「アイドル、かくの如し」/本多劇場

「アイドル、かくの如し」/本多劇場

　

 

□作・演出　岩松 了
□出演　宮藤官九郎、夏川結衣、津田寛治、伊勢志摩、上間美緒、
　　　　　岩松 了、足立 理、金子岳憲、宮下今日子、橋本一郎
□劇場　本多劇場（下北沢）

　　いやぁ～、舞台なんてホント久しぶりっ（笑）　で、本多劇場は初めて
　　舞台なんてその昔、「マグノリアの花たち」を観たっきり

　今回、観たいと思ったきっかけはクドカンと夏川結衣との共演だというところ
　加えて岩松 了氏の作・演出とだということ。
　平成版“夫婦善哉”というウリでしたが、実際にはもっと人間関係も複雑で且つ、
　その中に笑いのペーソスもしっかり入っていたりして、最後は思わぬ展開に（笑）

　ストーリーは弱小芸能プロダクションにあらわれたアイドルをめぐり、その芸能プロの
　社長・祥子（夏川結衣・元アイドル）とその夫・古賀（宮藤官九郎）やそのアイドルの
　過去ワケありマネージャーの百瀬（津田寛治）と芸能プロダクションのスタッフ等々、
　絡み合う人間模様が描かれ、弱小芸能プロダクションのアイドルが売れると
　それに比例するように新たな火種が発生したりして・・・。

　夏川結衣は今回が初舞台だとか、そしてクドカンも久しぶりの舞台だとか。
　クドカンは妙な表現だが相変わらずクドカンでしかないし（笑）、
　そもそも女優としての夏川結衣の存在は好きだが、舞台女優としては
　ややぎこちなく、声が上ずりイマイチ客席まで通っていなかったことが残念。
　そこをカバーするように、津田寛治や伊勢志摩という舞台慣れしたクセのある役者陣が
　いることで、この舞台に厚みを持たせていた。　もちろん作・演出の岩松 了氏もその一枚岩だったが。

　初日から少し経って、セリフも慣れて来ているかに思ったのだが、結構みんなカミカミ（笑）
　舞台は事務所の事務員・坂口役の伊勢志摩あたりが、
　この舞台では一番盛り上がり、一番笑いを取れる存在だった。
　話は途中から火曜サスペンス風味に変わっていくのだが。
　このクドカン演じる古賀と、この坂口（伊勢志摩）の浮気も何だかよくわからない
　（見た目で判断すると絶対にかみさんのほうが綺麗）けど（笑）
　ましてやデカいラジカセ片手によくわからない男も登場したりして、ややその設定も意味不明。
　ま、アイドル・くらら役の上間美緒がヘタッピーだったのが玉に瑕かな

　　ただ、普段は映画しか観ないから、こういう舞台を生で観ることで、
　　明らかに違う臨場感や共有感をもてたことはいい経験だったと思います