))(読本
[ポイント]
1.上田秋成の代表作は、読本の『雨月物語』。
[解説]
1.文化期には、滑稽本や人情本など絵入りの本の系統に対し、文章主体の小説で歴史や伝説を題材にした読本(よみほん)には、大坂の上田秋成(1734~1809)に始まり、江戸の曲亭馬琴(きょくていばきん)(1767~1848)がでて、評判を得た。
2.上田秋成は、大阪生まれの歌人、国学者、読本作家。代表作『雨月物語』(1768年刊)ほか旺盛な著作活動をおこなった。作家活動の傍ら医師としての修行もおこない、大坂尼崎で町医者を開業。同時代の本居宣長とその皇国主義を批判する論争もおこなうなど多彩な活動をおこなった。
3.代表作の『雨月物語』は、短編小説(「浅茅が宿(あさじがやど)」など)集。怪談の形式で怪異な世界を描きつつ、人間の本質の迫っている点で、文学的に高く評価されている。佐藤春夫、三島由紀夫など、後世の近代作家たちに影響を与えた。
〈2013同志社大学・文経済:「
【設問e】下線部e上方の浮世草子作者に関して、井原西鶴より約100年遅れて同じ大坂で浮世草子を書き、その後『雨月物語』など読本の作者としても知られた人物名を漢字で記せ。」
(答:上田秋成)〉
〈2012同志社・神商心理:「
問オ.『源氏物語』を借り、時代を異にして江戸幕府大奥の実情を描写したともいわれる『偐紫田舎源氏』の著者名を選べ。
1.柳亭種彦 2.上田秋成
3.為永春水 4.恋川春町
(答:1)〉
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