京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『アンコール!!』

2013-07-18 | 洋画


□作品オフィシャルサイト 「アンコール!!

□監督・脚本 ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
□キャスト テレンス・スタンプ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジェマ・アータートン
       クリストファー・エクルストン

■鑑賞日 6月13日(土)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

  TOHOシネマズ・フリーパスポート2本目。
  マリオン&アーサー、そして「年金ズ」に泣かされてしまったこの映画。

 も~ぉ、渋い
テレンス・スタンプ&ヴァネッサ・レッドグレーヴが熟年夫婦を演じるとあらば、
 この二人の演技を早く観たいと思いながら、タイミングがなかなか合わなかった作品です。 

 ロンドンに暮らす72歳のアーサー(テレンス・スタンプ)は寡黙で気難しい性格のいわゆる
 頑固オヤジ。 それゆえ、息子との関係も決してうまくいっていなかった。
 そんなアーサーの唯一の心の拠り所は最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)
 だけだった。 病弱の身でありながら明るく社交的なマリオンは、「年金ズ」という名の
 老人ばかりの合唱団で歌うことをとても楽しみにしていた。 あるとき、この「年金ズ」は
 国際コンクールのオーディションに挑戦することになる。 しかしながら、折りしもマリオンの
 癌が再発してしまう。 練習に行かれなくなってしまったマリオンの懇願で、アーサーが
 代わりに合唱団に参加することになるが、一筋縄ではいかないアーサーのこと、仲間に
 入るにはそれ相当の苦難があったが、その様子を時にコミカルに、時に涙を誘いながら、
 「年金ズ」は大きな勲章を手中にすることになる。

 余命いくばくかになったマリオン。 一番近くにいて最愛の彼女を失うことは、自分の命を
 失うよりも辛く痛い。 「年金ズ」の練習に行くこともも、参加することも、声を出して歌う
 ことも、全てがアーサーには試練。 だが、愛するマリオンのために、少しずつ自分から歩み
 寄る ようになってくる。 ここで色んな意味で潤滑油となってアーサーの世話をみるのが、
 「年金ズ」でマリオンを良く知る音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)。 彼女の
 献身的とも言える説得に徐々にアーサーも心を開く。 逆に娘のような年齢の開きにも係らず、
 エリザベスもまたアーサーに心の内を明かすのである。 合唱団の歌を建物の窓から
 漏れ聴きながらも頑なだった心を開いたのは、もちろんマリオンでもあるのだが、この
 エリザベスの存在も大きかった。 このエリザベスを演じたジェマ・アータートンだが、
 この映画では何となくどこにでもいそうな感じの女優さんに見受けられたが、実は彼女、
 『007 慰めの報酬』でボンドガール(ストロベリー・フィールズ)に起用されている。

 マリオンの死は意外にあっけなく描かれていて、もう少し時間をかけてほしいと思ったが、
 逆に淡々と描かれていたからこそ、合唱団の彼女に対する愛情や、アーサーへの理解に
 繋がっていったのかもしれない。

 主役を演じたテレンス・スタンプは、この映画の父・息子関係のように、自身も同様の経験を
 持っていたそうだ。 アーサーと実年齢で近いスタンプは、当時の親子関係を思い出しながら、
 演技をしていたようだ。 最後にアーサーがソロで歌うパートがあり、このためにスタンプは
 ボイストレーナーと短時間でトレーニングをしたというが、まさかと思うほど、心に染み入る
 歌声で驚いた。 スタンプは若い頃から発声練習を欠かさなかったという。 その成果が、
 この映画のラストシーンにも繋がったのかもしれない。
 今までの自分以外の係った全ての人たちへの懺悔と、マリオンへの愛情を全て注ぎ込んだ
 魂の歌声だったのかもしれない。 その歌声はきっと天国のマリオンにも届いたことだろう。
 少し内容は違うが『カルテット!人生のオペラハウス』に通じる何かがあったような気がした。 


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10 コメント

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老後 (mayumi)
2013-07-18 07:57:43
最近、老後を描いた作品が多くみられますね。
昨年秋、娘と観た『みんなで一緒に暮らしたら』(ジェーン・フォンダ主演)以来、
なにかにつけ観ています。
『みんなで...』を始め 共同生活を描いた『マリーゴールドホテルへようこそ』
『カルテット!人生のオペラハウス』。
そして 夫婦・親子を描いた今作や『愛、アムール』... みなそれぞれ味わい深く、
お年寄りを描いているだけでも なかなか面白いのだけど、そんな中にあって
『アンコール!!』は 誰の心にも響く映画の様に思います。
ホント、沢山の人に観て欲しい☆

そうそう、「カルテット」といえば、『25年目の弦楽四重奏』も公開中で、
気になっているのですが、ん~~ 観に行けるかしら...。
返信する
老人テーマ~ (cyaz)
2013-07-18 08:27:09
mayumiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>最近、老後を描いた作品が多くみられますね。
そうですね^^

>『みんなで...』を始め 共同生活を描いた『マリーゴールドホテルへようこそ』『カルテット!人生のオペラハウス』。
『マリーゴールド~』は残念ながら未見です。
『カルテット』は良かったですね!

>そして 夫婦・親子を描いた今作や『愛、アムール』... 
この作品は僕にはちょっとピンとこなかった作品でした。

>お年寄りを描いているだけでも なかなか面白いのだけど、
そんな中にあって『アンコール!!』は 誰の心にも響く映画の様に思います。
ホント、沢山の人に観て欲しい☆
仰る通りだと思います。
ダスティンの優しさがそのまま作品に反映しているような
派手さはないけど秀逸な作品でした。
返信する
TBありがとうございました (シスターみみっく)
2013-07-20 11:15:00
盛岡はまだ上映予定がないんですよね。
早く観たいです~泣
返信する
ぜひ~ (cyaz)
2013-07-20 21:12:38
シスターみみっくさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>盛岡はまだ上映予定がないんですよね。早く観たいです~泣
そうだったんですか?すみませんm(__)m
ぜひ、上映されたらご覧くださいね!
返信する
ご無沙汰で~す。 (ryoko)
2013-07-24 01:52:59
お久しぶりです。
泣きました~。
最近父が亡くなり母が一人になったので、何だかシンクロしてしまって・・・うちの父は頑固でしたが話をするのが好きなお茶目な人でした。

テレンス、歌上手いですね~。ふたりのソロの選曲もピッタリで、素敵でした。
頑固者の夫を残して逝く妻、残される夫の心情溢れる切ないストーリーを、音楽が昇華してくれました。
エリザベス役のジェマ・アータートンはボンドガールだったのですね。私は「聖トリニアンズ女学院」のクールなイメージの方が強かったです。彼女もとてもよかったですね。
返信する
シンクロ~ (cyaz)
2013-07-24 08:28:36
ryokoさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>最近父が亡くなり母が一人になったので、何だかシンクロしてしまって・・・うちの父は頑固でしたが話をするのが好きなお茶目な人でした。
それはご愁傷様でしたm(__)m
うちの両親も認知症で、最近は唯一の話し相手なのに、
口を開くとケンカばかりで・・・。

>テレンス、歌上手いですね~。ふたりのソロの選曲もピッタリで、素敵でした。
そうでしたね^^ 一番の見せ場でした!

>頑固者の夫を残して逝く妻、残される夫の心情溢れる切ないストーリーを、音楽が昇華してくれました。
派手さはないのですが、じっくり心に染み入りました。

>エリザベス役のジェマ・アータートンはボンドガールだったのですね。私は「聖トリニアンズ女学院」のクールなイメージの方が強かったです。彼女もとてもよかったですね。
僕もボンドガールだったことはあとから知ったんですよ(汗)
返信する
むっちゃ泣きました~~~。 (Ageha)
2013-07-28 11:44:16
ブログの感想は後で書くとして(^^;

マリオンが「True Colors」歌いだすあたりからもう
ず~~~~~~っと涙が流れたまんまで
最後まで見ておりました。
いい映画でした。

なにがそんなにおもろくないねんってツッコミたくなるほど
顔怖いし、言い方キツイけど
あんなに愛妻家なダンナはおらへんよな~。
・・・健やかなる時も病めるときも
あんなにラブラブでおれたらいいよな~って
いや実にうらやましかったです。(そこかいな)
返信する
トゥル-・カラーズ~ (cyaz)
2013-07-29 08:19:39
Agehaさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>マリオンが「True Colors」歌いだすあたりからもう
ず~~~~~~っと涙が流れたまんまで最後まで見ておりました。いい映画でした。
あれはいいシーンでしたね^^
限局はシンディですが、心に残る映画ですし、
よい選曲でした!

>顔怖いし、言い方キツイけどあんなに愛妻家なダンナはおらへんよな~。
逆に言うと依存度が高い。自分がいなくなると孤立してしまう。
なのでマリオンが自分が居なくなったあとのことも
恐らく考えていたんでしょうね~

>・・・健やかなる時も病めるときもあんなにラブラブでおれたらいいよな~って
いや実にうらやましかったです。(そこかいな)
ま、昨日『31年目の夫婦げんか』を観て来ましたが、
思い知らせるところが多かったですよ^^
返信する
いますよねえ (sakurai)
2013-10-03 12:10:00
ああいう頑固おやじ。
昔はそれが美徳だったみたいに、愛想がないのが、ステイタスみたいな。
まるでうちの父親ですわ。でもって、テレンスがまた見事にピッタリ。
じいさん役者の中では、この方が、№1だと思ってますが、面目躍如!!素晴らしかったです。
まさかテレンスの歌が聞けるなんて!!ですよ。
その辺が、「カルテット!」に入り込めなかった所以かも。
返信する
頑固オヤジ~ (cyaz)
2013-10-03 12:30:03
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>いますよねえ、ああいう頑固おやじ。
昔はそれが美徳だったみたいに、愛想がないのが、ステイタスみたいな。
一杯居ました(笑) 悪気はないのでしょうがねぇ(笑)

>まるでうちの父親ですわ。でもって、テレンスがまた見事にピッタリ。
じいさん役者の中では、この方が、№1だと思ってますが、面目躍如!!素晴らしかったです。
うちは温厚なオヤジでしたが、痴呆症になってからは
結構オフクロの余計な一言に激怒するようになりました(汗)

>まさかテレンスの歌が聞けるなんて!!ですよ。
その辺が、「カルテット!」に入り込めなかった所以かも。
そそ、これは儲けものでしたね!
返信する

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