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CTNRX的事件File. ♯006

2023-07-13 21:00:00 | 千思万考

 ■津山事件

 皆さんは『津山事件』をご存知でしょうか。

 心に引っ掛かるものがあれば、かなりの映画好きだと思います。それも推理物が好きなら尚更です。

 津山事件(つやまじけん)、または津山三十人殺し(つやまさんじゅうにんごろし)は、1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。
 一般には津山事件と呼ばれ、津山33人殺傷事件と呼ばれる場合もあり、犯人の姓名を取って都井睦雄事件(といむつおじけん)とも呼ばれることもある。
 犯行が行われた2時間足らずの間に28名が即死し、5名が重軽傷を負った(そのうち12時間後までに2名が死亡)。
 なお、犯行後に犯人が自殺したため、被疑者死亡で不起訴となった。

 日本が明治維新後に西洋式の近代法制を整備して以降、戦争行為を除く犯罪としては、2019年までの長くに渡って最大の犠牲者数だった。

 横溝正史の小説『八つ墓村』、および西村望の小説『丑三つの村』のモチーフになった事件である。

 ▼幼少期からの生活

 犯人の都井 睦雄(とい むつお)は1917年(大正6年)3月5日、岡山県苫田郡加茂村大字倉見(現・津山市加茂町倉見)に生まれた。
 1919年12月1日2歳で父を、1920年4月29日3歳で母を、ともに肺結核で亡くしたため、祖母が後見人となり、その直後一家は加茂の中心部である塔中へ引っ越した。
 さらに、都井が6歳のときに一家は祖母の生まれ故郷の貝尾集落に引っ越した。
 都井家にはある程度の所得と資産があり、畑作とあわせて比較的安定した生活を送ることができた。
 都井は尋常高等小学校を卒業直後に肋膜炎を患って医師から農作業を禁止され、無為な生活を送っていた。
 病状はすぐに快方に向かい、実業補習学校に入学したが、姉が結婚したころから徐々に学業を嫌い、家に引きこもるようになっていき、同年代の人間と関わることはなかった。
 なお、事件後に岡山地裁検事局からの照会により西賀茂尋常高等小学校長が回答した昭和14年4月19日付「被疑者学業成績性行等回答書」によれば、都井の学業成績は尋常科及び高等科の計8年間を通じ、体育科目も含めて全科目において10段階中全て8以上であった。
 また同回答書中の「性質素行」欄には「勤勉親切ヨク命ヲ守リヰタリ」、「正直ニシテ約束ヲ守リ礼儀ヲ重ンジ緻密ナリ」等と記載されている。
 1937年5月22日(昭和12年)、都井は徴兵検査を受け、結核を理由に丙種合格とされた。
 そのころから都井は、それまで関係を持った女性たちに、都井の丙種合格や結核を理由として関係を拒絶されるようになる。
 そして、心ない風評に都井は不満を募らせていった。

 ▼凶器の入手

 同年、狩猟免許を取得して津山で2連発散弾銃を購入した。
 翌1938年(昭和13年)にはそれを神戸で下取りに出し、猛獣用の12番口径5連発のブローニング製散弾銃であるブローニング・オート5を購入した。
 毎日山にこもって射撃練習に励むようになり、毎夜猟銃を手に村を徘徊して近隣の人間に不安を与えるに至った。
 都井はこのころから犯行準備のため、自宅や土地を担保に借金をしていた。
 しかし、都井が祖母の病気治療目的で味噌汁に薬を入れているところを祖母本人に目撃され、そのことで「孫に毒殺される」と大騒ぎして警察に訴えられたために家宅捜索を受けた。
 猟銃一式のほか、日本刀・短刀・匕首などを押収され、猟銃所持許可も取り消された。
 都井はこの一件により凶器類をすべて失ったが、知人を通じた猟銃や弾薬の購入、刀剣愛好家からの日本刀譲り受けなどによって再び凶器類を揃えた。
 以前懇意にしていたもののその後都井の元から去り、他の村へ嫁いでいた女性が村に里帰りしてきた1938年(昭和13年)5月21日の未明、犯行は行われた。

 犯行当日

 犯行準備

 都井は事件の数日前から、実姉をはじめ数名に宛てた長文の遺書を書いていた。
 さらに自ら自転車で隣町の加茂町駐在所まで走り、難を逃れた住民が救援を求めるのに必要な時間をあらかじめ把握しておくなど、犯行に向け周到な準備を進めていたことがのちの捜査で判明している。
 自分の姉に対して遺した手紙は、「姉さん、早く病気を治してください。この世で強く生きてください」という内容である。
 1938年(昭和13年)5月20日午後5時ごろ、都井は電柱によじ登り送電線を切断、貝尾集落のみを全面的に停電させる。
 しかし村人たちは停電を特に不審に思わず、これについて電気の管理会社[注釈 7]への通報や、原因の特定などを試みることはなかった。
 翌5月21日1時40分ごろ、都井は行動を開始する。
 詰襟の学生服に軍用のゲートルと地下足袋を身に着け、頭にははちまきを締め、小型懐中電灯を両側に1本ずつ結わえつけた。
 首からはナショナルランプを提げ、腰には日本刀一振りと匕首を二振り、手には9連発に改造したブローニング・オート5を持った。

 犯行当日

 犯行準備 編集 都井は事件の数日前から、実姉をはじめ数名に宛てた長文の遺書を書いていた。
 さらに自ら自転車で隣町の加茂町駐在所まで走り、難を逃れた住民が救援を求めるのに必要な時間をあらかじめ把握しておくなど、犯行に向け周到な準備を進めていたことがのちの捜査で判明している。
 自分の姉に対して遺した手紙は、「姉さん、早く病気を治してください。
 この世で強く生きてください」という内容である。
 1938年(昭和13年)5月20日午後5時ごろ、都井は電柱によじ登り送電線を切断、貝尾集落のみを全面的に停電させる。
 しかし村人たちは停電を特に不審に思わず、これについて電気の管理会社[注釈 7]への通報や、原因の特定などを試みることはなかった。
 翌5月21日1時40分ごろ、都井は行動を開始する。
 詰襟の学生服に軍用のゲートルと地下足袋を身に着け、頭にははちまきを締め、小型懐中電灯を両側に1本ずつ結わえつけた。首からはナショナルランプ[を提げ、腰には日本刀一振りと匕首を二振り、手には9連発に改造したブローニング・オート5を持った。

 自殺と遺書

 約1時間半に及ぶ犯行後、都井は遺書用の鉛筆と紙を借りるため、隣の集落の一軒家を訪れた。
 家人は都井の異様な風体に驚いて動けない状態だったが、その家の子が以前から都井の話を聞きに来ていて顔見知りであったため、その子に頼み、鉛筆と紙を譲り受けた。
 都井は去り際にこの子へ「うんと勉強して偉くなれよ」と声をかけている。
 その後、3.5km離れた仙の城と呼ばれていた荒坂峠の山頂にて、追加の遺書を書いたあと、猟銃で自殺した。
 都井の遺体は翌朝になって山狩りで発見された。猟銃で自らの心臓を撃ち抜いており、即死したとみられている。

 遺書の内容は以下の通りである。

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 愈愈死するにあたり一筆書置申します、決行するにはしたが、うつべきをうたずうたいでもよいものをうった、時のはずみで、ああ祖母にはすみませぬ、
 まことにすまぬ、二歳のときからの育ての祖母、祖母は殺してはいけないのだけれど、後に残る不びんを考えてついああした事をおこなった、
 楽に死ねる様と思ったらあまりみじめなことをした、まことにすみません、涙、涙、ただすまぬ涙がでるばかり、姉さんにもすまぬ、はなはだすみません、ゆるしてください、つまらぬ弟でした、
 この様なことをしたから決してはかをして下されなくてもよろしい、野にくされれば本望である、病気四年間の社会の冷胆、圧迫にはまことに泣いた、親族が少く愛と言うものの僕の身にとって少いにも泣いた、
 社会もすこしみよりのないもの結核患者に同情すべきだ、実際弱いのにはこりた、
 今度は強い強い人に生まれてこよう、実際僕も不幸な人生だった、今度は幸福に生まれてこよう。
 思う様にはゆかなかった、今日決行を思いついたのは、僕と以前関係があった寺元ゆり子が貝尾に来たから、又西山良子も来たからである、しかし寺元ゆり子は逃がした、
 又寺元倉一と言う奴、実際あれを生かしたのは情けない、ああ言うものは此の世からほうむるべきだ、
 あいつは金があるからと言って未亡人でたつものばかりねらって貝尾でも彼とかんけいせぬと言うものはほとんどいない、岸本順一もえい密猟ばかり、土地でも人気が悪い、彼等の如きも此の世からほうむるべきだ。
 もはや夜明けも近づいた、死にましょう。


「津山事件報告書」より都井睦雄の遺書(犯行直後の興奮状態での遺書。誤字などあるが原文のままとする)

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 都井は遺書の中で、この日に犯行を起こす決意をしたのは、以前都井と関係があったにもかかわらず他家に嫁いだ女性が、貝尾に里帰りしてきたからだとしている。
 しかし、この女性は実家に都井が踏み込んで来たとき逃げ出して助かり、逆にこの家に逃げ込んだ隣家の家人が射殺されることとなった。
 なお、当時の新聞では遺書は計3通が残されていたと報道されている。1通は姉にあてたもの、1通は宛名の無い長文(便箋18枚)のもの、1通は自殺現場で書かれたとみられるものである。
 現場で書かれた遺書の内容は紙面に掲載されたものの上記の内容とは異なっており、書き換えた当事者の目的や意図は明らかでない。

 ▼事件後

 事件はラジオや新聞などのマスコミにより報道され、『少年倶楽部』もこの事件を特集した。

 この事件が貝尾集落に与えた影響は大きく、前述のように、一家全滅したところもあれば一家の大部分を失ったところもあり、集落の大部分が農業で生計を立てていたためかなり生活が苦しくなったとされている。
 また、都井の親族で襲撃を受けることのなかった一家が、企みを前々から知っていて隠していたのではないかと疑われ、村八分に近い扱いを受けたともいわれている。
 事件後、犯人の都井が警察による取り調べを受ける前に自殺し、さらに多くの被害者が亡くなったため、生存者による証言しか残っていない。しかし、生存者のほとんどが亡くなった被害者の誰かしらと親戚関係にあるため、その証言はすべての罪を都井にかぶせるようなものが多くなっているという意見もある。
 さらに、都井が死亡した以上、たとえ都井と関係があったと噂される女性でも本人が否定してしまえば確認する方法はなく、事実関係が不明な部分も多く残った。
 1975年(昭和50年)に刊行された『加茂町史』では、本事件について「都井睦雄事件も発生した」と記されるのみである。

 事件発生現場・関係先の現在

 事件現場である貝尾集落は、周辺集落のなかでも一番山際にあたる部分にある。2015年春、倉見に廃屋となって残っていた都井の生家が取り壊された。
 貝尾地区の人口は事件当時23世帯111人であったが、2010年の平成22年国勢調査によると13世帯37人となっており、うち単身の世帯が4あるなど限界集落化が進んでいる。
 直接被害者を出さなかった複数の世帯が事件後に貝尾を離れているほか、過疎化が進行しており、廃墟となっている家屋もある。事件当時から貝尾に居住している者はすでに一人もいないという。

 70年後の証言

 事件発生から70年後にあたる2008年(平成20年)、『週刊朝日』5月13日号にて津山事件関係者による証言記事(記者:小宮山明希)が掲載された。
 その記事内で匿名でのインタビューに応じた90代の老人によると、都井は村が停電になった時によく修理を頼まれていた。
 また、事件が発生したその日のうちに「昭和の鬼熊事件」と題した号外が出たと述べている。
 当時村に残っていたとされている夜這いの風習については否定している。

 なお、この証言については司法省刑事局による「津山事件報告書」と食い違う部分がある。

     〔ウィキペディアより引用〕



 

もの思う葦 ♯06−⑧ Horror Movie

2023-07-12 21:00:00 | 日記

 映画「リング」の『貞子』について

 山村 貞子(やまむら さだこ)

 鈴木光司の小説およびその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空の人物。

 劇中に登場した時点では既に故人であったという設定だが、現世に未練や恨みを残し、見た者を呪い殺す「呪いのビデオ」を発端として災禍を巻き起こす。
 また続編では現世への復活を遂げるなど、シリーズを通しての元凶として登場する。
 原作の描写によれば、色白黒髪で長身華奢、大人びた顔立ちの美女である一方、半陰陽者という身体的特徴を持つという設定である。
 ただし貞子の設定はメディアごとに異なっており、貞子を有名にした1998年の映画版『リング』では、白のワンピースに長い前髪で顔を覆い隠した女性として登場し、終盤ではテレビから這い出てくる恐ろしげな怪物として描かれた。

 《概要》

 登場人物としての初出はシリーズ第1作として1991年に出版された鈴木光司のホラー小説『リング』である。
 同作は、主人公・浅川和行が親戚の不審死に疑問を抱いたことをきっかけに、友人の高山竜司と共に、映像を見た者を7日後に呪い殺すとされる「呪いのビデオ」の来歴に迫っていくという筋立てになっており、物語中盤で「呪いのビデオ」を作成した人物として超能力者「山村貞子」の名が浮上する。
 浅川と高山は貞子の詳細な経歴を調べ、この世に恨みを抱いて死んだ貞子が怨念となってビデオを念写したという結論に至り、古井戸に遺棄されていた遺体を供養することで事件の解決を試みるが、試みは成功せず、高山は貞子に呪い殺されて死亡する。
 原作小説『リング』における貞子は一連の事件の元凶ではあるものの、作中には直接登場しない人物として描かれ、物語のクライマックスでも高山は「ヒタヒタと近づきつつあった」漠然とした死の気配に恐怖しつつ、鏡に映る腐乱した「百年先の自分の姿」を幻視して死亡するという描写になっている。
 一方、後に制作された1998年の映画版『リング』では、胸元まで伸びた長い前髪で顔を隠した女性のイメージとして幾度か映像に登場し、クライマックスでは貞子自身が鏡ではなく、テレビに映った「呪いのビデオ」の映像の中から前髪を振り乱しながら這い出て、直接高山の自室に現れるという映画版独自の描写がなされた。
 恐怖にすくむ高山へと奇怪な動きでにじり寄り、前髪の間から片目のみを覗かせ、白目を剥いた凄惨な形相で彼を睨み殺すこの場面は、映画の中でも特に衝撃的な場面として描かれており、後のリメイク映画でも踏襲されたほか、様々なパロディも作られた。
 映画版のクライマックスにおける描写は日本国外でもよく知られており、この演出は貞子の存在を原作小説や映画から独り立ちさせてしまうほどの成功を収めた。
 貞子は当時を代表するホラーヒロインとなり、その後も人々の記憶に、ひいては映画史に名を残すような登場人物となった。

 原作小説の第2作である小説『らせん』は、高山の司法解剖に立ち会った新たな主人公・安藤満男が、貞子の呪いが人体にどのように作用して死をもたらすのかという原理を、医学的な見地から探っていく内容である。
 安藤は呪いの正体が、映像を見た者に感染し心臓に作用する「リングウィルス」であることを突き止めるものの、貞子は同作でも黒幕的な立場で暗躍し、物語半ばで現世への復活を果たす。物語は貞子の勝利で締め括られ、貞子の呪いが「呪いのビデオ」のみならず、小説や映画といったメディアを通して世界へと広まっていくという絶望的な未来が提示される。
 原作小説の3部作の最終作となるSF小説『ループ』における貞子は、主人公の二見馨が近未来の世界に蔓延している「転移性ヒトガンウィルス」の謎に迫っていく過程で、環境シミュレーター上に蔓延する、
 コンピュータウイルスによって変異した仮想生命体「ヤマムラサダコ」として登場する。同作では、前2作の世界が環境シミュレーター内に再現された仮想世界であることが明かされ、人類は貞子に対抗する手段を得ることになる。
 その後発表された外伝作品『バースデイ』は短編小説集となっており、収録作品のうち「空に浮かぶ棺」では『らせん』における貞子復活の詳細が、「レモンハート」ではかつて貞子に想いを寄せていた男性・遠山博の回想を通して生前の貞子の姿が描かれ、「ハッピー・バースデイ」では『ループ』後における貞子の末路が描かれている。原作小説のリングシリーズは3部作と『バースデイ』でいったんの完結を迎えるものの、2012年からはシリーズが再開し、小説『エス』『タイド』にも貞子が登場している。

 このほか関連作品として、『リング』シリーズを原作とする映画やテレビドラマや日本国外向けの翻案作品のほか、『らせん』とは別の未来を描いた映画オリジナル作品『リング2』『ザ・リング2』など、原作の設定を下敷きにしつつも独自の物語が描かれた複数の派生作品が作られている。映画『リング0 バースデイ』は「レモンハート」を元にしつつも貞子の視点で独自の物語が描かれ、連続ドラマ『リング〜最終章〜』『らせん』では原作とは異なる設定の物語が描かれているなど、貞子の設定にも作品ごとに差異がある。 2016年の夏には、『リング』シリーズと同様に「Jホラー」の人気シリーズ『呪怨』に登場する「伽椰子」と「悪夢の“ 恐 ”演」を果たすスピンオフ最新作『貞子vs伽椰子』が公開された。
 2019年4月には『世界が尊敬する日本人100』の1人に(架空の人物として)選出された。

 《貞子の能力》

 生前の貞子は念写や予知といった超能力を使うことができたとされるほか、作中では以下のような能力を用いている。

 ▼呪いのビデオ

 作中に登場する、観たものは1週間(7日)後に死ぬとされる呪いのビデオ映像。
 貞子の怨念がビデオテープに念写されたもので、呪いのビデオを見たものは、後述のリングウィルスに感染する。原作では単に「ビデオ」「ビデオテープ」と呼ばれているが、
 映画版では「呪いのビデオ」という呼び名で都市伝説化している設定で描かれている。
 原作では映像の内容についても繰り返し詳しく描写されている。
 ビデオを最後まで見るよう強要する文字メッセージに続き、貞子の故郷である伊豆大島の三原山とその噴火に関する抽象的・具体的な映像、超能力実験に関連した念写による「山」の文字と、繰り返し特定の目を示し続けるサイコロの映像(超能力実験に関連している)、老婆が語る伊豆大島の古い方言で「水遊びばかりしていると化け物が来る」「お前は来年に子供を産む」という意味のメッセージ、超能力実験を非難する大勢の人々や、「貞」の文字が出てくる古いテレビを用いた念写実験、生まれたばかりの赤ん坊のイメージ、貞子が殺害される間際に見た光景・肩から血を流し迫る男の顔、そして最後に、映像を見た者が1週間後に死ぬことを警告するメッセージで締め括られるという構成となっている。
 映像の長さはトータルで20分程度、
 各場面はそれぞれ32秒〜186秒の長さになっている。
 映像には抽象的なものと写実的なものの2種類があり、このうち写実的な映像は貞子の瞳を通したことに由来するまばたきが入っている。
 作中に登場するビデオの末尾は蚊取線香のテレビCMで上書きされているが、当初は見た者に対して、「死にたくなければビデオをダビングし、まだ見ていない他者に見せる」よう強要する旨のメッセージが入っていたとされる。

 各種映像化作品では、呪いのビデオの内容にも独自に変更が加えられており、様々な呪いのビデオが映像化されている。
 1998年の映画版では、映像は井戸に突き落とされた貞子の視点による、丸く縁どられた外界を見上げた光景から始まるが、これを踏襲するアメリカ映画『ザ・リング』ではこの光景が作品タイトル「リング(輪)」に込められた意味のひとつとして解釈されている。
 また、いずれの映画でもビデオの映像は井戸を外から見た、映画版独自の映像で締め括られているが、1週間後の期限を過ぎるとこの映像の後には貞子が井戸から這い出てくる場面が追加され、映像内の貞子が画面手前に向かってゆっくりと歩み寄り、画面を突きぬけるようにして現実世界へと出現するという演出がされている。
 また、1999年の連続ドラマ『リング〜最終章〜』での呪いのビデオは、ミュージック・ビデオの映像に混信したノイズという形の映像で描かれた。 原作『らせん』では、「呪いのビデオ」の内容を描写した文章を読んだ者にも、映像を直接見たのと同様の呪いがもたらされるという設定が描かれた。
 また、鈴木光司によって出版された現実の小説『リング』と、作中で浅川順一郎によって出版された、映像と同様の効果があるとされる劇中小説『リング』は、「呪いのビデオ」の映像について描写した文章が一字一句同じになっており、現実の読者に対して、この文章を読んだあなたは既に貞子の呪いにかかっていると暗示するかのような体裁となっている。
 原作がブームだった当時の読者の中には小説の内容を真に受け、出版社に「妊娠中に『らせん』を読んでしまったのだが病院へ行った方がよいだろうか?」という相談の電話をかける者まで現れたという。

 ビデオを見た直後には正体不明の無言電話がかかってくることがある。原作では電話がかかってくる条件が曖昧にされているが、1998年の映画版では、電話がかかってくるのは貞子の遺体が遺棄されている場所から近い場合に限定されており、このことが謎解きのヒントにもなった。原作『ループ』では、無言電話がかかってきた電話機や、「呪いのビデオ」を再生中のビデオデッキの周辺には、僅かな空間の歪みが生じるという設定が描かれており、「呪いのビデオ」を再生しながら映像中のサイコロの目の通りの番号に電話をかけることで、世界を創造した上位存在と対話を試みることができるとされる。

 ▼リングウィルス

 リングウィルス(Ring Virus)は、呪いのビデオを見た者に感染する架空のウイルスで、天然痘ウイルスに似た塩基配列を持つウイルスと設定されている。感染した者がウイルスの増殖に手を貸さなかった場合、感染から1週間後の同時刻(=168時間後)に心臓周辺の冠状動脈に肉腫を発生させ心筋梗塞を誘発する。発作を起こしたものは喉の渇きに襲われ、頭を掻き毟りながら何か(高山竜司は鏡で百年先の変わり果てた自分を見た)に驚いたような表情で死亡する。 リングウィルスという名は、作中において安藤満男と宮下によって命名された。
 形状は天然痘ウイルスと大きく異なり、精子の頭部と尾部がリング状に繋がったような姿となっており、
 実際に貞子の遺伝子情報を保持している。
 感染者が排卵日の女性の場合、あるいはウイルスの進化と増殖に手を貸した男性の場合には、リングが解けて精子状になる。女性の場合、体内に侵入したウイルスは心臓へは向かわずに子宮へ侵入し卵子に受精、感染者の子宮を用いて「貞子」を再生する。
 一方で男性の場合には、ウイルスは脳へと向かって感染者を操り、「呪いのビデオ」と同じ効果のある文章を書かせることになる。
 リングウィルスの塩基配列のうち、7割は天然痘に由来するもので、残りの3割が貞子の情報である。
 ウイルスは人間の精子よりもはるかに小さいため、貞子の遺伝子情報は数十万のパーツに分割されており、それぞれ微妙に塩基配列の異なる個々のウイルスによって保持されていると設定されている。
 1998年の映画版『リング』やそのリメイク作品では、リングウィルスの感染者は、写真や映像に撮られるとその顔が歪んで映るという描写が付け加えられた。また同年の映画版『らせん』では、リングウィルスは性行為でも感染するという設定になっており、またビデオの映像と派生メディアの小説を読んだ場合とでは死因が異なり、後者は激しく咳き込んだ後に窒息死するという設定になっている。

 ▼増殖

 生前の貞子は、身体的特徴は女性であるが生物学的には男性であるという睾丸性女性化症候群であり、子供を産むことができない身体であった。
 しかし復活後の貞子は、他の女性を媒体に、あるいは自分だけでも増殖が可能という、全く新しい形の人類へと進化することとなった。 リングウィルスに感染したことにより貞子を妊娠した女性は、受精から1週間で臨月に至り、貞子を出産する。
 さらに、赤子として産み落とされた貞子は1週間程度で成人へと成長する。
 この生まれた貞子は単なるクローン再生ではなく、生前の記憶を保持している。
 また、リングウィルスに感染した女性を媒体として現世への復活を果たした貞子は、半陰陽者として完全な両性の生殖能力を持っており、自らの精子を自らの卵子に受精させることで、自分で自分のクローンを出産することができる。
 原作では、リングウィルスを通じて再生した貞子はオリジナルの山村貞子本人の姿で復活する。
 一方、映画および連続ドラマ版の『らせん』では、貞子の記憶を持ちながらも、貞子を妊娠し出産した女性の容姿をコピーして復活するという設定で描かれた。

 ▼転移性ヒトガンウィルス

 転移性ヒトガンウィルス(Metastic Human Cancer Virus[36])は、原作『ループ』に登場する、近未来世界に蔓延している架空のウイルスである。
 環境シミュレーター「ループ」から現実世界へと持ち込まれたリングウィルスが変異したもので、
 発症すると悪性腫瘍を生じ、短期間で全身へと転移を起こすため、完治することはないとされる。
 当初は普通のガンの一種と見なされていたが、K大学医学部によって新種のウイルスであることが突き止められたと設定されている。
 設定では、レトロウイルスの一種であるとされ、体液を介して接触感染するという性質や、細胞を乗っ取る過程はエイズウイルスに似ていると言及されている。
 p53遺伝子に変異を起こさせ、DNAのテロメア領域を書き換える性質を持つ。
 遺伝子の塩基配列にはリングウィルスとの無視できない類似性が見られると設定されている。
 9個の遺伝子はすべて塩基数が2nの3倍の値となっているが、これはコンピュー柑橘類の香りターが二進法を用いることに関係しており、転移性ヒトガンウィルスの出自がコンピュータウイルスであることに由来している。

 ▼柑橘類の香り

 原作中では幾度か、呪いのビデオがもたらす怪異に触れた者や、貞子に遭遇した者が、柑橘類あるいはレモンの香りを嗅ぎ取ったという描写が登場している。
 また貞子の母である山村志津子も生前、予知の能力が働く時には決まって柑橘系の香りを感じたと話していたと描写されている。
 このほか復活直後の貞子と遭遇した安藤満男は、香水とは異なる、血のような異臭を嗅ぎ取ったと描写されている。

 《貞子の人物像》

 作中では幾度か貞子の容姿や人柄について描写されている。
 生前の貞子の写真を見た吉野賢三はその姿を、今まで見たことがないような美人であると形容した。
 生前の貞子と交際していた遠山博は、少女らしいあどけなさと時折垣間見せる艶かしさを併せ持った人物として彼女を回想している。
 一方で遠山と同様に劇団員時代の貞子を知る有馬真は、大人しく、あまり仲間と交わろうとせず、不気味な印象であったと述懐している。
 復活後の貞子と遭遇した安藤満男によれば、身長は160センチメートル弱、髪は背中の中ほどまで伸び、手の爪は割れており、ふくらはぎには紫色の痣がある。
 鼻梁は細く長く、若干つり目で二重瞼、声は低いが魅力的な響きがあったという。
 上位世界から貞子を観察した杉浦礼子は、顔立ちは完璧に整っているとしつつも、薄い唇からは薄情な印象を読み取っている。
 なお、リングウィルスに感染した者が貞子に操られて書いた文章は、あたかも自画像を客観的に描くことが難しいように、貞子の外見的特徴を適切に言い表せていないと設定されている。
 原作の短編「レモンハート」では、舞台女優をしていた生前の貞子が初舞台の前日のゲネプロ(通し稽古)で、傍目にも可哀想なほどに緊張していたという言及がある。
 原作『らせん』において現世への復活を果たした貞子は、正体を偽って安藤満男とデートした際に、お気に入りの映画を見ながら登場人物になりきって台詞を真似たり、雑誌を平然と万引きしたりと、天真爛漫な振る舞いも見せている。
 なお、このとき貞子と安藤が見た映画は、作中の描写などから1990年のフランス映画『ニキータ』であると言われている。

 原作における生前の貞子は、女優としての永遠の若さを渇望していた。
 貞子は自身が「呪いのビデオ」や「リングウィルス」を生み出した経緯を、自分が井戸の底で朽ちていく前に、自身の遺伝情報を何らかの形でこの世に残したいと願った結果であると語っており、復活に成功した際には自分の想像を超えた結果に面食らったとも述べている。
 なお、原作と映画版などの映像化作品では、貞子が「呪いのビデオ」を生み出した動機に差異があり、例えば映画版『らせん』における貞子はこれを、自分が井戸の底で味わった死の恐怖を不特定多数の人々に知らしめたかったためであると説明している。
 1995年と1999年のドラマ版、1998年の映画版とその続編およびリメイク作品など、多くの映像化作品において貞子は白ずくめの衣装で登場する。
 1998年の映画版では、白いドレス姿があたかも日本の幽霊の死に装束のように描写された。
 一方、貞子がこうした白い服を着ているのは映像化作品でのみ見られる描写である。原作『リング』における貞子は、長尾城太郎に殺害される直前にはグレーのスカートを身に着けており、『らせん』および「レモンハート」で復活を果たした際に安藤や遠山の元に現れた貞子はライムグリーンのワンピースを着ており、その後安藤と再会した際には水玉模様のスカートに生足という出で立ちであったと描写されている。
 原作において白一色の衣装で登場するのは初登場時の高野舞であるが[89]、映画版の舞は黒い服で登場する。映画版『らせん』の貞子は、復活後は高野舞の容姿をコピーして現れるが、このときの貞子は以前の舞とは一変して派手な衣装で登場するという演出がされており、赤い柄物の衣装を着ている。
 1999年の連続ドラマ『リング〜最終章〜』では貞子も舞も白い衣装で登場する。

 《貞子のモチーフ》

 貞子の母親である山村志津子のモデルは、明治時代に実在した人物である御船千鶴子であると言われ、『リング』の作中では千里眼事件を想起させる超能力実験の経緯が描かれている。
 貞子という名前を、千里眼事件に関わった実在の人物である高橋貞子と関連付ける意見もある。
 1991年に出版された『リング』よりも以前から広まっていた都市伝説、「カシマさん」との関連性を指摘する意見もある。
 貞子がビデオテープを介して広まり、見た者を呪い殺すのに対し、カシマさんは噂を介して広まり、噂を聞いた者の元に現れて対象を殺害する。1998年の映画版における貞子は、白い衣装を着た長い黒髪の女性という姿で描写されるが、これは古典的な日本の幽霊のイメージを反映させたものである。
 また、映画版における貞子の描写には、監督の中田秀夫と脚本の高橋洋が1996年の映画『女優霊』で用いた手法や反省点が反映されており、同作に登場する幽霊は、映画版における貞子の原型とも評される。
 なお映画『女優霊』の内容には高橋洋が子供の頃、日本で1967年にテレビ放送されたアメリカ映画『シェラ・デ・コブレの幽霊』の予告編を目にした経験が反映されており、これが映画版『リング』のアイディアにも影響を与えているとされる。
 1998年の映画版における、貞子がテレビから這い出してくる映画版独自の描写は脚本の高橋洋が付け加えたものである。
 テレビの中から怪異の主が現れるという描写に、1982年のアメリカ映画『ポルターガイスト』との関連性を指摘する意見もある。

     〔ウィキペディアより引用〕

もの思う葦 ♯06ー⑦ Horror Movie

2023-07-11 21:00:00 | 日記

 今回は「日本ホラー映画」です。

 私としては、あまり宜しくないので、割愛させて頂きます。

 我らの世代としては、コレでしょう。

 日本映画界史上、かなり爪痕を残してくれました。

 『リング』

 1998年1月31日に公開された、日本のホラー映画。
 見た者を1週間後に呪い殺す「呪いのビデオテープ」の謎を追う、鈴木光司の同名小説『リング』を原作とする映画作品。   
 監督は中田秀夫。 配給収入10億円を記録するヒット作品となり、後に続くジャパニーズホラーブームの火付け役となった。


 本作は原作小説の内容に準じた続編『らせん』と同時進行で製作され、「デュアル・ホラームービー」と銘打っての同時上映が行われた。
 映画はヒット作となり1999年には、原作に準じていた『らせん』とは異なったパラレルワールド的な展開を描く映画オリジナルの続編『リング2』も公開され、2000年には原作のエピソードを踏まえつつも映画独自の設定を盛り込んだ第3作『リング0 バースデイ』が公開された。
  日本国外では映画版の内容を基にしたリメイク映画も製作されており、1999年には日韓合作による韓国映画『リング・ウィルス』が、2002年にはドリームワークスによるアメリカ映画『ザ・リング』が公開された。
 また、1999年のシッチェス映画祭においてはグランプリを受賞した。

 《ストーリー概要》

 某テレビ局のディレクターである浅川玲子は、都市伝説にまつわる取材の中で、見た者を1週間後に死に至らしめる「呪いのビデオ」に関わったと噂される男女が、数日前に奇怪な死を遂げた自分の姪、大石智子と同日の同時刻に死亡していることに気づく。
 調査を進めた玲子は、同時に死んだ智子たち4人の間には交友関係があり、彼らが1週間前に伊豆の貸し別荘「伊豆パシフィックランド」に宿泊していたこと、そしてその際に撮影されたフィルム写真上の4人の顔が不気味に歪んでいることに着目する。
 彼らの死の謎を突きとめようとして問題の貸し別荘を訪れた玲子は、そこで貸出されていた不審なビデオの映像を見てしまい、直後に不気味な無言電話を受け取る。
 これを境に、玲子自身の写真もまた死んだ4人と同様に歪んだ顔で写るようになってしまう。
 これが本物の「呪いのビデオ」であることを悟った玲子は、離婚した元夫で超能力者である高山竜司に相談を持ちかける。
 竜司は自分もビデオの映像を実際に確認して内容を調べ、映像に写っていた新聞記事から、これが過去に伊豆大島の噴火を予知したとされる超能力者・山村志津子に関連したものであることを突きとめる。
 竜司は伊豆大島へと出立するが、そんな中、玲子と竜司の間の子供である陽一までもがビデオを見てしまう。

 玲子は竜司を追って伊豆大島へと向かい、宿泊先で志津子の従兄弟である老人、山村敬と出会うが、詳しい話を聞こうとして拒まれる。
 竜司が超能力を用いて聞き出そうとした際、玲子はそれに巻き込まれて過去の光景を幻視し、志津子の娘である山村貞子には念じるだけで人を殺せる恐るべき超能力が備わっていたことを知る。
 そして玲子と竜司は、恐らく既に死んでいる貞子こそが呪いのビデオを生み出した怨霊の正体であると確信する。
 台風により伊豆大島を出る船便が欠航し、玲子がビデオを見てから1週間の期限が迫る中、玲子は竜司や陽一の元には無言電話がかかってこなかったという事実から、決定的な手がかりは一連の発端である伊豆の貸し別荘近くにあるという可能性に思い至る。
 貞子の為にと決意を固めた山村老人が自らの漁船を出し、2人を伊豆へと送り届ける。
 貸し別荘に到着した2人はその床下から、ビデオの映像に登場した古井戸を発見し、それに触れた玲子は父親によって井戸に突き落とされた貞子の最期を幻視する。
 期限の時刻が刻々と迫る中、玲子と竜司は死に物狂いで貞子の遺体を探し、ついに井戸の底から貞子の白骨死体を見つけ出す。
 玲子は期限を迎えても死に至らず、胸を撫で下ろす。
 しかし翌日、検証のために玲子から渡された「呪いのビデオ」を見てからちょうど1週間を迎えた竜司は、自宅のテレビが突然点灯するのを目撃し、そこに映し出された井戸から這い上がってくる貞子の姿を目にする。
 電話が鳴り響く中、長い前髪を揺らし奇怪な動きで歩み寄ってきた映像の中の貞子は、テレビの画面を通り抜けて這い出し、竜司の眼前にその姿を現す。
 そして恐怖にすくむ竜司へとにじり寄り、前髪の間から覗いた狂気の目で彼を睨み殺す。
 竜司の死を知った玲子は、陽一にかけられた呪いが解けていないことに気づく。   
 玲子は竜司の部屋から持ち出した「呪いのビデオ」のコピーと、都市伝説の取材で耳にした話から、自分だけが助かったのは「呪いのビデオをダビングして他人に見せた」からであるという結論に至る。
 呪いの解き方に気づいた玲子は、最愛の息子・陽一を救うための犠牲として「自分の父親にビデオを見せる」ことを決意し、実家へと車を走らせるのであった。

 関連作品 ー 仄暗い水の底から ー

 『仄暗い水の底から』
(ほのぐらいみずのそこから)
 鈴木光司のホラー短編集、およびその映画化作品である。
 水と閉鎖空間をテーマとした7編の物語が収録され、そのうちの1編「浮遊する水」が映画化された。


 2002年に中田秀夫監督で映画化され、2003年のジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でグランプリを受賞した。
 原作は、短編集の1編「浮遊する水」。2005年にはハリウッド版のリメイク『ダーク・ウォーター』も制作された。

 離婚調停中であり、娘・郁子の親権を夫・邦夫と争っている淑美は生活を立て直そうと、郁子と一緒に新しいマンションに引っ越す。
 しかし、そこは雨漏りが酷い、水道水が不味い、上階の子供の足音がよく響くなど不具合が多く、
 また彼女は何か不穏なものを感じていた。 ある日、淑美は屋上で赤い子供用バッグ(mimikoバッグ)を見つけ、それがきっかけで郁子と同じ幼稚園に通っていた少女・河合美津子が2年前から行方不明になっていることを知る。
 美津子は父と共に淑美たちの真上の部屋に住んでいて、行方不明になった時には似たバッグをかけていた。
 バッグは落とし物としてマンション管理人に届け、捨てられたことを確認するが、後日また屋上で同じものが見つかった。
 郁子はバッグが気になるようで、また、
 見えない女の子と会話する奇行が見られるようになった。
 淑美は、美津子の霊が郁子を連れ去ろうとしているのではないかとパニックに陥り、一度はマンションを出る決意する。

 しかし、淑美が離婚調停を依頼していた弁護士の活躍により、事件はひとまずの決着を見た。
 実は、美津子と父が住んでいた上の部屋の鍵が閉まっておらず、更には、水道が出しっぱなしだった。
 水漏れは直り、その他の怪現象のいくつかにも説明が付いた。 ところが、ついに美津子の霊が姿を現した。
 淑美は自分が連れ去られることで、郁子が連れ去られることを阻止した。
 10年後、郁子は廃墟となったマンションを訪れ、そこに自身の身代わりに命を失った母・淑美の霊を見るのだった。

 関連作品 ー 富江 ー

 富江』(とみえ)

 1987年から『月刊ハロウィン』誌や『ネムキ』誌などで伊藤潤二が発表したミステリーホラー漫画、およびそれを原作としたホラー映画・ドラマ作品である。




 《ストーリー概要》
 
 川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、絶世の美貌を持った少女。
 性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻にかけ、言い寄る男たちを女王様気取りで下僕のようにあしらう。
 だが、その魔性とも言える魅力を目にした男たちは皆、魅せられてゆく。
 やがて、富江に恋する男たちは例外無く彼女に異常な殺意を抱き始める。
 ある者は富江を他の男に渡さず自分が独占したいため、ある者は富江の高慢な性格に挑発され、ある者は富江の存在の恐怖に駆られ、彼女を殺害する。
 しかし、富江は死なない。何度殺害されても甦る。
 身体をバラバラに切り刻もうものなら、その肉片1つ1つが再生し、それぞれ死亡前と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となる。
 たとえ細胞の1個からでも、血液の1滴からでも甦り、富江は無数に増殖してゆく。そして、その富江たちがそれぞれ、男たちの心を狂わせてゆく。
 これは、そんな魔の美少女・富江と彼女に関わることによって人生を誤る男たち、そして彼らを取り巻く人々の人間模様を描いた物語である。

 映画

 泉沢月子は3年前の交通事故以来、記憶障害に遭い、精神科医の細野辰子のもとで催眠療法を受けていた。
 催眠中の月子の口から「トミエ」という言葉が漏れる。
 そんな細野を、ある刑事が訪れる。彼は月子の元友人・川上富江に関わる謎の怪事件を追い続けていると言うのだ。
 一方、月子の住むアパートに1人の青年が越して来る。
 彼が大事そうに抱える鞄の中身は女の生首。
 彼が愛おしそうに育てるその首は、やがて再生を遂げて1人の美少女の姿となる。彼女こそが富江だった。
 やがて彼女を巡る男たちが、次々と狂気に囚われてゆく……。

 関連作品 ー 黒い家 ー

 「黒い家』(くろいいえ)

 貴志祐介による日本のホラー小説、及びそれを原作とした日本のホラー漫画・日本と韓国のホラー映画。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。

 保険金殺人がテーマとなっており、本作品の発表翌年に発生した和歌山毒物カレー事件と内容が類似していることで話題となった。 書評家の西上心太は、「超能力や妖怪などの超自然的存在を利用せずに血も凍る恐怖を描くことに成功した」と評している[1]。 1999年には、森田芳光監督、内野聖陽・大竹しのぶ主演で映画化された。2007年には韓国でリメイク版が制作された。




 《ストーリー概要》

 大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問する。
 そこで、菰田家の子供(妻の連れ子)が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。
 事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、昭和生命は保険金の支払いを保留するが、重徳は執拗に支払いを求める。
 そんな中、上司の葛西好夫の調査により、重徳がかつて自傷行為により障害給付金を詐取する『指狩り族』グループの一員だったことが判明する。
 疑念を抱いた若槻は、一連の事件の首謀者を重徳と推測し、妻の幸子宛に注意を促す匿名の手紙を送る。
 そこから、若槻自身とその周囲の生命が脅かされる恐怖の日々が始まった。まず、若槻の恋人である恵が勤務する大学の研究室の心理学助手・金石がプロファイリングによって、菰田夫妻はサイコパスだと判断を下した矢先に、金石が惨殺された。
 金石は長期間の監禁・拷問の末殺害されバラバラにされており、若槻は重徳の異常性と犯行の可能性を訴えるが、警察は取り合わない。
 その矢先、菰田家から再び保険金請求の書類が提出されるが、若槻と葛西が病院を訪れると重徳が両腕の肘から先が切断されていた。
 葛西はついに詐欺や不正請求が疑われる契約の解除交渉を専門とする「潰し屋」で元暴力団員の三善の派遣を決断するが…

 関連作品 ー 貞子 ー

 『貞子』(さだこ)

 世界的なホラーキャラクターとなった貞子による、新たな恐怖を描いた映画『貞子』。
 映画『リング』で貞子を生み出した、中田秀夫監督が、新たな貞子の恐怖を描いた。



 《ストーリー概要》

 マンションのある一室。
 クローゼットに閉じ込められている少女は、灯油を部屋に撒き散らす母親の姿に恐怖を感じます。
  少女の母親、祖父江初子は、少女の事を「貞子」と呼びます。
  灯油に火をつけようとする初子、その時、謎の力が働き初子は動けなくなります。 クローゼットの鍵が破壊され、中から出てきた少女は、何かを睨みつけています。
 すると、蛍光灯が割れ、摩擦で灯油に火がつき、部屋中が炎に包まれます。 炎の中で初子は、少女が髪の長い女と立っている光景を目にします。
  心理カウンセラーである秋川茉優は、警察に保護された、記憶を失った少女のカウンセリングを担当する事になりました。
  警察の説明では、少女には不可解な点が多く、母親と思われていた祖父江初子とも、親子である証拠が確認できていないとの事でした。
 一方、茉優の弟である秋川和真は、自身のサイトを開設し、動画を投稿していました。
 マーケティング会社に勤める、石田祐介のアドバイスを受けながら、再生数を稼ごうとしますが、なかなか結果が出ません。 焦った和真は、5人の被害者が出た、マンションの火災現場に侵入し、心霊動画の撮影を開始します。

 マンションのある一室。
 クローゼットに閉じ込められている少女は、灯油を部屋に撒き散らす母親の姿に恐怖を感じます。
 少女の母親、祖父江初子は、少女の事を「貞子」と呼びます。
 灯油に火をつけようとする初子、その時、謎の力が働き初子は動けなくなります。
 クローゼットの鍵が破壊され、中から出てきた少女は、何かを睨みつけています。
 すると、蛍光灯が割れ、摩擦で灯油に火がつき、部屋中が炎に包まれます。  炎の中で初子は、少女が髪の長い女と立っている光景を目にします。
 心理カウンセラーである秋川茉優は、警察に保護された、記憶を失った少女のカウンセリングを担当する事になりました。
  警察の説明では、少女には不可解な点が多く、母親と思われていた祖父江初子とも、親子である証拠が確認できていないとの事でした。
 一方、茉優の弟である秋川和真は、自身のサイトを開設し、動画を投稿していました。 マーケティング会社に勤める、石田祐介のアドバイスを受けながら、再生数を稼ごうとしますが、なかなか結果が出ません。
 焦った和真は、5人の被害者が出た、マンションの火災現場に侵入し、心霊動画の撮影を開始します。
 それから数日後、音信不通になった和真を心配する茉優は、祐介と会います。
 祐介も行方を知りませんでしたが、数日前に、和真がマンションで撮影した心霊動画を投稿し、警察に厳重注意され、強制削除になった事を聞きます。
 祐介は和真を止めましたが、和真は聞く耳を持たず「もっと凄い物が撮れる」と興奮しており、祐介の忠告も聞かない状況でした。
 帰宅した茉優は、和真が撮影し削除した後も、拡散され続けている心霊動画を見ます。
 動画の後半にはノイズが走り、不気味な映像が紛れていました。
 茉優は、何度も心霊動画を見ていくと、動画が不気味な映像に変化し、その中には、何かに怯えているような和真の姿がありました。
 夜の病院、帰宅しようとした茉優は、担当している患者である倉橋雅美と会います。 雅美は、一方的な好意を茉優に押し付け、それが受け入れられないと分かると発狂を始めます。
 雅美に恐怖する茉優、そこへ少女が姿を見せます。

 マンションのある一室。 クローゼットに閉じ込められている少女は、灯油を部屋に撒き散らす母親の姿に恐怖を感じます。
 少女の母親、祖父江初子は、少女の事を「貞子」と呼びます。
 灯油に火をつけようとする初子、その時、謎の力が働き初子は動けなくなります。
 クローゼットの鍵が破壊され、中から出てきた少女は、何かを睨みつけています。
 すると、蛍光灯が割れ、摩擦で灯油に火がつき、部屋中が炎に包まれます。 炎の中で初子は、少女が髪の長い女と立っている光景を目にします。
  心理カウンセラーである秋川茉優は、警察に保護された、記憶を失った少女のカウンセリングを担当する事になりました。 警察の説明では、少女には不可解な点が多く、母親と思われていた祖父江初子とも、親子である証拠が確認できていないとの事でした。
 一方、茉優の弟である秋川和真は、自身のサイトを開設し、動画を投稿していました。
 マーケティング会社に勤める、石田祐介のアドバイスを受けながら、再生数を稼ごうとしますが、なかなか結果が出ません。 焦った和真は、5人の被害者が出た、マンションの火災現場に侵入し、心霊動画の撮影を開始します。
 それから数日後、音信不通になった和真を心配する茉優は、祐介と会います。 祐介も行方を知りませんでしたが、数日前に、和真がマンションで撮影した心霊動画を投稿し、警察に厳重注意され、強制削除になった事を聞きます。
 祐介は和真を止めましたが、和真は聞く耳を持たず「もっと凄い物が撮れる」と興奮しており、祐介の忠告も聞かない状況でした。
 帰宅した茉優は、和真が撮影し削除した後も、拡散され続けている心霊動画を見ます。
 動画の後半にはノイズが走り、不気味な映像が紛れていました。
 茉優は、何度も心霊動画を見ていくと、動画が不気味な映像に変化し、その中には、何かに怯えているような和真の姿がありました。
 夜の病院、帰宅しようとした茉優は、担当している患者である倉橋雅美と会います。
 雅美は、一方的な好意を茉優に押し付け、それが受け入れられないと分かると発狂を始めます。
 雅美に恐怖する茉優、そこへ少女が姿を見せます。
 その時、病院のオープンスペースにあるテレビが、古井戸を映し出します。 古井戸から姿を現した髪の長い女は、テレビから抜け出して雅美へ接近します。
 雅美は震える声で「貞子」と女を呼びます。
 茉優は、少女を連れて逃げ出そうとしますが、貞子に腕を捕まれ逃げる事が出来ません。 茉優はその場で気を失い、倒れてしまいます。

 翌朝、意識が戻った茉優は、少女が危篤状態に陥り、雅美の精神が錯乱している事を知ります。
 和真の動画に貞子が映っていた事から、茉優は雅美に貞子の事を問いただします。
 雅美は「かつて呪いのビデオと呼ばれた都市伝説があり、ビデオを見た者や、関わった者は貞子に呪い殺された」と語ります。
 雅美の友人も全員殺され、雅美も茉優も、もう逃げられないと。 茉優は、貞子の呪いの謎を解く事と、和真を救う目的で、不気味な映像に映っていた大島の岩戸へ祐介と向かいます。
 地元警察の協力を得ながら捜索をするも、和真は見つかりません。
 日も沈み満潮になる事から、捜索は中止されます。 それでも諦めきれない茉優、幼い頃に両親を失った茉優にとって、和真の存在は心の支えでした。
 茉優は岩戸に近づくと、何者かに岩戸の中に引きずり込まれます。
 中は巨大な井戸になっており、震える和真と、悲しい顔で立っている少女を見つけます。
 少女は霊魂に捕まり、あの世に連れて行かれそうになりますが、茉優が少女を抱きしめて救い出します。
 岩戸の中に入ってきた祐介と、茉優は和真を救出しようとしますが、そこへ貞子が現れます。 茉優の足を掴み、水の中に引きずり込もうとする貞子。
 その光景を見た和真が、茉優を救出して、貞子によって水中へ引きずり込まれていきます。
 和真を失い、茉優は泣き叫びます。 数日後、病院のベッドのカーテンを閉め切り、何かに怯えている様子の茉優。 そこへ現れた、貞子の影。 貞子に見つかった茉優は、叫び声をあげます。

〔情報元 :
   映画感想レビュー&考察サイト〕



 

 

もの思う葦 ♯06ー⑥ Horror Movie

2023-07-10 21:00:00 | 日記

 今回は「サイコ」をモチーフにしたホラー映画です。

 「サイコ」とは
 サイコ【psycho】 読み方:さいこ
 多く複合語の形で用いる。
 精神・霊魂に関する意を表す。
  用法としては「—セラピスト」
 〔情報元 :


 『サイコ』(Psycho)
 1960年のアメリカ合衆国のサイコスリラー映画。
 監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はアンソニー・パーキンスとジャネット・リーなど。
 全編モノクローム映像。音楽はバーナード・ハーマン。


 ヒッチコック監督の前作『北北西に進路を取れ』に引き続き、タイトルデザインをソール・バスが担当。
 脚本はジョセフ・ステファノ、作家ロバート・ブロックがエド・ゲインの犯罪にヒントを得て執筆した小説『サイコ』が原作。
 撮影はユニバーサル映画のスタジオ。配給はパラマウント映画。 1992年に「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」としてアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。

 《ストーリー概要》

 アリゾナ州フェニックスの不動産屋で働くマリオンには恋人のサムがいるが、彼は経済的な理由でマリオンとの結婚に踏み切れずにいる。
 マリオンは職場で客が払った4万ドルを銀行まで運ぶことになるが、その金を持ち逃げして車でサムのいるカリフォルニアに向かう。
 途中で警官や中古車店の店主に不審の目を向けられるが、彼女の持ち逃げは表沙汰になっておらず、それ以上のことは起こらない。
 夜になってマリオンはベイツモーテルという小さな宿に泊まることにする。そこはノーマンという青年が1人で切り盛りする小さな宿で、彼は隣接した丘の上に建つ屋敷に母と2人で住んでいるということだった。
 応接室でノーマンと話をしながら夕食をとったあと、客室に戻ったマリオンがシャワーを浴びていると何者かが入ってきて彼女を刺殺し、出ていく。
 丘の上の屋敷から「母さん、血まみれじゃないか」と叫ぶノーマンの声が響く。直後に飛び込んできたノーマンは殺人を隠蔽するために浴室を清掃し、死体と所持品を彼女の車のトランクに押し込み、近くの沼まで運ぶ。車はマリオンの死体と4万ドルを乗せて沼に沈む。
 マリオンの妹のライラは、金を返してくれれば警察沙汰にはしないという不動産屋の社長の言葉を姉に伝えようとサムのもとを訪ねるが、マリオンが来ていないことを知り、2人でマリオンを探すことになる。
 そこに、社長に雇われた私立探偵のアーボガストも加わる。ベイツモーテルを訪れたアーボガストはノーマンに不審を抱き、そのことを電話でライラに伝えたのち、丘の上の屋敷に上がり込むが、部屋から飛び出して来たノーマンの母親らしき人物に殺されてしまう。
 一方、サムとライラは地元の副保安官を訪ねるが、助けを得ることはできない。副保安官は2人に「ノーマンの母親は10年前に死んだ」と告げる。
 2人は手がかりを求めてベイツモーテルに乗り込む。サムがノーマンを引き留めている間に屋敷に忍び込んだライラは、地下室でノーマンの母親の干からびた死体を見つける。
 その瞬間、女装したノーマンが刃物を振りかざして襲いかかってくるが、追いかけてきたサムに取り押さえられる。 精神科医が拘禁中のノーマンを診察し、関係者の前でその結果を説明する。
 母親とノーマンは2人だけの世界で長く暮らしてきたが、10年前に母親が恋人を作るとノーマンは自分が見捨てられたと感じ、母親と恋人を密かに殺害していたのだった。
 それ以来ノーマンの心の半分は彼の母親に占められ、彼は自分自身と母親の2人の人格を持って生きてきたのである。息子を女性から遠ざけようとする母親の人格がマリオンを殺したのだった。
 その頃、留置場でじっと座っているノーマンの心は完全に母親に乗っ取られていた。

 関連作品 ー ミザリー ー

 『ミザリー』(Misery)
 1990年製作のアメリカ映画。スティーヴン・キングの同名小説の映画化作品で、主演のキャシー・ベイツがアカデミー主演女優賞を受賞した。


 
 ポールの小説タイトルであり、小説内のヒロイン名「Misery」とは、直訳で「哀れ・惨めさ・悲嘆」を意味している。

 プロローグ

 大衆向けロマンス小説『ミザリー・シリーズ』の作者である流行作家のポール・シェルダンは、「ミザリー・シリーズ」最終作に続く新作を書き上げた後、雪道で自動車事故に遭って瀕死の重傷を負ってしまう。
 そんな彼を助けたのは、ポールの『ミザリー・シリーズ』の熱狂的な愛読者と称する中年女性アニー・ウィルクスだった。
 元看護婦だという彼女は両足を骨折したポールを献身的に介護するが、看病と言いつつポールを帰さないアニーは、次第にその狂気の片鱗を覗かせ始める。
 アニーの豹変 そんな時、ポールが書き上げたばかりの『ミザリー・シリーズ』の最新作の原稿を見たアニーは、出産によりヒロインが死んでしまうという結末に納得できないという理由で、原稿を燃やす事を強要してくる。
 新作を灰にされたポールは、彼女の狂気に気づいて命の危険を感じたことから、決死の脱出を試みる。
 車椅子を用意して、タイプライターと紙を買ってきたアニーは、「ミザリーを生き返らせろ」と強要してくる。
 「高級な紙はインクがにじむ」と説明すると、再び激昂してアニーは新しい紙を買いに出かけた。
 その隙を狙って、アニーが落としたヘアピンで、部屋の鍵を開けて脱出を試みるが、電話線すら繋がっていなかったため、鎮痛剤を少しだけ盗んで急いで部屋に戻る。
 一方、FBIも加わってのポールの捜索は、ポールの車が雪の中から見つかったことで終了してしまう。しかし、車のドアの傷を見たバスター保安官は、ポールの生存を確信していた。

 脱出計画

 ポールが書いた小説はことごとくアニーに却下されてしまうが、ようやくアニーが納得できる「ミザリー」での執筆が始まり、ミザリー生還を祝うことになる。
 ポールは溜めていた鎮痛剤の粉をアニーのワインに入れ、脱出の計画を立てていたが、アニーはワインをこぼしてしまった。
 やがてポールの足の怪我も快方に向かい、小説も完成間近だと知るアニーは、ポールの逃走を警戒する。
 彼女が買い物に出かけた隙に家探ししていたポールは、アニーのアルバムを発見するが、アニーの周囲の人々は常に謎の死を遂げており、新生児の殺人容疑で逮捕歴があったことも知る。
 ナイフを盗んだポールは、殺される前に殺す決意を固めた。だが真夜中にポールは、アニーに注射を打たれて気を失ってしまう。
 家具の位置が動いていたことで、ポールが部屋から出ていたことがバレてしまったのだ。
 アニーはポールの逃走手段を断つべく、彼の両足を金槌で粉砕してしまう。

 クライマックス

 町でアニーを見かけたバスター保安官はアニーの過去を調べ上げ、彼女が「ミザリー」のファンだという事に気付く。
 聞き込みでアニーがタイプ用紙を買っていた事を知り、アニーの家に向かった。
 危険を察したアニーは、ポールを薬で朦朧とさせて地下に隠す。
 アニーは何食わぬ顔で保安官を迎え入れ、自分がポールの跡を継ぐために小説を書いていると話し、手がかりを入手できなかった保安官はアニーの家を後にした。
 その直後、目を覚ましたポールは助けを求めるが、アニーはそれに気付いたバスター保安官を射殺し、ポールに心中を強要する。
 しかしポールは、その前にミザリーを完成させようと言い包める。
 その後、アニーに完成祝いの準備をさせたポールは、「ミザリーを書き上げた」と告げた。
 直後、アニーの目の前で原稿を燃やしてしまう。
 狂ったように暴れまわるアニーと激しい乱闘の末、彼女の息の根を止めたポールは、辛くも九死に一生を得る。
 
 エピローグ

 1年半後、ポールの新作は大ヒットした。
 しかし日々の生活の中で、アニーの幻影に悩まされ続けていた。

 関連作品 ー サスペリア ー

 『サスペリア』(Suspiria) 

 1977年制作のイタリアのホラー映画。監督はダリオ・アルジェント、出演はジェシカ・ハーパーとアリダ・ヴァリなど。
 トマス・ド・クインシーの1845年の小説『深き淵よりの嘆息(英語版)』をモチーフに、ダリオ・アルジェントとダリア・ニコロディが脚本化し、ドイツのバレエ名門校に入学した若い娘を襲う恐怖を描いている。
 アルジェント監督による「魔女3部作」の1作目。

 ゴブリンが奏でる恐怖の音楽が音響立体移動装置(サーカム・サウンド・システム)により増幅され一世を風靡した。 日本では1977年公開当時のキャッチコピー「決してひとりでは見ないでください、、、」が流行語になり、同年公開の洋画でベストテンに入るヒットを記録、
 その影響で翌年、アルジェントによる1975年の無関係な作品が『サスペリアPART2』として日本公開されている。
 2018年にルカ・グァダニーノ監督により同名でリメイクされた。

 《ストーリー概要》

 バレリーナ志望のスージーは、ドイツにあるバレエの名門校に入学するために、ニューヨークからやって来た。
 空港でようやく拾うことができたタクシーに乗ってスージーは学校に向かう。  
 激しい雨の中、彼女はバレエ学院に到着する。
 学院の建物は赤い館であり、そこの玄関では、若い生徒であるパットが何者かに追われているかのように怯えながら叫んでいた。
 そして、パットが「秘密のドア、アイリス、青いの……。」という言葉を発するのをスージーは聞き取った。
 恐怖に顔をひきつらせたパットは、雷鳴の中をずぶ濡れになって走っていく。
 この奇妙な光景を見たスージーは、インターホンを通じてドアを開けるように頼むが冷たく拒絶されたため、仕方なく出直すことにする。
 一方、パットは友人のアパートにたどり着き、この世のものとは思えない呻き声を耳にする。
 その直後、彼女は窓の外から突然現われた毛むくじゃらの腕に締めつけられ、執拗に胸や腹をナイフで突き刺されて死ぬ。
 また、彼女の悲鳴を聞きつけて駆けつけた友人も殺される。
 翌日、再び学校を訪れたスージーは、ようやく入学することができる。
 そこには、海外旅行中という女理事長の代理のマダム・ブランク、厳格な主任教師のタナー女史、盲導犬に引かれる盲目のピアニストのダニエル、ルーマニア人の下男パブロ、マダムの甥で9歳になるアルバート少年らがいた。
 レッスン中、突然スージーは体調不良に陥り、途中で床に倒れこむ。
 校医の診察を受けたスージーは、増血のためとして葡萄酒を食事に加えられるが、この葡萄酒を飲むとスージーはいつもなぜか眠ってしまう。

 スージーはサラという少女と仲良くなり、学院の様子をこと細かく知るようになる。
 その夜、寄宿舎の天井から白い蛆虫が落ちてくるという事件が起こる。
 学院はパニック状態になるが、屋根裏に保存してあったハムやソーセージに寄生したものだったと判明する。
 そこで当分の間、生徒たちは全員、バレエ練習用の大ホールにベッドを移して寝起きすることになる。
 真夜中、ベッドに入っても眠れないスージーとサラは、大きな仕切り用のカーテンの向こうから漏れてくる不気味な呻き声にひどく怯え、またその呻き声の周辺からどこかへ立ち去っていく奇妙な足音を耳にする。
 サラは、呻き声の主が海外旅行中の理事長ではないかとスージーに告げるが、翌朝それをタナー女史に尋ねると、冷たい否定が返ってくる。
 次の日、アルバートがダニエルの盲導犬に噛みつかれるという事件が起きる。タナーは烈火のごとく怒り、ダニエルを解雇する。
 ダニエルは「私は目が不自由でも耳は良いんだ。こんな呪われたところ出て行ってやる」と捨て台詞を吐きながらその場を立ち去る。
 こうした事件の起こる中、スージーとサラは、夜ごとタナーたちの靴音に好奇心をかきたてられる。
 なぜ教師たちの靴音が響き、突然それが消えてしまうのか。
 サラはその靴音を追って廊下に忍び出る。その夜、ビアホールからの帰り道に、ダニエルは自分の盲導犬に噛み殺される。
 次の夜、スージーの寝室に来たサラは、最初に変死したパットから、死の直前に奇妙な話を聞かされ、謎めいたメモを預けられたことを告げる。
 しかしスージーは睡魔に襲われる。仕方がなく自室に戻ったサラは、恐怖心に襲われ、廊下に逃げ出す。
 何者かが追いかけてくる気配を感じ、屋根裏へ逃げ込むが、高い窓から工具室に転倒する。
 彼女はそこにあった無数の細い針金にからまれ、何者かによってナイフで腹を刺された末、喉を掻き切られて死亡する。 

 翌朝、サラの姿が見えないことを不審に思うスージーに、サラが荷物をまとめて退学していったとタナーが告げる。
 奇妙に思ったスージーは、サラの友人の精神科医フランクを訪ねて学院についての奇妙な出来事を相談するが、そこでフランクは学院の歴史と魔女についての話をし、より詳しいミリウス教授の話もその場で聞くことになる。
 学院は1901年にギリシャから来た「エレナ・マルコス」なるギリシャからの亡命者によって当初バレエと神秘学の学校として創設されたが、マルコスには「溜息の母」という魔女ではないかという疑いがあった。
 マルコスが富と名声を得るにつれて周りからの疑いはますます増えていったが、1905年に彼女は火事で亡くなり、学院はバレエ学校としてマルコスの教え子が引き継いだという。
 また、魔女は長老となる者を中心に契りを結んで集まりを形成し、長老から力を発揮するが、もし長老が死んだ場合はその集まりに参加していた魔女たちも一緒に死ぬという。
 その夜、自分以外の生徒はボリショイ・バレエ団の公演を見に向かったため、誰もいない寄宿舎に戻ったスージーは意を決して、葡萄酒を捨て、秘密を暴こうとする。
 足音の数だけ廊下を歩くと、スージーは校長室にたどり着く。
 そこでスージーは、学院に到着した日に会ったパットが発した言葉を思い出す。彼女は壁にアイリスの飾りがあるのを見つけ、青いアイリスを回すと秘密のドアが開いた。
 奥の部屋では教師たちがスージーを呪う儀式をしている。
 この学院は魔女たちの館であり、バレエ教室はもともと魔女の儀式の踊りから派生したものだったのだ。
 姿を見られたスージーは別の部屋に逃げ込むが、そこには長老のマルコスがカーテン越しのベッドにいる。
 スージーはカーテンを開けるが、そこには誰もいない。
 すると、マルコスの嘲笑と共に突然、サラの死体が動きだし、スージーに向かって襲いかかってくる。
 絶体絶命のピンチとなった時、雷の光がマルコスの透明な身体を光で浮かび上がらせた。スージーは全力を振り絞って、壊れたガラス製の孔雀の置物の羽根を取って、マルコスの喉を突き刺した。
 マルコスの断末魔のサイコキネシスにより館が崩れはじめる。教師たちの阿鼻叫喚の中、やっとのことで館の外に逃げ出すスージー。
 激しい雨の中スージーは笑みを浮かべながら去っていき、教師たちのものと思われる阿鼻叫喚の悲鳴の中、館が炎上する様をバックにエンドロールとなる。

 関連作品 ー 鳥 ー

  『鳥』(The Birds)

 1963年のアメリカ合衆国の映画。
 ジャンルは生物パニックもののサスペンス。アルフレッド・ヒッチコック作品。
 原作はダフニ・デュ・モーリエによる同タイトルの短編小説。
 1970年代に量産された動物パニック映画の原点でもある。



 《ストーリー 概要》

 若きソーシャライトのメラニー・ダニエルズ(ティッピ・ヘドレン)は、サンフランシスコのペットショップでミッチ・ブレナー(ロッド・テイラー)という弁護士と出会う。
 ミッチは、11歳になる妹の誕生日プレゼントにしようとつがいのラブバードを探していたのだった。
 ミッチに興味を持ったメラニーはラブバードを購入し、カリフォルニア州ボデガ・ベイにあるミッチの家に届けてやる。
 しかし一羽のカモメが突如彼女を攻撃し、彼女は額に怪我を負う。
 メラニーはミッチの家での夕食に招かれ、妹のキャシー(ヴェロニカ・カートライト)とも仲良くなるが、ミッチの母親のリディア(ジェシカ・タンディ)は息子がメラニーと親しくなることを快く思わない。
 メラニーは、たまたま知り合ったアニー・ヘイワース(スザンヌ・プレシェット)という小学校教師の女性の家に泊めてもらうことになる。アニーはミッチのかつての恋人だった。

 翌日、キャシーの誕生パーティの最中に子供たちがカモメの大群に攻撃される。
 夜には大量のスズメが暖炉の煙突からミッチの家に飛び込んでくるという事件が起こる。 さらに翌日、近所の住民が鳥に目を抉られ殺されているのをリディアが見つける。
 また、アニーの小学校では鴉の群れが子供たちを襲い、生徒を守ろうとしたアニーは鴉たちに殺されてしまう。
 メラニーは港近くのレストランでミッチと落ち合うが、ここでもカモメの大群が人々を襲い、街はパニックに陥る。
 メラニーとブレナー一家は、窓やドアに板を打ちつけて家に立て籠もるが、次から次へと鳥が家を攻撃してくる。
 ついにはメラニーが屋根を壊して入り込んだ鳥の群れの攻撃を受けて気絶し、ミッチによって助けられたものの精神のバランスを崩してしまう。
 ミッチたちはこの家を抜け出すことを決め、鳥が家の周りをびっしりと取り囲んでいる中をなんとか車庫にたどりつき、車を出す。
 カーラジオでは鳥の攻撃が近隣に拡大していることを報じていた。

     〔ウィキペディアより引用〕



 

 

もの思う葦 ♯06−⑤ Horror Movie

2023-07-09 21:00:00 | 日記

 前回と同様「殺人鬼(モンスター)」を紹介させて頂きます。
 “これ、ホラーなの?”と思われる方もいると思いますが、一部分がソフトホラーという事で。

 『セブン』(Seven)
(劇中の表記は"SE7EN")
 猟奇殺人を描いた1995年のアメリカ映画。監督はデヴィッド・フィンチャー。

 キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件と、その事件を追う刑事たちの姿を描いたサイコ・サスペンス。
 先鋭的な映像センスと、ノイズを活用した音響により、シリアスかつダークな独特の世界を描いている。
 4週連続で全米興行成績1位に輝いた大ヒット映画であり、IMDBでは『第三の男』、『シャイニング』を上回る評価を得ている。


 《ストーリー概要》

 序盤

 雨が降り続く、とある大都会。退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事ウィリアム・サマセットと、血気盛んな新人刑事デビッド・ミルズは、ある死体発見現場に急行した。
 死体は信じられないほど肥満した男であり、彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。
 状況から、何者かによって手足を拘束され、銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。
 サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する。
 次の被害者は強欲な弁護士のグールドであり、彼は高級オフィスビルの自室で血まみれになって殺されていた。死体はちょうど贅肉の部分を1ポンド分切り落とされており、状況から犯人は2日かけて、被害者にどこの肉を切るか選ばせていたと推定された。現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字が残されており、サマセットは、犯人が「七つの大罪」をモチーフにして殺人を続けていると判断する。
 
 中盤

 ミルズの妻トレイシー・ミルズはサマセットを食事に招く。
 サマセットはトレイシーとすぐに打ち解け、3人に束の間の笑いが生まれる。
 その晩、2人は夜通し証拠を見返す内に、血で目が強調されたグールド夫人の写真に目を留める。
 すぐに2人は夫人に接触し写真を見せると、ある絵が上下逆さまになっていることが判明する。2人がその絵を調べると、裏の壁に指紋で書かれた「HELP ME」の文字が発見し、その指紋から前科者であるヴィクターという通称の男が浮かび上がる。
 彼を犯人と見込んだ警察が彼の部屋に踏み込むと、左手首を切られ、舌を噛み切った状態で、ベッドに縛りつけられ廃人状態となった姿で発見された。
 壁には「SLOTH(怠惰)」の文字が書かれていた。
 部屋には警察が踏み込んだ日の1年前からヴィクターが衰弱していく模様を写した写真が残されており、犯人は計算した上で彼を拘束したちょうど1年後に部屋へ踏み込ませたのだった。
 翌日、トレイシーはサマセットをダイナーへ呼び出す。トレイシーは「この街に長く住んでいる人と話がしたかった」、「自分は教師で、いろんな学校を見たが、ここの状況はひどすぎる」と相談する。
 しかしサマセットはトレイシーの様子を見抜き、「本当は何を話したい?」と問う。トレイシーはミルズとの間に子供ができたこと、この街が大嫌いだと告げる。
 サマセットは「自分にも結婚を考えた女性が妊娠したが、“こんな酷い世界に子供を産むのか?”と自問し、彼女に堕胎をするように何週間も説得した」と明かす。そして「子供を諦めるなら妊娠は秘密にしろ。もし産むつもりなら、精一杯甘やかして育ててやれ」とアドバイスする。

 終盤
  手がかりを失い、次の犯行を待つだけになったミルズは苛立ちを募らせる。
 「クズは図書館に通おうとヨーダにはなれない」というミルズの言葉にサマセットは知人のFBI関係者と裏取引し、図書館の貸し出し記録を違法に入手する。
 その記録から「七つの大罪」に関する書物を借りていた、明らかに偽名と分かる「ジョン・ドウ」という男を容疑者として割り出す。
 サマセットとミルズは、その偽名のジョンという男のアパートを訪ねるが、偶然、帰宅してきた彼と鉢合わせする。ジョンは2人に発砲すると逃走をはかり、ミルズは後を追うが、隠れていたジョンに顔を殴られ、頭に銃口を突きつけられる。
 しかし、何故かジョンは撃たず、逃走する。 警察がジョンの部屋の捜査を始めると、これまでの被害者の写真が発見され、彼が一連の事件の犯人と断定される。
 さらには、ヴィクターの自宅を捜査していた時に撮られたミルズの写真も発見される。
 ジョンは大胆にも報道カメラマンを装ってミルズの前に現れていたのだった。
 そこへ彼から電話があり、彼は警察への称賛と計画変更を挑戦的に告げる。 ほどなくして、ある娼婦が4番目の犠牲者「LUST(肉欲)」として殺害された。
 ジョンは男に銃を突きつけて股間に刃物の付いた器具を無理矢理履かせ、娼婦の性器に挿入させて殺していた。
 続けざまに美人モデルが5番目「PRIDE(高慢)」の死体として発見された。
 彼女は自慢の顔面を切り裂かれ、片手に持たされた電話機で警察・病院へ通報することなく、もう片方に持たされた睡眠薬で自らの命を絶っていた。

 ラスト

 「ENVY(嫉妬)」「WRATH(憤怒)」が残る中、サマセットらが勤める警察署に血塗れの服を着たジョンが自首してくる。
 彼は取り調べを受けるが、本名、経歴、目的は一切不明であった。
 ジョンは弁護士を通じてミルズとサマセットの2人を指名し、彼らに残る2つの死体の隠し場所を教えるという。
 警察は取引に応じ、ジョンは2人を伴ってある荒野に連れて行かせる。
 3人が待っていると、宅配便の車がやってきて1つの小さな箱を置いていく。
 サマセットが調べると、箱の中にはトレイシーの生首が入っていた。
 サマセットは6番目の「ENVY(嫉妬)」はミルズと生活しているトレイシーに嫉妬したジョン自身、7番目の「WRATH(憤怒)」はトレイシーを奪ったジョンに憤ったミルズのことだったことを悟りミルズを止めようとする。
 ジョンはミルズに箱の中身を教え、自分は彼を羨んでトレイシーを殺したと明かした。
 逆上したミルズはサマセットの制止を無視してジョンを射殺する。
 ジョンの目論みは成功し、彼の正体も動機も不明のまま事件は終結した。


 以前、紹介させて頂いた作品です。
 関連作品 ー 羊たちの沈黙 ー

 映画については、以前、綴らせて貰っているので今回は、省かせて貰います。
 なので、殺人鬼バッファロー・ビル(配役 : テッド・レヴィン)について綴らせて貰おうかと。

 
 バッファロー・ビルことウィリアム・フレデリック・コーディ
(英語: William Frederick "Buffalo Bill" Cody)
(生没 : 1846年2月26日〜1917年1月10日)
 アメリカ西部開拓時代のガンマン、興行主であり、米国の西部開拓者。
 1872年に名誉勲章を受章した。



 アイオワ準州(のちのアイオワ州)のルクレール(英語版)近くの丸太小屋の農場にて生まれる。
 両親、父アイザック・コーディと母メアリー・コーディは1840年にオハイオ州シンシナティからアイオワ準州に家族と共に移住していた。
 1853年に兄のサミュエルが死んだ後、彼と家族はアイオワ準州からカンザス州に移住し、幼時から馬や銃の扱いに長けていたといい、まだ15歳だった1861年にポニー・エクスプレスの御者として雇われている。
 雇われた当時のOverland Stage Companyの部長はジャック・スレードだった。
 1859年、コロラド州で金鉱開発などにも携わった。
 西部の情報通であったことから軍と深い交流があり、斥候を務めるなどしてまたシェリダン将軍のインディアン討伐にも協力した。
 1866年にルイザ・フリードリヒと結婚し、同年に娘のアルタが生まれる。
 1867年にバッファロー・ハンターとして鉄道建設労働者に食糧を供給した。“バッファロー”の渾名(あだな)はここに由来するとも、或いはバッファロー狩りのコンテストで二位を引き離して大勝したためとも言われる。
 「コーディ」は、「ダコタ生まれ」の意味。 南北戦争中はアメリカ陸軍のスカウトとして勤め、北軍に雇われたワイルド・ビル・ヒコックの部隊を救出するなど活躍を見せる。
 1869年にはダイム・ノベルの作家であったネッド・バントライン(英語版)が彼の半生を小説にしたことで、ビルの名は広く知られるようになる。
 1870年にネブラスカ州で息子のキット・カーソンが生まれる。

 1875年にはニューヨーク州ロチェスターに一時期家族と暮らした。同年、ネブラスカ州で土地に投資し、リバーランチを確立し、翌年には公人としてインディアンの権利のために主張し始めた。
 1882年7月4日にはネブラスカ州ノースプラット(英語版)で『オールド・グローリー・ブロー・アウト』を開催する。1883年に娘イルマ・ルイーズが生まれるが1年にも満たない内に亡くなっている。
 1886年にノースプラットでスカウトレスト牧場を構築し、翌年にネブラスカ州の国家警備隊の大佐に任命される。
 1894年には女性参政権と保護問題についての見解を述べた。
 1896年からワイオミング州で投資家を集め町(現在のコーディ市)造りの開拓に没頭した。
 1899年にはコーディ市の新聞会社コーディ・エクスプレスを設立し、1900年にビッグホーン盆地の土地を灌漑などのプロジェクトの為、巨額を費やして開発を行う。
 1905年から彼が取り掛かっていたバッファロー・ビル・ダムのダム開発は1910年に完成する。
 1902年に妻ルイザ・フリードリヒが死ぬ。同年に彼は鉱山会社を設立し、アリゾナ州オラクル(英語版)の鉱山で、多額の投資を開始する。
 1880年ころから拳銃捌き・駅馬車襲撃などを実演してショー化した『ワイルド・ウェスト・ショー』を立ち上げ、米国内やヨーロッパを巡業した。
 往年のガンマンや無法者、そしてスー族インディアンのシッティング・ブル本人などが参加したため人気を集め、興行は大成功した。
 生まれ故郷のアイオワ州でも何度もワイルド・ウェスト・ショーの興行を開催したが、1913年のアイオワ州ダベンポートでの開催を最後にする。

 1917年に死去するとその遺体は、西部を愛したバッファロー・ビルの遺言に従って、ロッキー山脈の麓、デンバー西郊のゴールデンに埋葬された。
 現在デンバーには彼を記念した「バッファロー・ビル・ミュージアム」がある。
 NFLのAFC東地区のチーム、バッファロー・ビルズにその名を残す。 ワイオミング州にある町、コーディは彼が作った町である為、名は彼の本名コーディの名に因んでおり、バッファロー・

ビルの銅像や博物館などもある(因みにネブラスカ州とフロリダ州にも同名の町が存在するが、彼の名との関係は無い)。
 ネブラスカ州ノースプラットにも彼の博物館や、彼が住んでいた自宅や牧場などがある。
 コロラド州デンバーには彼の博物館があり、墓所も存在する。

 映画『羊たちの沈黙』名ゼリフ集

 ●クロフォード :「ハンニバル・レクタ 
  ーを頭の中に入れてはいけない」

   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 ●レクター :「教えてくれ。ミグズは君
  になんて言った?隣にいる多重人格
  のミグズだよ。君をからかっだろ
  う。なんて言った?」

 クラリス :「”アソコの匂いがする
  ぞ”って」

 レクター :「そうか。私には匂わん。
 (ガラスの穴越しに空気を吸い込み)君
 はエヴィアンのクリームを使ってる
 な。
 それに香水はレール・デュ・タンだ
 が、今日はつけてない」

     ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 ●クラリス :「犯人を興奮させるのよ。ほとんどの連続殺人者は、被害者の記念品を取っておく」

  レクター :「私は違った」

  クラリス :「そうね、あなたは食べたわ」

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 ●レクター :「国勢調査員が、私を調べ  
  ようと来たことがあった。そいつの
  肝臓を食ってやったよ。
  ソラマメとキャンティ・ワインと一緒にな」

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 ●レクター :「第一原理だよ、クラリ  
  ス。単純さ。マルクス・アウレリウ
  スを読め。
  それぞれについて、本質的なものは 
  何か、本性は何かを問うのだ。
  おまえが追っている男は何をしてい
  る?」を読め。
  それぞれについて、本質的なものは  
  何か、本性は何かを問うのだ。
  おまえが追っている男は何をしてい
  る?」
   _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 この人物がモデルなら、疑問符を打ちたくなる。
 意図的ならば、理由は何だろう?

 Webで調べたところ

 「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス、「羊たちの沈黙」のバッファロー・ビルといったキャラクターは、ゲインに着想を得たとされている。
 同作では、ゲインの生い立ちと母親との歪んだ関係をはじめ、初期の墓荒らし、逮捕に至るまでの殺人、警察が発見した恐怖の家などを、録音で明らかになった全く新しい事実と共に4部構成で探求する。

 製作総指揮・監督を務めたジェームズ・バディ・デイ監督は、「何年もの間、映画製作者、ジャーナリスト、学者がこの悪名高い殺人者の心を解き明かそうとしてきました。
 新しい発見と今まで聞いたことのない録音で、視聴者は1950年代後半の合衆国中部へ運ばれ、ゲインの倒錯した心の底に沈められるでしょう」とコメント。

 ゲインとは

 エドワード・スィアドア・ゲイン
(英語: Edward Theodore Gein[ɡin](1906年8月27日〜1984年7月26日)
 アメリカ合衆国の殺人犯、死体泥棒。「プレイン・フィールドの屠殺解体職人」(The Butcher of Plainfield)、「プレイン・フィールドの墓荒らし」(Plainfield Ghoul)との異名を取る。
 ウィスコンスィン州プレイン・フィールドにある墓場から死体を盗掘し、その死体の皮膚や骨を使って創り上げた「記念品」を州当局が発見したことにより、その名を知られるようになった。

 1954年に居酒屋の女主人、メアリー・ホーガン(Mary Hogan)を、1957年に金物工具店の女主人、バニース・ウォーデン(Bernice Worden)を殺害したことを告白した。
 当初、彼の精神状態は裁判には耐えられない、と判明したことで、精神療養施設に収容されていた(1968年の時点では、彼は「裁判に耐えうる」と判断されていた)。
 ゲインはバニースを殺した廉で「有罪」とされた が、法的に「正気を失っている」と判断されたことで精神病院に収容された。
 1984年7月26日、ゲインは呼吸不全(Respiratory Failure)で亡くなった。
 プレイン・フィールド墓地内部にある自分の家族が眠るすぐ隣に、人目に付かない形で埋葬されている。

 「生い立ち」については次回の機会で。
   
    _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

  テッド・レヴィンについて

(当時と多分近影) 

 バッファロー・ビルは、女性を誘拐・殺害した上で皮膚を切り取る連続殺人犯である、映画「羊たちの沈黙」の登場人物。
 太めの女性を狙い、3日間ローションを塗って手入れをさせた上で殺害し、皮をはぎとり、遺体は川に捨てる。皮を使って、服を作っている。
 皮をはぐ手口から、メディアには「バッファロー・ビル」と言われている。
 上院議員の娘キャサリン・マーティンを誘拐(手が不自由でイスをバンに積み込めないフリをして、手伝ってくれたキャサリンを車の中で殴って気絶させる)し、井戸に閉じ込める。
 最初の犠牲者フレデリカの交友関係を調べていたクラリスが家にやって来て、殺人犯であることに気づかれる。
 クラリスを地下におびき出して部屋を真っ暗にし、暗視スコープを使ってクラリスに銃で狙いを定める。
 だが、撃鉄を起こした音に反応したクラリスによって撃ち殺される。

 略歴

 オハイオ州クリーブランドで生まれる。   
 シカゴ大学で学び、シカゴで舞台に立つようになる。
 1980年代はじめからテレビや映画にも出演しはじめるが、1990年に『羊たちの沈黙』で連続誘拐殺人鬼バッファロー・ビルを演じ一躍注目を浴びる。
 近年は、テレビドラマ『名探偵モンク』において、モンクの良き理解者である、リーランド・ストットルマイヤー警部役で知られる。

     〔ウィキペディアより引用〕