今回の「英英辞典でクイズ!」は「H」で始まる単語です。
このブログを見て勉強の一環にしてくれている人がどのくらいいるのか分かりませんが、こうして英英辞典を引く機会を持ち続けること自体が自分自身にとって有益になっています。
今までは時々気になる単語を調べるという程度だったので、なんとなく宝の持ち腐れ的な感じでした。でも、定期的に英英辞典を引くようになって、以前よりも“英語のカタチ”が分かるようになってきた気がします。
まだまだ「Z」までは長いですが、今はむしろ「もっともっと英英辞典に親しむことができる」という楽しみのほうが強いです。自分の意欲と「楽習」を推進する意味でも、このコラムを始めてよかったなーと思っています。
それでは、今日の問題いきますよ。
1. a long piece of material that you hang between two poles or trees and lie on
2. an action in which two people hold each other's right hand and move it up and down when they make an agreement, meet each other, or leave
3. to stop for a moment before doing or saying something
4. all the events that happened in the past
5. a VIRUS that can cause the disease AIDS
6. a holiday that people have after their wedding
7. when you behave in a friendly way towards visitors and make them feel welcome
8. a violent storm with very strong fast winds
(1.2.3.5.6.7 : Longman Wordwise Dictionaryより引用)
(4 : Oxford Advanced Learner's Dictionaryより引用)
[注釈]
material : 物質、材料、素材
lie on : 寝る、横になる
agreement : 契約、同意、約束
VIRUS : ウイルス、病原体
behave : 振る舞う、行儀よくする、~の素振りをする
violent storm : 大嵐
[Answer]
1. hammock(ハンモック)
2. handshake(握手)
3. hesitate(ためらうこと・躊躇する)
4. history(歴史)
5. HIV(HIVウイルス)
6. honeymoon(ハネムーン)
7. hospitality(おもてなし)
8. hurricane(ハリケーン)
今回は、ちょっと今までとは違った趣向で問題を選びました。
これまでは名詞のみでしたが、今日は動詞も入ってますし、「おもてなし」のような行動様式に関する言葉も入れました。
実際、「もてなす」みたいな単語は知っていれば何のことはありませんが、知らなければ上手く適当な言い回しを見つけなければなりません。
どういうことを言いたいのかが相手に伝わるようにするには、やはり日頃から練習していないと咄嗟には難しいです。だから、こういう言葉の表現法を学ぶのは実際に役立つと思います。
例えば「お盆」という行事を、それを知らない国の人に説明しようとする時、どういう風に表現するか、とか。「早起きは三文の徳」とか「猫に小判」「知らぬが仏」みたいな“ことわざ”を外国人に説明しなければならないとしたらどうする、とか。そういったことを僕は時々考えてます。
まあ、ことわざとかは結構、英語にも対応するようなものがあるので、それで代用してもいいんですが、日本特有の伝統行事やしきたりに関しては、どうしても説明が求められてきます。
でも、その伝統や慣習についての自分の理解が浅ければ説明も何もできません。だから、英語(外国語)を学ぶというのは、裏返せば、より母国のことを知るってことでもあるんだな、と最近思うようになりました。
おまけ1 : [history]
4番の「歴史」のような言葉には、たいてい幾つもの用法があります。
一緒に考えてみましょう。(OALDより引用)
4-2. the past events concerned in the development of a particular place, subject, etc.
4-3. the study of past events as a subjects at school or university
4-4. a written or spoken account of past events
どれも言葉では[history]ですが、それぞれ使われる意味が微妙に異なっていますね。
ある特定の場所や物事の発展に関わる「歴史」、学校や大学で習う教科としての「歴史」、記述または口述による過去の出来事の記録としての「歴史」。
一言で「歴史」といっても、様々な使い方があるのは日本語も英語も一緒ですね。
おまけ2 : [horoscope]
a description of what might happen to you in the future, based on the position of the stars and PLANETS when you were born (LWDより引用)
ホロスコープとは、占星術で使われる出生図のことです。占星術では[chart](チャート)と呼ぶこともありますが、だいたいの意味は同じです。
ところで、ここで最初に使われている[description]という単語は、日本語にすると雑多になってややこしい言葉の一つです。あえて[description]を訳すと、次のようになります。(「英辞郎」より)
【@】ディスクリプション、デスクリプション、【変化】《複》descriptions、
【名-1】言葉による叙述、記述、記載、描写、説明(書)、解説、概要、詳細、内容、明細書本文
【名-2】意味◆表の項目として
【名-3】種類
【名-4】《医》性状◆医療用薬品の説明書などに記載されている
【用例・名-1】 The received item was not as description in the catalog. : 《レター》受け取った商品がカタログの説明と違っていました。
僕としては、[description]という言葉のイメージそのままを捉えて覚えたほうがいいと思っています。本来、単語とはそういうものなんでしょうけど、日本人は「母国語に訳して理解する」という教育を長年受けてきたために、その習性が抜けず邪魔をしちゃうんですね。
これと似たような表現の訳語としては、[syllabus]という単語があります。
もう10年近く前ですが、高校時代の後輩がカナダに留学している時に、よく向こうの生活のことを話してくれました。そんなときに出てきた言葉の一つです。(これも「英辞郎」より。「英辞郎 on the Web」もあります。)
【変化】《複》syllabuses、
【名】シラバス、教授細目、教授要目、時間割り、講義摘要、判例要覧
簡単に言えば「教えている内容」ということですよね、これは。
“教授細目”とか、日本人でも意味不明になりそうな訳は逆に分けわかんなくなります。 だから、こういう単語は訳で覚えようとせずに、その語感や指し示されるイメージで丸ごと把握したほうがいい。
ときどき英和辞典を引いていると、難しい日本語に逆に“辟易”してしまうことがあります。例えば、いま意図的に使った“へきえき”という言葉も、日本語を習っている外国人には難しいでしょう。それと同じことだと思います。
これを簡単に、「辟易ってのはね、“やだなー、うんざりするぜ ”ってことだよ」と説明してあげれば相手もよく分かるはずです。
難しいことを優しい言葉にして理解する
それが「英英辞典を使う」ってことだと僕は思っています。
P.S.
(→PS is an abbreviation for 'postscript'.(LWD) ※abbreviation:「Part4」参照)
ちなみに、[syllabus(syllabuses)]という単語をロングマンで引くと、次のように書かれています。
a list of all the things that students will study on a course
もう最初のリストという言葉で、シラバスってのが何を表すのかが分かります。
だいたい言葉のイメージとしては、前半の「a list of all the things(あらゆることのリスト)」を頭に入れておけばいいんじゃないかと思います。
オックスフォードには、「学生が勉強する際の、何かの本やトピックなどに関するリスト」といった感じの説明がなされています。多少具体的になっただけで、言いたいことはロングマンと同じですね。
いずれにしても、講義摘要とか教授細目なんていう日本語よりも、英英辞典での説明のほうがずっと分かりやすいでしょ?
このブログを見て勉強の一環にしてくれている人がどのくらいいるのか分かりませんが、こうして英英辞典を引く機会を持ち続けること自体が自分自身にとって有益になっています。
今までは時々気になる単語を調べるという程度だったので、なんとなく宝の持ち腐れ的な感じでした。でも、定期的に英英辞典を引くようになって、以前よりも“英語のカタチ”が分かるようになってきた気がします。
まだまだ「Z」までは長いですが、今はむしろ「もっともっと英英辞典に親しむことができる」という楽しみのほうが強いです。自分の意欲と「楽習」を推進する意味でも、このコラムを始めてよかったなーと思っています。
それでは、今日の問題いきますよ。
1. a long piece of material that you hang between two poles or trees and lie on
2. an action in which two people hold each other's right hand and move it up and down when they make an agreement, meet each other, or leave
3. to stop for a moment before doing or saying something
4. all the events that happened in the past
5. a VIRUS that can cause the disease AIDS
6. a holiday that people have after their wedding
7. when you behave in a friendly way towards visitors and make them feel welcome
8. a violent storm with very strong fast winds
(1.2.3.5.6.7 : Longman Wordwise Dictionaryより引用)
(4 : Oxford Advanced Learner's Dictionaryより引用)
[注釈]
material : 物質、材料、素材
lie on : 寝る、横になる
agreement : 契約、同意、約束
VIRUS : ウイルス、病原体
behave : 振る舞う、行儀よくする、~の素振りをする
violent storm : 大嵐
[Answer]
1. hammock(ハンモック)
2. handshake(握手)
3. hesitate(ためらうこと・躊躇する)
4. history(歴史)
5. HIV(HIVウイルス)
6. honeymoon(ハネムーン)
7. hospitality(おもてなし)
8. hurricane(ハリケーン)
今回は、ちょっと今までとは違った趣向で問題を選びました。
これまでは名詞のみでしたが、今日は動詞も入ってますし、「おもてなし」のような行動様式に関する言葉も入れました。
実際、「もてなす」みたいな単語は知っていれば何のことはありませんが、知らなければ上手く適当な言い回しを見つけなければなりません。
どういうことを言いたいのかが相手に伝わるようにするには、やはり日頃から練習していないと咄嗟には難しいです。だから、こういう言葉の表現法を学ぶのは実際に役立つと思います。
例えば「お盆」という行事を、それを知らない国の人に説明しようとする時、どういう風に表現するか、とか。「早起きは三文の徳」とか「猫に小判」「知らぬが仏」みたいな“ことわざ”を外国人に説明しなければならないとしたらどうする、とか。そういったことを僕は時々考えてます。
まあ、ことわざとかは結構、英語にも対応するようなものがあるので、それで代用してもいいんですが、日本特有の伝統行事やしきたりに関しては、どうしても説明が求められてきます。
でも、その伝統や慣習についての自分の理解が浅ければ説明も何もできません。だから、英語(外国語)を学ぶというのは、裏返せば、より母国のことを知るってことでもあるんだな、と最近思うようになりました。
おまけ1 : [history]
4番の「歴史」のような言葉には、たいてい幾つもの用法があります。
一緒に考えてみましょう。(OALDより引用)
4-2. the past events concerned in the development of a particular place, subject, etc.
4-3. the study of past events as a subjects at school or university
4-4. a written or spoken account of past events
どれも言葉では[history]ですが、それぞれ使われる意味が微妙に異なっていますね。
ある特定の場所や物事の発展に関わる「歴史」、学校や大学で習う教科としての「歴史」、記述または口述による過去の出来事の記録としての「歴史」。
一言で「歴史」といっても、様々な使い方があるのは日本語も英語も一緒ですね。
おまけ2 : [horoscope]
a description of what might happen to you in the future, based on the position of the stars and PLANETS when you were born (LWDより引用)
ホロスコープとは、占星術で使われる出生図のことです。占星術では[chart](チャート)と呼ぶこともありますが、だいたいの意味は同じです。
ところで、ここで最初に使われている[description]という単語は、日本語にすると雑多になってややこしい言葉の一つです。あえて[description]を訳すと、次のようになります。(「英辞郎」より)
【@】ディスクリプション、デスクリプション、【変化】《複》descriptions、
【名-1】言葉による叙述、記述、記載、描写、説明(書)、解説、概要、詳細、内容、明細書本文
【名-2】意味◆表の項目として
【名-3】種類
【名-4】《医》性状◆医療用薬品の説明書などに記載されている
【用例・名-1】 The received item was not as description in the catalog. : 《レター》受け取った商品がカタログの説明と違っていました。
僕としては、[description]という言葉のイメージそのままを捉えて覚えたほうがいいと思っています。本来、単語とはそういうものなんでしょうけど、日本人は「母国語に訳して理解する」という教育を長年受けてきたために、その習性が抜けず邪魔をしちゃうんですね。
これと似たような表現の訳語としては、[syllabus]という単語があります。
もう10年近く前ですが、高校時代の後輩がカナダに留学している時に、よく向こうの生活のことを話してくれました。そんなときに出てきた言葉の一つです。(これも「英辞郎」より。「英辞郎 on the Web」もあります。)
【変化】《複》syllabuses、
【名】シラバス、教授細目、教授要目、時間割り、講義摘要、判例要覧
簡単に言えば「教えている内容」ということですよね、これは。
“教授細目”とか、日本人でも意味不明になりそうな訳は逆に分けわかんなくなります。 だから、こういう単語は訳で覚えようとせずに、その語感や指し示されるイメージで丸ごと把握したほうがいい。
ときどき英和辞典を引いていると、難しい日本語に逆に“辟易”してしまうことがあります。例えば、いま意図的に使った“へきえき”という言葉も、日本語を習っている外国人には難しいでしょう。それと同じことだと思います。
これを簡単に、「辟易ってのはね、“やだなー、うんざりするぜ ”ってことだよ」と説明してあげれば相手もよく分かるはずです。
難しいことを優しい言葉にして理解する
それが「英英辞典を使う」ってことだと僕は思っています。
P.S.
(→PS is an abbreviation for 'postscript'.(LWD) ※abbreviation:「Part4」参照)
ちなみに、[syllabus(syllabuses)]という単語をロングマンで引くと、次のように書かれています。
a list of all the things that students will study on a course
もう最初のリストという言葉で、シラバスってのが何を表すのかが分かります。
だいたい言葉のイメージとしては、前半の「a list of all the things(あらゆることのリスト)」を頭に入れておけばいいんじゃないかと思います。
オックスフォードには、「学生が勉強する際の、何かの本やトピックなどに関するリスト」といった感じの説明がなされています。多少具体的になっただけで、言いたいことはロングマンと同じですね。
いずれにしても、講義摘要とか教授細目なんていう日本語よりも、英英辞典での説明のほうがずっと分かりやすいでしょ?