京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」/金子哲雄

2014-03-09 | Book

「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」
金子哲雄(小学館)

 

  図書館で予約してから約半年、ようやく順番が回って来ました。
 
 あの愛嬌のある顔で、少し舌っ足らな話し方をするTVで特異な光を放っていた
 流通ジャーナリストの金子哲雄さん。
 突然、画面から消えたと思ったら、訃報が届いた。
 「肺カルチノイド」という急性の難病により突然の余命宣告を受けたそうだ。
 まだまだ働き盛りの41歳だったそうだ。

 死期を悟った金子さんは、文字通り仕事と治療を続けながら、なるべくその
 ラウフスタイルを崩さず、ごく近しい人にしか病気のことも伝えず、
 更には、死を前に、自分の葬儀まで自分でプロデュース。 
 自らのデンディングノートを綴った過程は、まさに以前映画で観た砂田知昭の
 『エンディングノート』、そのものだった。

 「余命0」宣告を受け入れてから500日もの間、生き永らえた主因はやはり
 奥さんとのコミュニケーションと共に過ごした闘病生活、そして何よりも仕事が
 できる喜びと生甲斐だったという。
 流通ジャーナリストとしての仕事に加え、自分と同じ病を何とか少しでも救えないかと
 あるいは地域医療に発展に貢献したいと、自らの病を顧みず、社会貢献を願って
 努力していたという。

 読み終えて決して涙が出るものではなかった。
 それはむしろ不謹慎な言い方かもしれないが、凄い活力と生きるパワーを
 分けてもらえた気がした。
 闘病生活の辛さは当人でなければ計り知れない。 だが彼はあまりその点には
 触れていない。 むしろ戦友の奥様のあとがきに見て取れる。

 最後は近しい人に送ってほしい。 誰も異論を述べる人はいないと思う。
 改めて、残される人への愛情を込めて、「エンディングノート」を認めないとと思った。


 【目 次】
  第1章 流通ジャーナリストと名乗って
    数学の勉強はやめる―高2の決断
    石の上には1年でいい―腰かけ会社員生活、他
  第2章 昼も夜も時間が足りない
    一致した「嫌い」―妻が最初の視聴者
    女性週刊誌からテレビへ―競争相手の少ない世界、他
  第3章 発病。あふれてしまう涙
    9センチの腫瘍―病院で門前払い
    「咳、おつらかったでしょう」―仕事と治療と、他
  第4章 最後の仕事は死の準備
    長びく肺炎―最後のラジオ出演
    東京タワーの足下に―葬儀の準備、他

  金子さん、きっと空の上で自由にスーパーを飛び回っていることだろうなぁ(笑)
  


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