ミラノ~サンレモの熱戦から1週間、ポガチャルの強烈なアタックに耐えて勝利したマチュー・ファンデルプールがE3サクソ・クラシックも圧巻の強さで連覇達成です。昨年も春先は絶好調で、E3からロンド・ファン・フラーデレン、パリ~ルーベと勝ち続けたマチューが、ミラノ~サンレモでポガチャルを負かしたことで自信に満ち溢れているようでした。ガンナ同様マチューもかなり身体を絞り、登れるようになっています。

残り39kmからアタックし、2年連続の独走勝利で2位マッズ・ピーダスンに1分5秒、今季絶好調のフィリッポ・ガンナは3位と健闘するも、2分4秒もの差を付けられているのです。本来ならこのレースにはポガチャルが出場し、マチューは回避する予定だったのですが、ポガチャルが今季のスケジュールを改め、パリ~ルーベ参戦を決めたことで、このレースはスキップ。ミラノ~サンレモで調子が良かったマチューが急遽参戦という流れの中での結果です。ただ、ポガチャルとの再戦は来週のロンド・ファン・フラーデレンで実現します。

登り勾配のキツイロンドではポガチャル有利と見ていますが、あのチプレッサでポガチャルにしぶとく食らい付いたマチューの姿を見れば、今季のマチューは最強なのかもしれないとも思えてしまうのです。昨年はWツールを狙うポガチャルがロンドをスキップしているのですが、2023年は粘るマチューを振り切り初優勝を飾っています。

加えて、負けず嫌いのポガチャルがミラノ~サンレモの借りを返そうと全力で向かってくるはずです。ミラノ~サンレモのポガチャルの敗因はチプレッサでマチューを引き離せなかったことでしょう。いつものポガチャルなら、最悪でも最後のポッジオでマチューを千切る脚は持っていたはず。それが、最後はマチューに前に出られているので、この段階で相当脚を使っていたことが推測されます。

チプレッサこそ登坂記録を更新したものの、ポッジオのタイムは昨年より遅かったのです。出力もポガチャルにしては物足りないものでした。これが、ストラーデビアンケでの落車の影響なのか、Y1Rsというバイクの重量のせいなのかは不明ですが、本来のポガチャルの走りではなかったように私には見えました。