クルス・オ・ソレイユ(course au soleil)、「太陽へのレース」という愛称がジョークかと思わせるように、雨や雪に見舞われている今年のパリ~ニース。本来クイーンステージになるはずだった第7ステージは雪の影響でコースが短縮され、ヨルゲンソンの連覇が濃厚になっています。

昨年と異なりヴィンゲゴーとヨルゲンソンのWエース体制で必勝を期して来たヴィスマ・リアースバイクが第3ステージのチームTTから全開モードで、他チームを圧倒します。荒天で一時中断した第4ステージでは満を持して飛び出したヴィンゲゴーをUAEチーム・エミュレーツのアルメイダがゴール前50mで交わすという驚きの展開になり、その負けを引きずったかのように集中力を欠いたヴィンゲゴーが翌日に落車リタイヤになってしまいます。

UAEにチャンス到来かと思われたのですが、第6ステージでヴィスマの横風分断作戦にまんまと嵌り、ヨルゲンソンに大きなタイム差を与えてしまいます。ティレノとは異なり、ツールでポガチャルのアシストを担う中堅からベテランで組まれたメンバーには今回の寒さが予想以上に応えたのでしょう。

兎に角今年のパリニースは寒さが厳しく、表彰台で防寒具を着用した選手が震えているほどなのです。特に体脂肪率が低いロードレーサーにとって寒さは大敵なのです。必要以上に体脂肪がある私でも雪が消え残る春先は寒くて仕方がありません。まして、体脂肪率が一桁の選手たちならなおさらでしょう。それでもヨーロッパのプロ選手は寒さに強いはずなのですが、今年のパリ~ニースは異常なようです。

そんな中総合トップ3の年齢を見てみると、ヨルゲンソン25歳、リポヴィッツ24歳、アレンスマン25歳と若い選手の活躍が顕著です。トップ10を見渡しても最年長がこのステージの優勝者ストーラーの28歳です。UAEのアルメイダは老けて見えますが、ポガチャルと同じ26歳なのです。若い人は寒さに強いのでしょう。

今回のUAEのメンバーはツールでのアシストを担う可能性が高く、暑さには強い選手が多かったことが今回の結果に繋がってしまったのではないでしょうか?逆にヨルゲンソンやマッズ・ピーダスンは寒さにはめっぽう強よそうな感じでした。彼らがこのまま真夏のツールでも活躍できるとは限らないのがロードレースの面白いところなのです。UAEは寒さを考慮して選手に無理をさせていない可能性もあるのです。

雪の影響で距離が短縮された第7ステージはタイム差もあり、多人数の逃げからチューダー・プロサイクリングのマイケル・ストーラーが逃げ切る展開となりました。2位はジェイコ・アウルーラのマウロ・シュミット、3位に昨年のジロでステージ優勝を飾っているEFエデュケーション・イージーポストのゲオルグ・シュタインハウザーが入っています。
今季、マルク・ヒルシやジュリアン・アラフィリップの加入で戦力アップしたチューダーですが、ワールドチームではないので今年のツールの出場がまだ決まっていないのです。A.S.O主催の大会でのステージ優勝はツールに向けての絶好のアピールになったはずですが、ツールは地元チームを優先する傾向が強いので、厳しい状況にあることは間違いないでしょう。