都合のいい真実

長いこと写真で食べているといろんな疑問を
抱えます。歳をとればとるほど多くなるんで
すが、デジタル化が進んで、フィルムで撮影
することはなくなり、最初からデジタル撮影
をして加工までしてしまう。
それをだれでも簡単にできるようになりました。
ある意味いいことです。
しかし、撮影後、必ずといっていいほど
誰もが「修正してください」というようになり
しなくていいものまで過度に修正しています。
私も求められれば、やってしまうんですが、
これは果たしていいのか？
と、疑問に思うことも多々、多々あるので
ございます。
なので今年は、あまり真実から外れた修正は
行わないで行こう！真実に沿ったものにしましゅ。
まっ、出来る範囲で。

そしてもう一つの疑問、これはずいぶんと
昔から思っていることですが、写真家は
都合のいい事実だけを切り取って世に発表
してないか？
ということです。
風景を撮っていれば、360°ある風景の
ほんの3分の1ぐらいの画角、120ぐらい
まででいいとこ撮りして世に出す。
真実は映らない240°にもあるのに、、、
悪いことではないのですが、決められた
角度からだけで見せられる風景も多く、
果たして良いんだろうかと、ついつい考え
てしまうのです。これは20年以上前に
行きたくて受けた仕事でタージマハールを
訪れたとき、正面の写真しか見たことが
なかったので是非とも裏を見たくて裏に
回り撮影をしたことが始まりです。

上っ面ばかりをみるのではなく、
ちょっと時間かけて、よそ見をするだけで
いろんなことが分かるのでは？
と思うようになりました。

モノの撮影に関しても、時間や予算がない
からと決められたことをやるのではなく、
ちょっと視点を変えてみる努力をしないと、
そのものの良さなどわからないのでは？
風景に関しても、ちょっと見る場所と
時間を変えて見ることが必要なのでは？

報道写真に関してはもっと求められるのでは？

確かに映っているものは真実でしょうが、
自分にとって都合のいいものばかり切り
撮っていて果たしていいのか、
真剣に考える時期なのではと考えるよに
なりました。
物事の本質もわからずいい加減な言葉を
並べて、ただただ綺麗に撮って人に見せる
やり方を少しでいいから変える時期でしょう
かね～～～～
なんて考えつつ、今日もいつもの川へ。