京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『僕と妻の1778の物語』

2011-01-22 | 邦画

 

□作品オフィシャルサイト 「僕と妻の1778の物語
□監督 星 護
□脚本 半澤律子
□原作 眉村 卓
□キャスト 草 剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山 泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉 漣、風吹ジュン

■鑑賞日 1月16日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

  今年最初に涙を流したのはこの映画だった

 作家・眉村 卓氏と癌で亡くなった悦子夫人との二人の闘病生活がベースとなっているこの作品。
 主人公・朔太郎役に草 剛、その妻・節子役に竹内結子と、あの『黄泉がえり』コンビが甦り(笑)

 仲のいい夫婦に突然に訪れた節子の大腸癌。 松下医師(大杉 漣)からもって1年の命と宣告される。
 かつて、癌と闘う夫婦の物語を描いた作品は結構あったような気がするし、TVなどでも多く取上げられている題材だ。

 節子の退院後、医師から笑うことで免疫力が上がることがあると聞かされ、朔太郎は今できることは何かを自身に問う。
 その結果、出した答えが世間に発表しない節子にだけ読ませる“笑える小説”を
 毎日1編、原稿用紙3枚以上の短編をノルマにし、節子を毎日笑わせることに努める。

 同じ作家であり、友人の滝沢蓮役に谷原章介、その妻・美奈役に吉瀬美智子が扮している。
 監督を務めるのは、映画『
笑の大学』の星 護(これには吾郎チャンが主役格だった)。

 この映画は「生きる」ことの真意をあえて問うこと。
 夫婦として残された限られた日々を互いがどう生きるか。
 妻は不自由ながら、どんどん動きを限定されていくなかで、自分に出来る限りの家庭内作業を行う。
 夫はSF小説が得意なのに、高額薬代の代償として恋愛小説を書こうとするが、妻に向いていないと言われ、
 その妻のために笑える小説を、看病の合間にコツコツ書いていく。
 どれだけ“笑える”小説がかけるか、そのネタが尽きぬとも限らないが、
 朔太郎は最後まで不眠不休で節子のために小説を書き続ける。
 この夫婦にとって大切なことはその小説の出来ではない。
 妻のために、そして夫のために、当たり前のことだが相手を想って出来る限りの愛情を注ぐこと。
 毎日1編の朔太郎が書く小説と、それを楽しみに読む節子。
 他人の目からすればちょっと変な夫婦に映るかもしれない・・・。
 しかしながら、夫婦間の問題と、ここに描かれる以上の悲惨な闘病生活や看病生活が、
 存在したことは容易に想像できるけれど、少しでも生きて側に居たい、
 また側に居て欲しいと思う朔太郎・節子の気持ちは遠からず理解できる。

 そして、その1778作目の最後の小説を、節子が今読める形で書こうとする朔太郎の姿に、
 ついに堪えていた涙が溢れ出した。
 何を書いて伝えようとしたかは問題ではない。
 それは夫婦であるがゆえ、二人にだけわかればいいことなのだ。

 時折、自分たち夫婦に置き換えて考えてみる部分も多かった。
 おそらく我が夫婦の場合、一回り年齢が上の僕が先に逝くことは間違いないだろう。
 そのときのことは想像できないけれど、この映画を観ながら「二人で生きること、今生きている二人が出来ること」を
 改めて足元から見つめ直す必要があるなぁと、静かな感動と共に僕の心の「忘備録」に書き込んだ。


  奇しくもこの日の夜、同じ草クン主演のドラマ「冬のサクラ」が始まった。
  あくまで物語上だが、彼の一貫した優しさが強調された1日だった。
  僕は演技者としての彼より、彼のナレーション、つまり声に魅力を感じる(あくまで歌ではない)。



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6 コメント

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Unknown (雫石鉄也)
2011-01-22 19:45:09
>世間に発表しない節子にだけ読ませる“笑える小説”を

トラックバックしましたが、このことは、眉村さんご本人がはっきりと否定されていました。
奥さまは、あくまで最初の読者であって、唯一の読者でありません。プロの作家として、世の中にだしてもいい作品を考えて書かれたとのことです。
この映画の節子もそうですが、眉村さんの奥さま悦子さんは、眉村さんの作家活動の最大の支援者です。だから、世間に発表しない作品を書くことは、奥さまは決して望まないはずです。

返信する
参考に~ (cyaz)
2011-01-23 10:37:21
雫石鉄也さん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>このことは、眉村さんご本人がはっきりと否定されていました。奥さまは、あくまで最初の読者であって、唯一の読者でありません。プロの作家として、世の中にだしてもいい作品を考えて書かれたとのことです。
そうだったんですか^^
参考になりました。

>この映画の節子もそうですが、眉村さんの奥さま悦子さんは、眉村さんの作家活動の最大の支援者です。だから、世間に発表しない作品を書くことは、奥さまは決して望まないはずです。
なるほど、言われてみればそうかもわかりませんね。
返信する
Unknown (tamirin)
2011-01-24 09:44:35
これは、凄く興味があります~
私基本邦画が好きかも~
返信する
ぜひ~ (cyaz)
2011-01-25 08:22:48
tamirinさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>これは、凄く興味があります~ 私基本邦画が好きかも~
いい映画ですのでぜひ^^
邦画のクオリティは年々上がって来ていますね!
返信する
否定派だよん (ふじき78)
2011-01-29 23:42:08
なので、TBもちょっと遠慮してたんですが、まあいいや、貼らせてもらおう。

ええとですね。
笑う事が免疫力を上げるなら、まず120分、「も、もう後生ですからやめてください」と竹内結子が涙ながらに懇願するまでくすぐり続ける。まず、そこから初めてほしい。何か映画公開上、問題があるなら、そこだけビデオで回して貰っても構わない。
返信する
120分間~ (cyaz)
2011-01-30 09:52:35
ふじき78さん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>笑う事が免疫力を上げるなら、まず120分、「も、もう後生ですからやめてください」と竹内結子が涙ながらに懇願するまでくすぐり続ける。まず、そこから初めてほしい。何か映画公開上、問題があるなら、そこだけビデオで回して貰っても構わない。
確かに(笑)
でもそれって竹内結子でなくてもいいかも(笑)
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