新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

梵天坐像(左横側) 京都・東寺 平安時代

2011-09-19 20:18:44 | 旧仏像ワンダフル
実は奈良・西大時の十二天の一部の仏像の展示もあり、
梵天、帝釈天など東寺と同じもを同時に見ることが
出来たのですが、その表現の精度というか鋭さというか
傾向がまったく違っていました。

迫力の東寺系に対して癒し系の西大寺、
自分的には断然東寺のものが好きですが。

大体が書籍の写真を頼りに仏像を見てきた訳ですが、
実物を目の当たりにして感じるのは
陰影から感じられるシャープさです。
よくTVのタレントが画面では太って見えて
実物がけっこう痩せているのと一緒で、
このふっくらした印象の梵天も実物はとても
しまっていて肌に緊張感がありました。

同じ空間に身をおくと、わずかながら
かもし出す波動のようなものがあり、
梵天の場合は「安らぎ」そのものが感じられました。

横顔やその流れるような背中の曲線、
二本の腕のおさまり、安からな側面の顔、
台座やガチョウまで手が回らないほど
息を呑む造形です。








降三世明王立像(背面) 京都・東寺 平安時代

2011-09-18 20:10:09 | 旧仏像ワンダフル

やっと行くことが出来た「空海と密教美術展」

予想通り開館直後から30分待ちもなんの

かなり暗い仏像コーナーの中で普通のノートに描いてみました。

ちゃんと係りの人に

「模写は駄目だけどスケッチはオーケー、鉛筆で」

とのお墨付きをもらい壁際の壁になりきり大勢の人をやり過ごす。

 仏像の360度開放、もうこれは後ろを見る希少なチャンスでしょう。

どの像も何所から見ても完璧で、中でも真後ろに顔がある

降三世明王からチャレンジ開始。

これは他教の夫婦を踏みつけるという穏やかならぬものですが

邪悪さというより畏敬の感があるのはやはり表現の技術の高さです。

他にチェックした仏像はまた後日。

日傘貸し出し~でも立っているだけで汗が・・

スカイツリー見えたね

平成館なんですよ

本館では法隆寺の仏像もあり

買ってしまった・・

も一回行きたいけど~


五重塔 京都・東寺 平安時代(江戸時代)

2011-09-16 13:03:20 | 旧仏像ワンダフル
初代の建立は平安時代の空海没後のようですが
それから4回焼失、現存のものは江戸時代の家光による
寄進だという事で不屈の塔ともいえそうです。

それだけ各時代に受け入れられて受け継がれて
いるわけですから、不変の真理が確かにあるのでしょう。

さてそれは一体どんな事なのか?
現代に置き換えるとどの様な境地に導くものなのか?

次々に押し寄せる問題の処理や
不測の事態への対処に追われるスパイラルから
どうしたら解脱できるのか??

やりたいこともわからなくなるほど疲れる前に
そろそろ次に進みたいものです。

何気に見ていた五重塔にもこめられた意味が
あったんですね~

5つの階層に「地・水・火・風・空」
仏像の「頭上・眉間・胸・臍・尿道」
などと呼応してみたり。
是非はともあれすべて意味があるという事です。
それを感じて観ていくとしましょうか。
やりがいのある人生を送るために。





菩薩立像 茨城・神向寺 平安時代

2011-09-15 06:34:03 | 旧仏像ワンダフル
仏像の素材にも木製と銅造・鍍金の金属製が
あるようです。

平安時代のものを見てみると、金属製は頭が大きい。
座って三頭身、立っても四頭身くらい、
とてもユーモラス。

その中でこれまた極端なウエストの細さ、
身をくねらせて楽しそうな菩薩さん。
異端なフォルムだ。

こういう魅力的な像は当時の中央から離れた
土地に多いのかもしれないですね。



阿修羅像 奈良・興福寺 奈良時代

2011-09-10 15:17:33 | 旧仏像ワンダフル
この像も衝撃だった。
というよりも阿修羅というもののイメージを根本から
くつがえした仏像だ。

何故なら小さいころにテレビにかじりついてみていた
マジンガーZの阿修羅男爵と全然違っていたからだ。
その画面では男と女が半々で、しゃべる時も両方の声が
ダブルで同じセリフを語り、反逆の悪役である阿修羅がいた。


仏像界でイケメンで鳴らしている
顔が3つで手が6本の童顔の阿修羅が本家とは恐れ入った。

なかなか正面からは3つの顔が見えないので
それぞれどんな顔をしているのか調べてみた。

向かって右側はぽっちゃり系、
左側は下唇を噛んでいた。
髪の毛はソフトクリーム状だ。

こうやって見てみるとまだ幼い少年だ。
悪の道に踏み込んだのもきっと一途な気持ちからだろう、
とつい親心が出そうになるかな?

ま、昔ワルだったほうが大人になってやさしくなるような
気はしますね。




東寺・五重塔 平安時代 POP UP編

2011-09-09 14:07:26 | 旧仏像ワンダフル
「空海と密教美術」展
平成館 特別展示室 2011年7月20日(水) ~ 2011年9月25日(日)

 ボケボケしていると終わってしまう~~
 絶対見逃せないハズなのに・・・

気もそぞろになってしまったので東寺つながりで
五重塔を切ってみました。
開くと立ち上がるPOP UPというものです。



本物とツーショットにしてみましたがPOPですね~
ありえないピンク紙で写真だとわかりずらいですが
逆光でみると少し神々しくはなります。



世の中にはいろんなことを考える人がいるもんですね。
この本から型紙をいただきました。

いつか自分も、立体曼荼羅を3次元化したいと
ささやかに願うところです。
 

持国天立像 京都・東寺 平安時代

2011-09-08 14:39:34 | 旧仏像ワンダフル
東西南北の警備を司る天部の中の
東の守護神、持国天。
増長天よりも口を大きく開けて怖いです。怒っています。

私の仏像への概念をくつがえした衝撃の一体、
何が?ってその足元です。
あだだだ~何かを踏みつけているじゃあーりませんか。
なんか豚っぽいですが邪鬼でした。


資料によっては邪鬼が自分から持国天のおみ足を
のせていただいているというものもありますが
こんな足蹴にして許されるものなのか?

こんな自由な仏像が圧倒的な品格を保って
存在し続けてきたとは。

遠慮なく体現される怒り、憤怒の表情。
なんて爽快なんだろう。
自分の中で持て余していた怒りの感情を
昇華してくれるような気がした。
凄く嬉しかったのを覚えています。


それから仏像への旅がはじまったわけです。





出山釈迦像 奈良国立博物館 室町時代

2011-09-07 06:17:22 | 旧仏像ワンダフル
どよ~~ん 
山で6年も苦行したのに解脱出来なかった。
これじゃ死んでも死に切れない。
夜明け前のシッダールタです。

張り出した頬骨とえら、切れ長の目
衣服のディテールが精巧なのに
人物は案外あっさりと表現している

真に迫るということが
直接的なものから内面の精神に向けられる
日本的な感覚が現れているように思う。

後でじわりと効いてくる。