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<北方領土>解決策に「面積分割」案 日露探り合いか
1月3日3時2分配信 毎日新聞
北方領土をめぐる日本・ロシア両政府の交渉で、4島返還か2島(歯舞、色丹)返還かという従来の原則的立場を超え、新たな考え方で解決を探る動きが出てきた。ロシアのデニソフ第1外務次官が昨年11月、モスクワで公明党の太田昭宏代表と会談した際、ロシアと中国が05年、帰属が確定していなかった国境の島を面積で折半して領土問題を解決した経験を自ら披露していたことが明らかになったためだ。1月下旬にも日露両国外務次官による「日露戦略対話」の初会合が行われるが、ロシア側の責任者の発言だけに、注目される。
~略~
<北方領土>解決策に「面積分割」案 日露探り合いか (毎日新聞-Yahoo!ニュース-2007年1月3日付)
--------------------引用終わり--------------------
先ごろ麻生大臣が言及した”北方領土面積分割論”にロシア側交換から言及があった。ロシアは中国と紛争になっていたアムール川流域における国境線確定の為の交渉で紛争となった3つの中洲について2つについては、中洲を二等分し、残りを中国側の帰属とすることで合意した事例がある。今回のロシアの高官の発言はこの事例を踏まえての発言の模様である。今のところ日本側も、ロシア側も北方領土を面積等分する案に対し積極的な動きを示していないが、これを糸口に合意形成を図る雰囲気作りが行える可能性が出てきた。
北方領土をめぐる問題は歴史的経緯の複雑さとその見方の違いに端を発する。日本側の立場は第二次大戦間際に旧ソ連によって奪取されたのでありサンフランシスコ条約でも放棄していないという立場であり、ロシア側の立場はサンフランシスコ条約によって領有権の放棄された領土を旧ソ連が領有したという立場である。このように日露の北方領土領有権に対する立場は大きく違い、なかなかその溝を埋めるいうことができなかった。しかし中国と行った面積分割という手法ではそれまでの歴史経緯にはほとんど触れずに、合意を形成できたという実績がある。このため、日露双方に歩み寄る余地を提供しうる案である。原則4島返還論をとる日本政府ではあるが、現状では4島が平和裏に日本側に変換される可能性はまったくないと言ってよく、場合によっては、この案を受け入れる検討をしてもよいのではないのだろうか?というのは近年の日本周辺の状況から考えて、ロシア側と友好的な関係を築くことは急務の課題であり、ロシア側と紛争状態を続けることは望ましいことではない。中国はロシアと関係改善を進めており、シベリアの天然ガス等の資源を獲得しつつある。さらに関係改善を深めれば、日本と中国との安全保障上の問題が生じた場合、ロシアが中国側にたち日本が孤立させられる可能性も否定できない。その傾向は国連における北朝鮮制裁問題の取り扱いにおいて、その萌芽がうかがわれる。また、樺太の天然ガス開発におけるロシアの強硬な対応を見る限り、ロシア側が領土問題で日本に対し何らかの形で妥協し、日本の4島返還論を受け入れる素地はまったくないと思われる。
この問題はできるだけ早く解決し、中国と日本との間に万が一の事態が起きたときに少なくともロシアが中国と距離を置くような立場に持っていかなければならない。確かに安易な妥協は他の領土紛争当事国との間で日本側の不利になる可能性があるので十分検討しなければならないが、アメリカの軍事力による一極支配が弱まりつつある今、新たな安全保障上の連携先ついて検討しなければならないだろう。そのための選択肢をこの領土の返還論が一助となるかもしれない。
参考:北方領土(wikipedia)
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<北方領土>解決策に「面積分割」案 日露探り合いか
1月3日3時2分配信 毎日新聞
北方領土をめぐる日本・ロシア両政府の交渉で、4島返還か2島(歯舞、色丹)返還かという従来の原則的立場を超え、新たな考え方で解決を探る動きが出てきた。ロシアのデニソフ第1外務次官が昨年11月、モスクワで公明党の太田昭宏代表と会談した際、ロシアと中国が05年、帰属が確定していなかった国境の島を面積で折半して領土問題を解決した経験を自ら披露していたことが明らかになったためだ。1月下旬にも日露両国外務次官による「日露戦略対話」の初会合が行われるが、ロシア側の責任者の発言だけに、注目される。
~略~
<北方領土>解決策に「面積分割」案 日露探り合いか (毎日新聞-Yahoo!ニュース-2007年1月3日付)
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先ごろ麻生大臣が言及した”北方領土面積分割論”にロシア側交換から言及があった。ロシアは中国と紛争になっていたアムール川流域における国境線確定の為の交渉で紛争となった3つの中洲について2つについては、中洲を二等分し、残りを中国側の帰属とすることで合意した事例がある。今回のロシアの高官の発言はこの事例を踏まえての発言の模様である。今のところ日本側も、ロシア側も北方領土を面積等分する案に対し積極的な動きを示していないが、これを糸口に合意形成を図る雰囲気作りが行える可能性が出てきた。
北方領土をめぐる問題は歴史的経緯の複雑さとその見方の違いに端を発する。日本側の立場は第二次大戦間際に旧ソ連によって奪取されたのでありサンフランシスコ条約でも放棄していないという立場であり、ロシア側の立場はサンフランシスコ条約によって領有権の放棄された領土を旧ソ連が領有したという立場である。このように日露の北方領土領有権に対する立場は大きく違い、なかなかその溝を埋めるいうことができなかった。しかし中国と行った面積分割という手法ではそれまでの歴史経緯にはほとんど触れずに、合意を形成できたという実績がある。このため、日露双方に歩み寄る余地を提供しうる案である。原則4島返還論をとる日本政府ではあるが、現状では4島が平和裏に日本側に変換される可能性はまったくないと言ってよく、場合によっては、この案を受け入れる検討をしてもよいのではないのだろうか?というのは近年の日本周辺の状況から考えて、ロシア側と友好的な関係を築くことは急務の課題であり、ロシア側と紛争状態を続けることは望ましいことではない。中国はロシアと関係改善を進めており、シベリアの天然ガス等の資源を獲得しつつある。さらに関係改善を深めれば、日本と中国との安全保障上の問題が生じた場合、ロシアが中国側にたち日本が孤立させられる可能性も否定できない。その傾向は国連における北朝鮮制裁問題の取り扱いにおいて、その萌芽がうかがわれる。また、樺太の天然ガス開発におけるロシアの強硬な対応を見る限り、ロシア側が領土問題で日本に対し何らかの形で妥協し、日本の4島返還論を受け入れる素地はまったくないと思われる。
この問題はできるだけ早く解決し、中国と日本との間に万が一の事態が起きたときに少なくともロシアが中国と距離を置くような立場に持っていかなければならない。確かに安易な妥協は他の領土紛争当事国との間で日本側の不利になる可能性があるので十分検討しなければならないが、アメリカの軍事力による一極支配が弱まりつつある今、新たな安全保障上の連携先ついて検討しなければならないだろう。そのための選択肢をこの領土の返還論が一助となるかもしれない。
参考:北方領土(wikipedia)
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