A氏「目が見える間に、精一杯やろうと思っています」
私「・・・・・・・・・・・」
8年前の2006年のこの時期だったと記憶していますが
厚生労働省で発行していた障害者の雇用促進に関する
冊子の撮影と印刷データ仕上げまでを請け負い、
作業をしていた私はあの時の彼の言葉がこの時期に
なると今も思い出されてなりません。彼は私と同い年で、
目はぼんやりと見えるだけで字など細かいものはもちろん、
外の標識なども読むことはできません。
そして医師から宣告されていることが、いずれ完全に失明
するであろうこと。彼はこのことを受け入れ、会った当時の
今を精いっぱい生き抜いているようでした。彼との出会いで
私は自身の生活・仕事への考え方・取り組み方が大きく
変わりました。
彼だけは2度にわたり撮影をし、2度目は私1人でうかがった
ので少しプライベートな質問などをされて応えた覚えが
あります。それと何より、うちから近い場所だったので
一度会いに行ってみたいとこの時期になると思うのです。
ちょっと老眼が進んだからといってがたがた言っている
自分のダメさ加減を反省するのがこの年度始めでしょうか。
ちょうど鯉のぼりが泳いでいた時期でした。
鯉のぼりを見るたび彼の言葉を思い出すのです。
そして、動ける間に、見える間に後悔のないように
仕事と生活をしてまいりましょう!