CPNN(平和の文化ニュースネットワーク):国連の「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年」(2001~2010)

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結婚できない男

2012-06-01 13:28:25 | その他
レポーター:X

 結婚できない男、桑野信介は妥協という言葉を知らない。何事にも自分の美学を貫き通し、建築家という仕事上で気に食わない顧客が来ようものなら、どんなに大きな仕事でも、いくら周囲に迷惑をかけようが関係ないと言わんばかりの融通の利かない男である。彼にあるのは、ただ素晴らしい家を建てたいという信念だけなのである。しかし、私はその面倒くさい、偏屈な性格こそが彼の魅力なのではないだろうかと思えてならない。ちなみに、桑野信介は結婚できないのではなく、結婚しないのだと主張している。
 皮肉たっぷりの彼の台詞にはいつも的を射たものがあり、相手の心にぐさりと突き刺さる。読者としては、桑野信介が放つ愛嬌のある言葉は痛快以外の何物でもない。また、彼は小心者なのだが、身内や同僚、特に女性を自分より下に見るといった一面がある。論理的な皮肉に相手は何も言い返すことはできない。そんな彼を結婚できない男という。

モデレーターのコメント
 世の中には色々な考えを持っている人がいることは確かですね。その中で徹底してこだわれることは重要です。そしてそのこだわりを受け入れてくれる社会があるところに平和が維持されるのではないでしょうか。大事にしたいですね。

ピースキー:(4)傾聴   (8)民主主義

絵本「大きな木」

2012-06-01 13:20:17 | 
レポーター:NOW

作・絵 シェル・シルヴァスタイン  訳 本田錦一郎
 この本を子供から大人まで楽しめる本として紹介します。主人公である木が小さい頃から成長の過程男でも男の子がしたいということにこたえ何でも与えるという内容の絵本です。読み進めると、男の子の自分勝手な願い事にこたえて感謝されずとも見返りを求めず与え続ける木の「無償の愛」とその切なさが心に沁みます。原題は「THE GIVING TREE」、つまり「与える木」。私自身小さいころに1度読んだことはありましたが、最近になってもう1度読みなおしたときその木の愛を再確認しました。
木は男の子が幸せを感じたとき、それを自分の幸せとしました。自分が犠牲になっても男の子が幸せになってほしかった。それが木の幸せだから。今の社会で見返りをもとめない、無償の“愛”が存在するのでしょうか。いったい何人の人が他人の幸せを自分の幸せと言えるのでしょうか。何よりも先に損得を考えてしまう世の中がちょっと深呼吸するための絵本だと思います。ぜひ読んでみてください。

モデレーターのコメント
 「THE GIVING TREE」を直訳すれば「与え続ける木」ということで話の通りです。でも訳者は「大きな木」としました。なぜでしょうか。そんなことを考えるだけでもやさしくなりますね。とてもいい話ですが、この話から私達が何を引き出すのかが問われていますね。

ピースキー:(1)生命の尊重  (2)非暴力 (5)環境保護